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人生に影響を与える読書。


ひさしぶりに村上春樹の長編小説を読んでいる。



私が一番最初に村上春樹の小説を読んだのは
約10年ほど前、ふと図書館で目に止まった
「ノルウェーの森」上・下。

この時は静かな温泉街で一人暮らしをしていたこと、
仕事場も徒歩1分でほぼストレスフリー、
人間関係も私の人生の中で1、2を争うぐらい
私自身に大きないい影響を与えてくれた人たちに
囲まれていたことなど
今思い返せば私にとって派手ではないけど、
シンプルに必要なインプット期間であったと思う。

そんな時期に読んだからなのか、
いつ読んでも特に変わらないのかは不明だけど
とにかく図書館から借りてきて
読み進めた「ノルウェーの森」にハマった。

村上春樹の本はパッと本を開くと
細かな文字でなんだか
(私は)小難しい印象を受けるのだけど、
細かい描写が読めば読むほど、
噛めば噛むほど味が出てくる。

毎日帰ってきてはワクワク、
そう毎週のドラマを楽しみにするように
ノルウェーの森の本を開き、
少しずつ、1行1行を丁寧に読み進めた。

本は大好きで読むのだけれど
ここまで本に対しての熱量は
後にも先にもなかったと思う。

この本を読み終えてからは
他の村上春樹の作品も読みたい、
必然的にそんな感情になった。

ただ、何一つとしてハマらなかった。
いや、ハマることができなかった
といった方が正しいかもしれない。

その理由としては、先ほど書いた
生活環境が大きく変わっていったこと。

私はそれまで住んでいた温泉地から離れ、
しばらくの間、都会や海外など
触れてこなかった世界へと旅行に出かけたり、
違う街に引っ越し、フリーターになり
今までとは全く違う、真逆の
職種へ転職してみたりしていた。
とにかく時の流れ、人との出会いに身を委ねて、
興味があればその誘いに乗る、
ということを繰り返し、
特にも就活せず
「ちょっと手伝って」「いいよ」
的なノリで生きていた期間があった。
これについてはまた機会があれば書いていこうと思う。

そんな、言うなればバタバタとした生活の中で
村上春樹の作品を読んでもうまく
私の中に入れる事ができなかったのかもしれない。

それが私の心の片隅でずっと引っかかっていたし
またいつかあの気持ちを味わいたい、と
望んでいた。
だから諦めきれずに何度も「ねじまき鳥クロニクル」や
「1Q84」「海辺のカフカ」などページを開き
読み進めようと努めた。

でも上手くは行かなかった。
途中で飽きてしまう、というか
物語についていけなくなり
本を開くことをやめてしまう。

どうしてだろう、何が違うのだろう。
また「ノルウェーの森」を読んでみようかなあ
いや、まだその時ではない気がする。
そんな事をこの10年ほど思っていた。

そして今回、なぜか今まで手に取ってこなかった
「騎士団長殺し」を読んでいる。
なぜ手に取っていなかったのかはわからない。
ただ目に入っていなかった。

そして今までの経緯があったから
半信半疑、今読み進めていて、
まだ第一部の1/3ほどしか読んでいないのだけど、
久しぶりの気持ち、
読み進めたいけれど、もったいないからとっておきたい。

そんな気持ちになっていること、
すごく嬉しい!

今、絶賛村上春樹の物語の中にいる私だから
この文章だって1mm位は
村上春樹に影響されて書いている。

しばらくはこの形式、気持ちで
noteにも文章を書き綴っていくような気がする。

ああ〜人生にささやかでも
楽しみを見つけるということは
想像以上に幸せなことだと思う。

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