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オール弥栄の精神で地域のインフラを支える!  弥栄電設工業株式会社

弥栄電設工業は、1956年に創業。電気設備事業、情報通信事業、原子力・火力事業といったインフラ事業から、ソリューション事業というIT系の事業まで、4つの事業を軸に京都府北部を中心に活躍する会社です。今回は現社長の息子であり代表取締役専務の嵯峨根 隆史(さがね たかし)さんにお話を伺いました。

お話しを伺った嵯峨根さん

インフラからIT事業まで幅広い事業をカバー

弥栄電設工業の仕事内容について教えてください

弥栄電設工業は、電気設備事業、情報通信事業、原子力・火力事業、ソリューション事業の4つの事業部に分かれています。

「電気設備事業部」は公共関係の仕事が中心で、トンネルの照明や舞鶴高専の空調工事、市役所や体育館などの電気設備の工事を手がけています。

「情報通信事業部」はNTTやKDDIなどの通信設備を家に引き込むために必要な電柱の設置からメンテナンスまでを請け負っています。京丹後市では、どのように市全体で通信網をつないでいくかというルート設計にも携わっています。

「原子力・火力事業部」は関西電力の発電所内で、主に流量計、メーター、温度計や火災報知器のシステムなどの電気・計装工事を行っています。関西電力の発電所は全て弊社がメンテナンスをしており、関西国際空港まで行くこともあります。 

これらの3つの事業がこれまでのメイン事業でした。公共、NTT、関西電力などといった大きい事業者と直接取引できる会社であることが弊社の強みの一つです。

地域の通信インフラを支える

さらに、10年前くらいから、私の主導でIT系ソリューション事業部を立ち上げました。会社全体として、下請けだけでなく、自分たちで仕事をとっていく必要があると考えたことがきっかけです。

ソリューション事業部は提案型の事業部として、お客さんが困っていることに対し提案していくことを売りにしています。例えば、天橋立のロープウェイの無人化やWi-Fiの設置工事、地域の防災無線を有線ではなくラジオから聞けるようにするなど、自分たちが今まで培ってきた技術を元にお客様の要望にお答えします。

このように、自社で幅広い事業をしていることが弊社の売りになっています。

ソリューション事業部

会社の苦境を乗り切ったオール弥栄の精神

弥栄電設工業に入社されてから苦労されたこと、そしてそれをどう乗り切ったかを教えてください

私は平成16年に入社し、約20年仕事をしています。入社してからは事業部の枠を超えて必要な部署に入ることを繰り返し、何か一つの専門というよりは浅く広い知識を身につけてきました。その頃に経験した現場での作業の知識は今も役に立っています。

入社してすぐの頃は会社の業績があまりよくない時期もあり、ここからどう立て直せば良いのかと頭を悩ませていました。1人で仕事を取って和歌山まで行き、現地の業者と一緒に工事をしたこともあります。

そういった状況から脱却するために、表面だけを取り繕ったり、起死回生の一発を狙ったりするのではなく組織の土台作りから始めることにしました。

それまでは、電気は電気、通信は通信と、完全に事業部ごとに独立して考えてしまっており、社内での交流は全体会議と年に1度の社員旅行くらいしかありませんでした。

まずはその壁を取り除こうと、約10年前から、各事業部の若手社員を集めて一緒に研修やボランティアに参加するなど、部署を超えて定期的に会う時間を作るようにしました。

その結果、部署を超えた交流が進み、他の部署が持っている技術を知ることができるようになりました。これまで、自社でできることも外注していた状況が改善され、なんと外注率が半分になったんです。

さらに、どこかの部署が忙しい時に、全体に向けてヘルプを出すと、部署を超えてみんなが集まっていく文化ができ、会社としての総合力がどんどん上がっていくのがわかりました。

このような取り組みが実を結び、お客様からの評価も上がり、外注率が下がったことで利益率も上がったので、多少売り上げが下がっても黒字が確保できるようになりました。

また、その上がった利益を社員に還元しているので、社員のモチベーションも上がるという好循環が生まれました。全部の現場を経験してきた自分が言うからこその説得力もあったのだと思います。

地域のイベントに参加

ボーナスは年3回!会社の土台を整えつつ、改革は止めない

お話を伺っていると、組織作りというところに力を入れて経営されていると思うのですが、その詳細や、今後どうしていきたいかを教えてください

私が意識していることは「改革することは止めないということ」と「現場の責任者に権限を移譲すること」そして「ルール化をきちんとすること」の3点です。

改革に関しては、常に新しいことをやるということを決めています。会社の内部はペーパーレス化を進め、決済は私のスマホで、私がどこにいても対応できます。また、社員が直接現場にいくことも多いので、勤怠登録もスマホでできるようにするなど、新しい技術を積極的に会社に取り入れています。

また、新しい取り組みとしてテナントを借りてeスポーツを使った事業を立ち上げていくことも始めています。

赤れんがパークでのeスポーツ体験

ありがたいことに現社長は全てOK、失敗したらやめたらいいと言ってくれています。私自身失敗した経験もありますが、それでも改革することが大事だと身をもって実感しています。目先の利益を追うだけではなく、1、2年先の長期目線で考えることを意識しています。

このように専務の私も自分の意見を会社に反映できていますが、私だけではなく、各部門には部長を立てており、その部門は部長が主体となって仕事をしています。私や社長から直接指示するわけではなく、各部門に権限を移譲し、部門の責任で仕事を進めています。

とはいえ、先ほど話したように部門間では協力体制ができているので、人が必要な際は部門の垣根を超えて協力する体制ができています。

その上で私の仕事として大切なことはルール化をきちんとすることだと思っています。何か新しい対応が必要だった場合、グレーゾーンとなる特別なルールは絶対に作りません。就業規定や給与規定、評価規定も都度変えることで、全員が平等に働くことができるようにしています。評価規定では本人が自己採点をした上で、上司からの評価だけでなく、部下からも評価されるシステムになっています。

全社員決起大会の様子

このように、少しずつ必要だと思うことを変えていったことで、気づけば入社時とほぼ全てのことが変わってきました。一般的に、ベテラン社員は、急激な変化を嫌がる人も多いと思いますが、うちの会社はベテラン社員も協力してくれており、人も辞めない、入社も多い、そしてしっかり稼ぐことができるという好循環が進んでいます。

ボーナスは年3回あり、夏、冬に加えて前年に稼いだ分を還元するボーナスを春に出しています。従業員も100人近くいますし、ゴールデンウィーク前にボーナスを出すので、地域での消費にも貢献できていると思います。

会社を大きくして、人を雇って、しっかり給料を払って地域で使ってもらうのが一番の地域貢献になると思い、会社を経営しています。

「当たり前の生活」を守ってゆく

 地域のインフラを支えつつ、改革を止めない精神でどんどん新しくなっていく弥栄電設工業。また10年後にお話を聞いたら、全く別の会社になっているかもしれません。オール弥栄の精神で、社員全員協力しながら成長していく弥栄電設工業さんの今後の活躍に目が離せません!

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