見出し画像

『私が棄てた女』

原作遠藤周作
監督浦山桐郎
主演河原崎長一郎
1969年

60年安保が終わり、虚脱感と敗北感に塗れた男。アノミー化し、階層化を顕にしてゆく社会。

吉岡が学生時代に知り合い、関係を持った田舎出の女工みつ。
吉岡は彼女を葉山の浜辺に「棄てた」。
吉岡は就職し、会社の社長一族の娘マリと結婚する。
みつは女給となり、社会の底で吉岡を待ち続けていた。

『愛する』(1997)も遠藤周作氏の『私が・棄てた・女』を原作とした映画でしたが、だいぶ趣の違う作品になっています。森田みつがハンセン病を患った疑いから信仰に入ってゆく設定はなくて、今作では老人施設で働くことに。さまざまな違いはありつつもどちらもいい映画です。
原作文学の香りがどちらも豊かに漂よう名作ですね。

Amazon配信中

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?