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「どっこい神輿」と”神輿甚句”

どっこい神輿では「どっこい、どっこい!どっこい、そーら!!」の掛け声だけでなく、唄ともに神輿を担ぐんですね。相撲では相撲甚句ってありますよね。神輿には「神輿甚句」ってなとことですね。

ってな訳で、YouTubeで色々と探して見付けたのが、こちらの茅ヶ崎鶴嶺八幡宮の神輿渡御での「茅ヶ崎甚句」。

2011年東日本大震災から半年後の秋の祭礼の宮入です。味のある節回しと宮入でその年の神輿渡御の終わりを告げる切なさ。そして、東日本大震災からの復興への祈りを歌詞に乗せて。

【歌詞書き起こし】 *間違ってたらご勘弁m(_ _)m

今日のエ良き日の
鶴嶺八幡宮   ← ご当地ごとに替える
ご当地神社氏子の皆様よ
色々お世話になりました
ご見物なる皆様の
熱い思いを背に受けて
町内清めて宮入の
今の時となりまする
まだまだ肩を入れたいが
もはや時間と相成れば
お友達やら皆様と
やがてお別れせにゃならぬ
お名残り惜しいはそうらえど
またのご縁が合う日まで
皆々様のご多幸と
浜之郷五町のご繁栄  ← ご当地ごとに替える
東日本の復興へ  ← 「世界の平和を」などと唄ったりするようです
あげて
お祈りエ〜
いたします(よいよい!!)

この歌詞は、どうやら動画で唄われている小島さんという方が自ら創作されたようでして、湘南界隈の甚句として定番となっているみたいです。湘南甚句、茅ヶ崎甚句の名人とも言われてみたいですね。

この歌詞を改めて読み返したら、神輿のことをよぉ〜く分かってらっしゃる!!って、思わず感心しちゃいました。

感心ポイント(1):「町内清めて宮入の」ってのは、そもそも御神輿って神社の神様を乗せて氏子町内を回るってことですから。町内を清めるってことだったり、氏神様に町内と氏子の姿をお見せするってことだったり。これを分かってる人って、実は少ない(;_;)だから「さすがです、小島さん!!」って唸っちゃいました(笑)知り合いでもなんでもないですけどね・・・

感心ポイント(2):「まだまだ肩を入れたいが」ってのは、要はまだまだ神輿を担いでいたい!ってこと。御神輿を担ぎ上げる時って神輿頭が「肩入れて!」って声掛けるんです。なのでこのフレーズは、これで神輿渡御がもうすぐ終わるってことの寂しさを表しているんですね。これ、神輿バカの心に沁みます(笑)

感心ポイント(3)「東日本の復興へ」ここの歌詞は、色々と情勢によって替えるようですが、2011年東日本大震災の年。うちの地元の祭でも、神社の境内に飾る提灯に「東日本復興祈願」って一文字ずつ計7個の提灯を掲げたりしました。恐らく各地の祭や神輿渡御では、何らかの形で東日本、東北の復興への想いや祈りを込めたはずです。神輿渡御で氏子町内を、そして世の中を少しでも明るく出来ればって、きっとそうお考えになったんだと思います。リスペクトです。

歌詞の書き起こしをしていたら、こんなことを考えていた次第。

神輿甚句には、他にも替え歌がたくさんあって、数え歌とか色々と。そのあたりは、またの機会ということで。

それにしても、茅ヶ崎のどっこい神輿で小島さんの歌声がまた聞けるとイイですね。一度、聞いてみたいな〜(^^)