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とりあえず移住してみたけどやりたい事なんて全然見つからないじゃん! -狩人への道 part0-

すべての人にやりたいことがないと"ダメ"という訳ではない。
ただ、「夢を持つことは良いこと」という教育が小さな頃から刷り込まれていた僕には、何かやりたいことを見つけなければ幸せな人生を送れないような気さえしていた。

やりたいことを見つけるために…

転職は3回した。
引越しも9回した。

周りの環境が変われば強制的に自分の中の何かも変わると思ったから。
自分が変わればやりたい事も自然と見つかると思ったから。

でも気が付いたら、やりたい事がまっっったくみつからないまま
30歳を迎えていた。絶望した!

地方移住は希望だった

僕は"都会生まれ都会育ち"というわけではないけれど、比較的栄えた場所に住んできた人生だった。

「もしかしたら都会には自分のやりたい事がないのかもしれない。」
「だから夢中になれるようなやりたい事が見つからないのかもしれない。」


そんな考えが頭の中を巡り巡っていたのかもしれない。
地方に移住してみるというのもありかもなと思った。

いままで引越しや転職を繰り返した時「環境が変われば自分も変われる」と思って結局大して変われなかった。
その原因は"環境の変化が小さかったから"だと思った。

だから
自分が全然知らない場所
自分が行ったことのない場所
自分の事を知っている人が誰も居ない場所
そこに行けば「何かが変わるかもしれない」
そう思った。

無意識に住まいの選択肢を狭めていた

私は、住まいを転々としながら暮らしてきた。
東京、千葉、神奈川、新北・・・

どのまちも、自分が住みたくて選んだまちだった。…と錯覚していた。
いままで住んできたまちは、本当に住みたくて選んだまちだったのだろうか?

振り返ってみると違った。
住む場所を選ぶ基準は「学校に近いから」とか「職場に近いから」とかそんな感じ。
選択する範囲をかなり狭めて、その中でも自分に見合ったそこそこ良さそうな場所を妥協して選んでいた。
自分の意思で、自分が住みたくて住んだまちではなかった。

だから、"縁もゆかりもない場所への移住こそが本当に自分が住みたい場所"なのかもしれないと思った。

とりあえず移住してみたけど…

やりたい事なんて全然見つからないじゃん!
ここで熱いタイトル回収である。

そんなこんなで地方移住して半年。
地域には色んな課題があることが分かってきていた。
その課題は都会よりもより鮮明に見えた。3Dのように課題が浮き出て見えた。

なぜなら地方の課題は自分との距離が近いから。

都会のように課題の規模が大きくなく、頭の中で想像できる範囲に収まる。だから課題を自分ごととして考えやすかった。

身近に課題があれば、それを解決するためのアイディアを考えるようになる。
アイディアはたくさん浮かんだし、環境に恵まれたおかげでいくつか実行もできた。

「楽しい!」と思えることもたくさんあった。
でも、夢中になれる程ではなかった。
「これを達成するためなら人生を懸けても良い」と思える程にやりたいことではなかった。

とりあえず移住してみたけどやりたい事なんて見つからなかった。

やりたいこととの出会い

数ヶ月後、それは突然現れた。
何の前触れもなかったように思う。

出会いはたまたま参加したオンラインイベントだった。
イベント名は『シシコツコツ
変な名前だと思った。でも耳に残る。思わず口に出したくなる名前。

シシコツコツにはテーマがあった。

ないものは、山でつくれる

シシコツコツ

ん?てなるキャッチーなテーマに引き込まれた。

地方移住してから山は見慣れてしまっていた。
毎日嫌でも視界に入る山。
一歩外に出れば、南に八ヶ岳。北に浅間山がど〜んと存在感を放っていた。

でも…すぐ近くに存在はしているけれど、山に入る機会は少ない。
それに、僕は山について何も知らない。
こんなに近くに常にあるのに、不思議なことに僕は何も知らなかった。

『距離は近いけど心は遠い』

山はそんな存在だった。
一際存在感は放っているが、名前も声も何も知らない隣人のようだった。

山のことをもっと知りたい。
未知の山の中にはもしかしたら自分がやりたいと思える事があるかもしれない。そう思った。

狩猟との出会い

シシコツコツは全4日間の日程で行われた。

3日目の2022年2月11日(金)
山のまわし方」というトークセッションの中で僕はやりたい事を見つけることができた。
猟師でもありデザイナーでもある『山学ギルド』の川端さんのお話を聞いて瞬間的に「これだ!」と思った。

地域にとって良いことで、やることに意義がある。
さらに、森林の問題や処分方法、猟師の高齢化などたくさんの課題を抱えていて、そこに自分のスキルを活かせそうな隙間がある。
不安定な社会情勢への不安を拭えそうな仕組みも作れる。
なにより、好きになれそう。楽しく続けられそう。そう思った。

狩猟体験サービスをつくりたい

何年先になるのかはわからないけれど、狩猟を気軽に体験できるサービスがつくりたい。というかつくる。
名前は仮だけどもう決めた。

『KARIUDO GUILD』

読み方は「かりうど ぎるど」である。
ウキウキでロゴもつくった

狩人(猟師)としての生活を擬似体験しながら、ギルドというチームで試行錯誤できる。そんなコミュニティのようなものをつくる。


サービス立ち上げの準備

まずは狩猟の腕を磨く。というか狩猟免許を取る。
いまはまだ構想という名の妄想をするばかりで、狩猟をする資格すらない。
だから早急に免許を取る。
あとは、鹿の生態や猟法を研究し、IoTを駆使して独自の狩猟を開拓する。

狩猟の世界はまだまだブラックボックスだし、イノベーションが起きていない領域。
そんな秘密のベールで包まれた箱をオープンにしたい。

しかし、狩猟は自然との闘い。
素人が飛び込んですぐに成果が出せるものではない。
だから経験を積む。経験を積みながらシシコツコツと準備を進める。

おわりに

僕はやりたいと思えることがたまたま狩猟だった。
でも狩猟に出会えたのは長野県に移住したからだと思っている。
狩猟の話しを聴くきっかけとなった『シシコツコツ』は長野県のイベント。
恐らくというか絶対に、自分が長野県に住んでなかったら間違いなく参加していなかったイベント。
だから、長野県への移住が僕とやりたいことを繋いでくれた。

とりあえず移住してみてよかった。
いまはそう思う。

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