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睡眠というより睡眠時間の話 続き

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あらすじ

馬鹿げた教師の発言と反発心から次第に追い詰められていくマジュフォン。その体には確実に限界が近づいていた・・・。


徹夜とその経過

中学の頃に1日で終わっていたことは高校では1日で終わらなくなっていました。徹夜初日ならばなんだかんだでまだ体は動きます。徹夜2日目にはぼーっとする時間が増えるなど注意力が散漫になっていきます。徹夜3日目に入るともはや正常な判断力すら働かなくなってきます。

寝る気はなくとも勝手にまぶたが落ちてくる、些細なことでイライラする・怒鳴りつけるなど普段の自分とは思えないほど性格まで変わってくるのです。三大欲求の中でも睡眠に対する欲求が狂おしいほど膨れあがってきます。帰ったら寝てやると毎日思っていました。

他の人間の顔を見ると明らかにすっきりした顔をしているのですぐにちゃんと寝ているとわかります。それだけで心のどこかから憎しみがわいてくるのです。どうして俺は寝れないのにこいつは寝られるんだと。この頃の自分の顔はさぞ酷いモノだったでしょう。

かつてナポレオンが学生時代に3時間睡眠で勉強していたという話を聞いたことがあります。大変な努力家ですが、その代わりにナポレオンは他人のミスを許せない、怒りっぽい性格だったらしいです。


体調と精神の変化

それは実際に体験してみるとよくわかりました。この当時私は慢性的な頭痛や腹痛に苦しんでいました。幻覚や幻聴を含め周りの人間が自分の睡眠を邪魔する敵にしか見えなくなってくるのです。被害妄想も激しくなってきます。現実と夢の区別がつかなくなってくる、薬物中毒患者のようです。もう長くはないなと自分でも薄々思っていました。

そしてついにバレーボールの練習の帰りに自分で立てなくなるほどの激しい頭痛に襲われ、友人達に自宅まで運ばれました。ついに爆弾が爆発したのです(パワプロサクセス風)。友人達に自宅まで運ばれベッドで朦朧としながら、自分は限界を超えたのだなと思いました。何時間か気を失って目覚めたら多少はましになっていました。

補足しておけば私はその時まで大きな病気にかかったこともないし健康には他人より自信がありました。勉強以上にそこで倒れたことで自分の健康への自信を見事に粉砕され、高校を辞める決意というか確信を得ました。これ以上やれば死ぬと本能的に悟ったのです。ちなみにこの状態でも教師からは「勝手に自分で限界とか決めつけるんじゃない」というありがたい言葉を頂きました。くたばれ、ティーチャー。

医者に診察してもらったときには過労と睡眠不足、ストレスだと言われました。しばらく学校は休めませんか?と言われたので「あそこ(学校)はそんなに甘い所じゃないんです」と答えました。

具体的な病名や診断書でもない限り私の話では教師を説得できなかったのです。彼らは最初から私を信用していなかったし、私が健康上の理由を説明したところでサボりだの嘘つきだのと言われるのは明らかだった。

今まで親や教師の顔色ばかりうかがって納得できないことにも従ってきました。しかし学歴か命かの天秤を比べて見たとき、私は迷わず命を選びました。自分の体のことは誰よりも私が一番わかっているからです。辛い・苦しいという感覚は個人差があり他人と共有することが大変難しかったです。


おわり

以上が私の体験と、その結果です。本来あそこまで睡眠時間を削る必要はなかったですね。ただ当時の自分は自信がなかった。それは無理だと断る勇気や、経験に基づく自信がなかったのです。なんとなく言われたことを機械のようにこなしていただけでした。あの経験を得た今だからこそ自信を持って言えます。無理な徹夜や、睡眠時間の削減は悲惨な結果を引き起こします。

自分を含めおそらく教師たちも最低限の睡眠時間で大丈夫と過信しすぎていたのでしょう。個人差というものを失念していたしその中でも自分は特に睡眠時間削減に向いていなかったのだと思います。(同じくらいの睡眠時間でも平気な友人はいました)

日本人はとにかく勤勉、努力を尊びますがそれもバランスが大事です。「寝る間も惜しんで」という言葉がありますが、「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉もあるんですよ。

締め切りが迫っている焦り、教師や親から怒られるという心理的な圧力、本当に間に合うのか?という自信のなさ、そういったものがかつての自分を破滅へと導きました。気合いだけではどうにもならなかった。そしてメンタルが弱かった。あと自暴自棄になっていた。

開き直って冷静になる、休む勇気、嫌われる勇気を持つといったことが当時の自分にできていればあんな結果にはならなかったでしょう。また、他の同級生もやっているから平気だという考えから自分の感覚・限界を無視した行動の結果でもあります。教訓は「引き際を誤るな」です。

睡眠時間だけでなく命の大切さも学んだ経験となりました。命さえあれば再挑戦も可能です。失敗も挽回できます。何が大切で何を切り捨ててはいけないのかをしっかりと見極めなくてはいけません。睡眠時間を削るときはちゃんとリスクとリターンを考える必要があるのです。

#睡眠時間 #リスク #命

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