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実録!女子大生歯列矯正レポート

昨年12月末、4年ほど付けていた歯列矯正ワイヤーがついに外れた。

家業が歯科医なので、私の前歯でものが噛めない、怪しい歯並びを見かねた両親が今後健康にも影響するかもと、100万近い金額を出してくれました。ありがとう。
最近は10万前後から始められる歯列矯正とかあるし、私はちょっと特殊な歯並びだったので、あんまり参考にならないかな〜と思ったんですが、レポ欲しい!と言ってくれた友人がいて。ある程度歯の健康については恵まれた家に生まれた人間の矯正レポートもあったほうがいいかも!と思いここに残すことにしました。



私の矯正史① 中学時代、初めて歯科医にかかる

とりあえず、順を追って説明しようと思います。

私が初めて矯正で主治医にかかったのは中学生の時。母の友人の矯正専門の先生です。

まず私の歯並びを見てもらい、CT画像などを撮って治療方針を決めることに。
その時、私の歯並びは「開咬」という状態であることを初めて知りました。


図のように、開咬は普通の出っ歯とは違い、上の歯も下の歯も前に出てしまっている状態です。奥歯は噛んでいますが前歯は噛み合うことがありません。
そのためこの時の私は前歯で物が噛みきれず、滑舌が悪い状態でした。
前歯でものが噛み切れないので、お肉は小さく切ったり、奥歯でどうにかしたりしていました。蕎麦なんかは舌でねじ切ります。

この時、
・顎が人より小さいため、この後成長することで顎が伸びて歯並びがマシになる可能性がある
・顎関節症も併発している(これはこの時から今現在に至るまで、治ったのかよくわかりませんが症状は全く出ていません)
・舌で歯を押す癖がある
事も言われました。
舌で歯を押す癖なんですが、普通は、何もしていない時舌があるべき場所は上顎なのですが、私の場合は前歯の裏になってしまっていました。それが歯並びの悪さを助長していたとのこと。

これらを踏まえ、この時は、成長が止まるまでは本格的な矯正をせず、夜のみ装着する「噛み合わせ調整マウスピース」を付けることに。
元々引きがちだった顎を前に出すような噛み合わせに調整するものです。
同時に、舌の癖も治すよう言われ、舌のトレーニングの本を貰いました。


私の矯正史② 高3、一旦矯正を断念

高3になり、ようやく成長が止まって(遅くない?)、やっと本格的な矯正ができるようになりました。
私はなるべく早く初めてなるべく早く終わらせたかったのですが、「受験期だから」と親に反対され先延ばしすることに。
結局3年後にもう一度受験期になったというのに...。
親にお金を出してもらうとこういう「自分の好きな期間や自分の好きな方法を選べない」という弊害は生じます。


私の矯正史③ 大1、矯正を始める

大学1年生(1回目)でようやく本格的な矯正を始めることに。

まず、
・手術をして骨格からしっかり治す100%を目指した矯正
・歯を抜いてなるべく理想の歯並びにする90%の矯正
・歯を抜かずにワイヤー矯正を始める60%の矯正
から選ぶよう言われ、リスクなどを鑑みて90%を選択。

矯正方法はワイヤーと裏ワイヤーが選べると言われました。裏ワイヤーは歯の裏にワイヤーを装着するため目立ちにくいですが、表ワイヤーより値段が高く、正確性も劣るらしい。
もちろん親がお金を出しているので表ワイヤーに決定。

皆さんが考える「矯正」って感じの、こういう装置です。ワイヤーにチェーンになったゴムを着けて、歯を動かします。

まず、私は上の歯(4番)を2本抜きました。これは別の歯医者さんにやってもらいました。
抜歯の経験がない方がいらっしゃるかもしれないので書いておくと、麻酔ありのため痛くはありません。
ただ血の味がすごく、一日は綿球を噛み続けることになります。まぁ私は野蛮なのでその日のうちに食べ放題に行きましたが...。

最初は簡易的な、上顎の裏(舌が触れているところ)に付ける装置から装着されました。多分何かしらの意味があるんでしょうが、忘れました。

その後数ヶ月で、上の歯と下の歯に、歯の全てを覆うようにワイヤーをつけてもらいました。これはさっきの図のようなやつで、外すことができません。
ワイヤーは、一ヶ月に一回ほど歯医者に行って締め直してもらいます。締め直した後2、3日はめちゃくちゃ痛くて、硬いものは絶対に食べたくありません。
歯とワイヤーのお手入れ以外は、日常的にやることはほぼありませんでした。


私の矯正史④ 1、2年後、ゴムを使った矯正に

ワイヤーをつけて1年くらいは、みるみるうちに歯が動いて、抜いた歯の穴の部分がぐんぐん狭くなっているのが分かりました。噛み合わせも良くなり、食べ物を食べるのが楽になっていきます。
結構な人に「痩せた?」と言われるくらい顔も小さくなっていきました。
あと、上の歯の一番(いわゆる前歯)の生え方が若干曲がっていたのですが、それもまっすぐ綺麗になって、歯だけ見た見栄えも良くなりました。

抜いた歯の穴がほぼ無くなったくらいで、一ヶ月に一回の受診で毎回小さいゴムを渡されるようになりました。
寝る時や喋らない時など、それを上のワイヤーと下のワイヤーに引っかけます。

実は上の歯と下の歯は、ぴったり合うのではなく、数ミリ重なっている状態が一番良い状態らしい。

その状態にするために上の歯と下の歯を引っ張るためのものだと思われます。

寝る時間は必ず、家にいるならなるべく長くゴムを着けるように、と言われました。しかしテスト期間中などはどうしても付けるのを忘れてしまいます。
さらに私が二度目の受験期に突入してしまったこと(大学3年で医学部再受験しました)で、ゴム付けを結構サボってしまい、なかなか歯が動きませんでした。

私の矯正史⑤ 大学2年(2回目)、ようやくワイヤーが取れる

大学1年生(2回目)、つまり初めて3年後くらいに、一番最初につけてもらった、上顎にあるタイプの一部の装置が外されました。

そして昨年12月、遂に歯列の状態がほぼ良くなって、全てのワイヤーを取りました。

その後は、夜だけ付けるリテーナーを利用しています。

ワイヤーを取った直後は歯列が元に戻る力が強く、せっかく矯正した歯並びがまた悪くなってしまいやすいので、それを抑えるものです。

そして私は、例によって、舌で歯を押す癖があり、まだ完全には治っていません。せっかく綺麗になった歯列がまた元に戻る可能性もあるため、それは治していかなければなりません。


全体を通して、良かったこと悪かったこと

全体を通してみると、矯正してよかったなと思っています。理由を一つずつ上げていきます。

①とにかく噛み合わせが良くなった
もともと前歯でものが噛み切れない状態だったので、「元が酷すぎる」説はありますが、とにかく食べやすくはなりました。
・りんごやせんべいなどをかじる時に、手の力で介助する必要が無い
・肉などが噛み切れる
・麺類を舌で捩じ切る必要がない(癖で今でも捩じ切ってしまうことがあります)
これだけ見てもQOLがめちゃくちゃ上がっているのが分かります。
ちょっと汚い話ですが、食べこぼしも減りました。

②見た目が良くなった
歯並び自体の見た目が良くなったのは勿論、顔が若干小さくなりました。言うて今もデカ丸顔なので、元がパンパンすぎたのは確実にあります。
しかし、小顔界において長澤まさみが日本、今の私がブラジルにいるとしたら、矯正前の私は宇宙ステーションにいたので、長澤まさみと同じ地球というステージに立てたのは、私というブスの世界ではかなりの快挙です。

所謂Eライン(図参照。鼻、口、顎の頂点が横から見た時に綺麗に並んでいるラインのこと。日本人は顎が引っ込んで口が出っ張ってしまいやすい)も、今でも口が突出してはいますが、若干良くなりました。

まぁ、矯正前が酷すぎるので仕方がない。察してください。

③滑舌が良くなった
中高放送部で、滑舌練習をしまくってどうにかしていた「さ行」の発音が、だいぶ楽になりました。
喋り方も、滑舌を補うためにアンタッチャブルのザキヤマさんのように舌を前に出す喋り方をしていましたが、それがほぼ無くなりました。

と、ここまでが良かったこと。
悪かったこと、大変だったことも上げていきます。

①食べ物の制約
締めてもらったあと2、3日は、とにかく痛いので、麻婆豆腐やミネストローネなど、流動食みたいなものしか食べたくありません。しかし2、3日耐えれば、おせんべいも余裕で食べられます。
矯正中は、カレーなどはチェーンのゴムの部分に色がついてしまいやすいため、なるべく食べないように言われる人もいるようです。私は言われなかったのでガンガン食べてましたが。

②見た目が悪い、それを気にしすぎる
表ワイヤーだったので、矯正中はかなり見た目が悪くなります。
私的には、見た目が悪くなったことより、それを気にしすぎて、歯を出して笑うことが少なくなったのがより良くなかったなと思います。口数も初対面の人の前などではだいぶ減って、不機嫌な人だと思われることも増えました。

③発音が悪くなる
やはり装着中は、発音が悪くなります。特に厄介だったのは最初につける上顎の装置です。

図のようにめちゃくちゃ厄介なところに板があるので喋りにくくなります。
でも人から突っ込まれるほどではなかったので、そんなに気にはしませんでした。

④お手入れが面倒
食べ物がワイヤーに引っかかりやすく、かなり煩わしかったです。
歯磨きは、普通の歯ブラシと、細い歯ブラシでワイヤーと歯の隙間なんかをゴシゴシやらなければならず、面倒です。サボって怒られることもしばしばでした。

⑤長い
とにかく矯正期間が長い。私は特殊な歯並びなので、おそらく他の人なら2~3年で終わると思います。でも4年は長い。辛い。


こうして書いてみて、総括すると、「大変だったことは装置をつけている時だけに限定される」という事ですかね。
ですので、装置をつけていた大変な時代が終わってしまった今からすれば、やって良かったわ〜!って感じです。



安い矯正方法とかあるけど実際どうなのか

最近歯列矯正専門の歯科などで、インビザラインという、取り外し可能な透明のマウスピースで矯正する装置が流行ってますよね。
しかも10万円とかから始められて破格なんだとか。

私は総合病院の先生に見ていただいたので、その方法については言及されませんでしたが、実際その方法ってどうなんだろう?と思って聞いてみました。

歯科医いわく、「あれは微妙」なんだそうです。
まず前提として、歯を抜いて矯正など大掛かりな矯正は出来ないため、私のような特殊な歯並びだった場合は矯正が難しいです。
また、効果も、良くないとは言わないが、めちゃくちゃおすすめできるという訳では無いらしい。(ほんとなのかは分からないので噂程度に思ってください)

ただ、私のように矯正中の見た目を気にするストレスはおそらく全くありません。

なので、「噛み合わせを治すと言うより見た目を良くしたいだけ」「ちょっとした出っ歯など、酷い歯列という訳では無い」という人なら、やってみていいのでは?と思います。


最後に、これは私個人のレポなので、気になる人はまずは歯科医師に相談!これが大事だと思います。
是非いい歯並びライフを〜!!!

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