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新型コロナ騒動の中で演劇を⑥ ・・・ <創作>

(超人予備校第16回本公演『ヤドカリン』は、2020年の11月から延期し、2021年3月31日、4月1日の2日間仕込み日、4月2日~4日本番で上演しました)。
こんばんわ、劇団超人<正直に言います!>予備校主宰の魔人ハンター<あーやっぱりマスク焼けしてるなー・・・>ミツルギです。
今回は『創作』について書きます。
台本作りなのだから、コロナ禍だろうが変わらないと思われるでしょうが、ちょっと引っかかることがあるのです。

コロナ禍でコロナ禍の芝居をやるべきかどうか?

です。

コロナを扱ってコメディーにできるのか?
という疑問がありました。
まだ出口が見えてない状態だし、死者も出てることですから。
笑いにしていいことなのかな?

コロナを忘れるようにコロナと関係ない芝居でスカッと笑ってほしいと思う面もあります。
正直悩みました。
が、どうしてもコロナ禍だから感じたこととかを描きたくなったのです。
まあ、まだコロナ禍という時代を描いた作品がないと思ったことが大きいです。
嘆く芝居はありましたが、まだ受け止めた作品は無い気がしました。
私が観た範囲での話ですが。
延期したのなら延期した分新しくしたいと思いました。
その分、今の気分を入れてみたかったです。

台本持ち

今回、童話を作りました。
延期したので、そのアイデアを童話にしたのです。
『ヤドカリン』というタイトルは決まってました。
元々、ヤドカリの話をやるつもりでした。
『ステイホーム忠太郎』という童話になってます。
引きこもっているヤドカリの話です。

忠太郎

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それと対をなす話として『カリン姫』という話を考えました。
カリンは酒に漬けるか?砂糖か蜂蜜に漬けるか?しないと食べることができません。
一人でいると食べられるようにならないのです。
誰かと手をつなぐと食べられるようになるのです。
辛党か?甘党か?極端なところに行かないといけませんが。

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本来は『孤立』についての芝居の予定でした。
が、コロナ禍になってしまいました。
私が

2020年はヤドカリ年!!!!!

と決めたら、ほんとにヤドカリ年になったのです。

そんな中、もう一つの童話が生まれました。
『なま子』です。

まこ

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実際の事件に衝撃を受けて、どうしょうもない無力感とイライラが襲ってきました。
それがドンドン形になっていった感じです。
『ステイホーム忠太郎』を書いてるとき(かなり難産でした)、ふとアイデアが浮かんで、『ステイホーム忠太郎』を書き終わると一気に書き上げました。
3時間ぐらいだったかな?
まさにコロナ禍が生んだ話です。
この話が『ヤドカリン』の背骨になりました。

『ステイホーム忠太郎』は、不安定な生活からどこかへ行きたい気分で書いたもの、
『なま子』は怒りで書いたもの、
『カリン姫』はただただ楽しんで書いたものです。

この状況がいつまで続くのかという不安と、
どうにもできない無力感と、
ニュースを見るたびにイライラした気分と、
どこか他人事で初めて体験することに対する好奇心と、
ウチに閉じこもって面白いことを作っていく楽しさ。

どれもコロナ禍で私が感じたもので、全てを合わせてコロナ禍の私です。

まあ、童話にしてしまったから、あとで芝居にしにくいところもありましたが、そこが今回の特色だと思います。

こう書いていくとコロナ禍を書いたというよりも、コロナ禍に書かされたと書いた方がいい気がします。


コロナ禍の空気感、この芝居で感じてもらえたら嬉しいです。

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書き終わり


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