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ブラック企業の中で見つけた光

2月中旬。元同僚が日本に帰国し、ワンオペ勤務になった。周りはのんびり仕事してる中、私だけ常に社長に怒鳴られる、愚痴を言える人もいない、1人で大変なの知ってるはずなのに同僚はあれはどうなった、これやってほしいなどと自分で調べもしないで何でもかんでも私に聞いてくる。もう私は完全に病んでいた。

何でもないことに過剰に反応。泣きながら仕事。


ある日、1人の同僚が〇〇さんの件、どうなってるの?とまたすぐに私に聞いてきた。その時、頭の中でパニックが起こった。わー!!っと叫んで物を全部ぶちまけたい気分。
気づいたらボロボロ泣きながら情報を探して、お客さんに電話をしていた。
自分でも何でこんな小さなことで泣いているのか理解ができなかった。
見つからない、なんでできない、できないの!と言いながら、泣きながらパソコンに向かっていた。
その様子を同僚は見ていたが、何の声もかけなかった。多分、こいつやばいな。と放っておかれたのかもしれない。
その時にもう自分はやばいな、涙が勝手に流れる位精神的にきてることに気づいた。
朝からズタボロな気分で仕事をしていた。

ある時、しばらく顔を見ていなかったお客さんがきた。その方は仕事をしながら、ブロガーとしても活躍していて、この国の日本人コミュニティではちょっとした有名人。色んな所に取材として出かけていていつも楽しそうだなと思っていた。文章もおもしろいし、いつも笑顔でちょっとあこがれの人。
もうわらをもすがる思いとはこのことだと思う。この人の話を聞いてみたい、と思った。私はその人、Aさんに気づけば声をかけていた。

「私も文章書くこととか興味があって、良かったら色々お話聞きたいのですが、よろしいですか?」
Aさんは「全然いいですよ、そこで話しますか?」と笑顔で応えてくれた。Aさん自ら、「話しますか?」と言ってくれたのが何よりも救いだった。
だって誰もそんな言葉をかけてくれる人はいなかったから。
私は職場で話してるにも関わらず、転職しようと思ってること、今後の人生についてとか
ずっとずっと一人で溜め込んだ思いを吐き出した。
私が入社したとき、元同僚は1人で4か月間ワンオペ状態で、すごく表情が強張って緊張状態だったのを思い出した。
気づいたら私も彼女と同じ様になっていた。誰かに言いたいけど言える人がいない、誰に言っても理解してもらえない、抱えたくないのに抱え込むしかない状況。今まで日本人コミュニティを避けて生きてきたけど、話を聞いてくれる人、アドバイスをくれる日本人。必要だったんだな。
Aさんは、誰かに相談されると、助けてあげたいと思ってしまうらしい。人脈も人望の厚さからいろんな人から相談される様だった。
以下はAさんからいただいたアドバイスをまとめようと思う。

Bosyuサイトを使ってキャリアの棚卸し、気持ちの整理

Aさんは日本から数か月ぶりにこちらにもどった矢先、なんと企業からクビを宣告された。その際にBosyuという個人の方が色んなスキルを売っているサイトでコーチングを受けた。
コーチングを受けて、自分が何をしたいかを再確認できたらしい。
履歴書もプロの人に添削してもらい、
自分で補えない部分はプロにお願いするというのは建設的だと思った。

転職エージェントのいう事を真に受けすぎない

仕事がないのは私だけが悪いのでなく、営業力がないエージェントも原因がある。仕事はあるところにはある。担当者だって1年で辞めていく人が多い。それを聞いてすごく心が軽くなった。そして、自分も企業を面接しているという気持ちで臨むこと。私なんかを雇ってくれるところだからという意識で臨むとまたブラックに行ってしまう。
ブラック企業にもう行かない!ではなくて自分の強みを活かした転職活動が大事で、それを的確に担当者に伝える事が大事。

自分の人生を、自分の時間を生きる

Aさんの周りも海外に来たから、と言って色々な事を背負い込む人をみてきたらしい。
結果を残すまで簡単に帰れない!皆が現地語やってるから、やらないと!友達作らないと!みんな踏ん張ってるから私も頑張らないと!3年以上勤めないと日本社会のクズになってしまう!
一体だれのために?色んな「こうしなきゃ!」「こうでないとだめなんだ!」という縛りや呪いをかけている事に気づいた。
そしていつ人生が終わるかわからない。当たり前だけど時間は限られてる。Aさんも元々映像会社で働いてた時に、多くのスタッフや芸能人が精神が壊れたり、自殺した人も見てきたという。だから、その言葉には説得力があった。

何でも真に受けすぎない。受け流すスキルも必要

これに関しては私の生き方や不器用さゆえにまだまだ足りないスキルなのだけれど。なんでも本気で受け止めていると本当に消耗が激しい。私はそんなことない、私はまじめすぎないと思っていたけど、そんなことなかった。社長のいう事も全部受け止めて落ち込んで・・攻撃されてまた失敗して自己嫌悪に陥って・・。八つ当たりする社長が明らかに悪いんだけど、受け流せるスキル、精神力も少しづつ養いたい。

Aさんは一見明るくて不自由ない人生を歩んでいる様に見えたけど、実はいろんな苦労を乗り越えている。でもどんな苦悩にぶちあたっても、建設的に前向きに進む姿は本当に尊敬する。こんなブラック環境で、私はAさんに出会えて本当にラッキーだ。Aさんが私を闇から少し引っ張ってくれた。ここに来ていまいちぱっとしない自分の人生に光が差した。Aさんに続いて私も誰かの光になれたら、という願いを込めてそろそろ終わります。



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