続いてるから好きなんだ/#219
「あなたは写真のこと好きですか?」こう問われた時、なんと答えるか考えてほしい。僕の場合は「もちろん大好きです!もう最高ですっ!」となんの前置きもなく反射で答えると思う。
なぜなら心から写真と出会えて良かったと感じているからだ。
写真は今まで気づきもしなかった大切なことを教えてくれた。例えば撮って残すことで記憶が鮮明になることや写真を通してのコミュニケーション、人とのつながりなどだ。
それまでは何となく喜怒哀楽を感じながら過ごしていた日常には、自分が忘れたくない大切にしたい記憶が数えきれないほどあると知った。だからこそなにげない日常が好きで、そういった飾らない姿や環境を記録するように撮影している。
写真を撮る時は記録するというよりも、記憶するという感覚が近い。自分自身の目で「あっ!」と心の琴線に触れた瞬間に瞬きをするようにシャッターを切る。そういった感覚。自分が残したい記憶はコレなんだという気持ちだ。それを未来の自分に向けて撮りためてゆく。この積み重なった記憶たちは見返すたびに鮮明になる。その時の音や匂いや湿度まで閉じ込められていて目を閉じればそこにタイムスリップできるような気がする。
そういう風に写真と向き合っている。自分が大切にしたいものや残したいものを形にするのが写真であった。それだけの理由かもしれない。だからこそ写真が好きで続いている。続ける理由がそこにあるから。好きだから続くし、続いているから好きなんだ。そういうものなのだろうと改めて実感している。
続ける理由がそこにある。
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