ビジネスDD(オペレーショナルDDの実務tips)



ビジネスDDは市場や競合といった外部環境に着目する「コマーシャルDD」と、ビジネスプロセスや組織、インフラ等の内部環境に着目する「オペレーショナルDD」に分けられます。本日のテーマはオペレーショナルDDのポイントです。


①対象会社のオペレーション実態を把握する
BS、PL、拠点別設備一覧といった事前情報から「当社のオペレーションはこんな風になっているのでは?」という当たりをつけて、以下のような観点でインタビューや資料徴求、分析をしていきます。

・組織構造と人員構成は?
・ビジネスプロセスは?
・バリューチェーンの構造は?
・設備の種類や利用頻度、稼働率は?
・設備維持費や修繕費の発生頻度と金額は?


②課題・リスクを抽出する
事業計画の蓋然性→オペレーションの持続可能性という観点でオペレーション上の課題やリスクをインタビューや現地視察を通じて抽出していきます。

・品質維持、納期遵守ができているか?
・設備投資や修繕は十分か?老朽化が起きていないか?
・人材に必要なスキルが身につけられているか?
・キーパーソンの離職が生じていないか?


③事業計画における売上、設備投資、減価償却が整合しているか確認する
売上の計画を達成するにはそれに必要な生産高の実現が必要であり、それに伴い人員や設備といった能力の確保が必要になります。以下の観点で事業計画と人員計画、設備投資計画との整合性を確認していきます。

・売上計画達成に必要なオペレーション能力(人員、設備投資水準)を保有できているか?
・売上高人件費比率に異常な増減はないか?
・売上高減価償却費率に異常な増減はないか?
・人員計画、設備投資計画は適正か?


④シナジーを検討する
これまでの分析を踏まえ、対象会社を買収することでどのようなシナジーを実現できるか検討していきます。

・両者の強みを活かし品質向上や納期短縮は可能か?
・業務や設備の共通化によってコスト削減は可能か?


●終わりに
売上拡大を目指す事業計画であれば、人員、設備の増強が必要であり、連動して設備投資額、減価償却費、人件費が増加していきます。人件費率や減価償却比率を確認し、計画の蓋然性を確認することが不可欠です。

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