フェスタ初開催の頃の話 その①
前回の記事で、大学応援団フェスタのこれまでの歩みを簡単に述べました。
世の中に「大学応援団フェスタ」というイベントを打ち出してまだ満7年ですので、その歴史を語っても長編小説のような長い文量にはなりませんでしたが、現実にフェスタ初開催に至るまでには多くの難題がありました。
また、今なお、大学応援団フェスタの開催目的の達成は道半ばの感があります。
今回は、2018年に開催した「第一回大学応援団フェスタ」を開催するまでの経緯などについて、「その➀」として記載したいと思います。
第一回大学応援団フェスタ
2018年9月18日(日)に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された第一回大学応援団フェスタは、現役学生のいる8団体が、大学応援団業界全体を復興させたいという大義のため、所属の連盟を超えて結集し、リーダー公開(ステージ上での発表)を中心とした様々な企画を実施しました。
また、現役学生のいない4団体も、OB会による協力という形でこのイベントに参画しました。
イベントについては、以下のサイトで詳しく説明しています。画像などもあり、臨場感を感じていただければと・・・
このイベントは一重に、多くの方に「大学で活動する応援団の魅力」を改めて知ってもらい、将来的な大学応援団の質・量や地位向上を目的として開催したものでした。
単なる賑やしの単発イベントではなく、このイベントを大学応援団復興の分水嶺となることを願ってのものでした。
筆者の立ち位置
まず、筆者である私、トチモトについて記述させていただきます。
筆者は今日の段階で大学応援団の監督を務めており、大学応援団フェスタでは実行委員会の事務局長という立場で、実務全体の業務を主担当する役割をになっています。
大学応援団フェスタはあくまで任意の団体による集まりに過ぎませんので、実務全般は事務局が担う必要があります。
具体的な実務として、企画立案、ポスターやパンフレット等の作成、会場との調整、HPやSNSの運営、各団体との連絡調整などです。
当日も、スムーズな運営のため、あちこちに担当を配置し、問題発生を防いでいます。
後日には、YouTubeへの動画アップ、後援してくれた団体への事後報告などもあります。
まだ小さなイベントではありますが、事務局は4~5人で構成しています。
筆者のバックボーン
私は、2000年代に入った頃、大学で応援団を部活動として選択し、4年間所属していました。
大学で活動する応援団をご存じない方にご説明しますと、大学の応援団は主に、学ランを着用したリーダー部、演奏を担当する吹奏楽部(ブラスバンド部)、チアリーディングで応援するチアリーダー部の3つの部門に分かれています。
もともと大学の応援団は昭和初期にリーダー部から出発し、昭和中期以降、吹奏楽部、チアリーダー部が併設されてきた歴史があります。
応援団の主な役目は、試合会場などで組織的に応援することです。大学の応援団は高校などと異なり、同級生やお客さんと一緒に応援するというより、自分たち単独で応援を行う形式が中心です(一部の大学はお客さんが多いためお客さんと一緒に応援することもあります)
リーダー部は組織応援の中心で、振付を利用しながら応援全体の節を採るような役割を担っています。
吹奏楽やチアリーダーと比較すると成り手が少なく、どの団体も後継者不足が深刻化しています。
私の話に戻すと、先に述べた応援団3部門のうち私はリーダー部に所属しており、リーダー部特融の少し古臭い伝統を守りながらも、平成の時代に適合した活動を志していたと思っています。
ちなみに、私の所属していた団体はリーダー部しかなく、応援団=リーダー部として活動していました。他の大学と比べ、武骨な団体だったかもしれません。
業界全体の危機
卒業後も縁があり、私は自分が所属した団体の補助的な指導者(助監督)を務めさせていただきました。
その立場で、大学応援団業界の末席から、この業界の推移を見てきました。
私が大学生で応援団活動に邁進していた2000年当時でさえ、大学応援団に所属する学生は減少を続け、このままでは多くの団体から現役学生がいなくなってしまう=その団体が無くなってしまうと言われていました。
そしてその予測どおり、私が卒業した2000年代半ば頃から活動を休止する応援団が急増しました。
私が卒業する前後には存在していた団体で、その後から今日までに無くなったところは、私の知る限り10を超えています。
そもそも大学応援団が存在していた大学は100もなかったと認識していますので、その1割以上が僅か20年の間に消滅したことになります。
どの団体も、現役学生だけでなく指導者を含め、団体の存続について非常に強い危機感を持っていたと思いますが、抜本的な解決には至りませんでした。
新入生が入ってくれないという根本的な課題に悩まされています。
指導者の端くれとしてこの課題の背景は何なのかを考えると、大学応援団そのものの認知度の低さ、何をしているのか分からない、何が面白いのか分からない、ということではないかという点に行き付きます。
大学で応援団活動を4年間終えた身からすると、その活動の楽しさ、魅力ははっきりしているのですが、大学応援団業界として、その魅力を外の方々に伝える努力が足りなかったのではないかと思います。
取組の初動
現状の大学応援団業界を復興するため、まずは広くその魅力を伝える場を作る必要がありました。
この考え方を身近の指導者や年齢の近い応援団出身者に伝えると賛同者も多く、真剣にPR活動を行うことで、現状を打開する糸口になるのではないかと思い至りました。
しかし、大学応援団の魅力は何か、という簡単な問いに対してでさえ、統一的な答えを出せないという状況にあることにも、改めて気づかされました。
大学応援団は全国的な統一組織(上部組織)がなく、理論的な支柱が存在しないため、まずは「大学応援団とな何なのか」「その魅力は何か」を整理する必要があり、早急にそれを取りまとめることが必須でした。
この取組は簡単なようで、統一組織がないという難しい状況もあり、なかなかに大変でもありました。
まずは志ある仲間を集め、考えを取りまとめることにしました。
次回に続きます。
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