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⑫心も身体も救われた

あれから10年、40歳で再婚をした。
その間にも沢山の事があった。
主に子供達の事。
いつも3人で出かけたり、仲良く過ごしていた。
たまにガスとか電気が止まって、銭湯に行ったりもしたけど、ストレス無く3人で過ごせてるだけで良かった。
父親が居ない事を辛いと言われた事は1度も無い。
下の子が小3の時に溶連菌からの急性腎炎で3週間入院をした。
血圧が180までになって痙攣して救急車で運ばれた。
3人で救急車に乗って、上の子と手を握り合って無事を祈った。
上の子が高1の時に溶連菌からの心膜炎でICUに入り1ヶ月の入院をした。
炎症のせいか、一過性の記憶喪失になってこの先どうなるのかと不安になった。
2人とも中学から同じ部活に入り、高校もスポーツ推薦で同じ高校に行った。
合宿に同行したり、毎日1キロのお弁当を作ったり、子供達のお陰で充実した生活が出来た。
上の子は高2の時荒れていて、補導されたり、朝方酒臭い身体で帰宅して、そのまま学校に行かせた事もあった。
私の教育が良く無かったのか?とか、1人で男2人を育てる事は常に不安が付き纏っていたけど、今までの私の経験を考えると乗り越える事が出来た。

大切な人に出会う事も出来た。
離婚ハイ
3人で暮らし始めた頃、そんな感じだったんだと思う。
20歳で結婚して、10年遊んでなかった。
今まで大人しくしていた分、沢山の人達と接する事が増えた。
飲みにもよく行ったし、子供を連れて色んな人と遊んで貰った。
夜飲みに行くと、誘われる事が増えた。
誘って来た人間は昔から知っている、店員との出来事を酒飲みのネタにしていた人達だった。
そういう人に対しては、本当にどうでも良い「無」の感情しか無かった。
今まで色んな事を我慢していた開放感と、その反対にこの先の漠然とした不安、寂しさを埋める一時凌ぎ。その人達とひと晩過ごしたりした。

そんな中、出会った彼は最初私の事を全く相手にしてくれなかった。
その人の事が好きで何度かお付き合いをお願いしたけど、バツイチ子持ちと真面目に付き合える、責任が自分は持てないと断られた。
けれど、私はしつこかった。
傷付いたり、悲しい思いをしたくなくて、適当にどうでも良い人と遊んでいたけど徐々にやめた。
彼が私をちゃんと見てくれるようになるまで、3年くらいかかったと思う。
彼の誠実さに、私の心も身体も救われたと思っている。
真面目に働くし、勿論法律違反もしない。
当たり前の事なんだけど、今までがそうじゃなくてとても新鮮で、安心感満載。

一緒に美味しいものを食べたり、子供達の悩みを聞いてくれたり、私が38歳で子宮頚がんで入院した時も子供達と一緒に付き添ってくれた。
出会ってから10年、妊娠と結婚を彼のご両親に報告したら、泣いて喜んでくれた。
バツイチと結婚して嫌がられないか、凄く心配したけどこんなに喜んでくれて、今までにない経験でとても感動した。
彼も彼の家族も皆んな優しい人達で、有り難かった。
そう、17年ぶりに3人目の男の子を出産した。

上の子達も自立して、私は新たな家族3人で安心した生活を送る事が出来るようになった。

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