最近ピアノにはまっている

 最近ピアノを弾くことにはまっている。最近というのはここ10年くらいで、最近というには少し長いかもしれない。10年前、とあることで仕事を休み、自由な時間が膨大に出来てしまった。そこで、娘と一緒にピアノ教室に通うことにした。自分はピアノは子どもの頃に少し習っていたので、大人のピアノ•リスタート組といったところか。いつか娘と連弾をという淡い期待もしていたのだが、娘は途中からピアノ嫌いになってしまい、見かねた先生の「嫌なことはやめて、好きなことをやった方がいい」というありがたい言葉のとおりすぐにやめてしまって、連弾の夢はついえて我が家の生徒はわたしだけになってしまった。
 なぜここまでピアノにはまったか考えると、ピアノの音が好き、音楽が好きというのはもちろん大きいが、我が家に伝わる貧乏性気質が大きいような気がしている。
 うちの貧乏性気質の母は長野にいるのだが、登山が趣味で定年後は毎週末のように登山に出かけていた。ところが、コロナ禍が始まって、登山に思うように行けなくなった途端に、当時の世の中の流れに逆行して、「このままでは筋肉が落ちてしまう」と、人気の減ったジムに通い始めた。ジムに通い始めると、根が貧乏性であるので、払った会費以上には元を取りたいと、今も週5で足繁くジムに通い、ヨガ、ダンス、水中ウォーキングとまるで学校にでも行っているようである。
 同じく貧乏性のわたしは、子どもの頃の親のお金で習い事に通うのとは違い、大人の習い事は、自分がそれなりに頑張って働いて稼いだお金から月謝を払うので、気持ちのもちようもシビアになり、お金を払った以上のことはしっかり身につけたいと思ってしまう。そうなると、レッスンで1週間前と進歩がない演奏では、また同じことを習うことになってしまうので、貧乏性の自分的には許せない。そんなこんなで、約10年、4人の先生にピアノを習って、ますますピアノにはまっている自分がいる。

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