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桃色岩塩

味気が足りない

とあなたが言うので

私は焼き上げた魚に

特別な塩を給した

歪な形

それを力でいなせば

後で整えたものとして

刺激は降り積もる

美味しいね

そうだね

そうでしょう

なぜならそれは特別だから

削っていたのは恐らく我が身

だからだろう

真摯な命を食せば

塩辛い涙が食卓に沿う

歪な愛を削って誰かに捧げた

虚無への供物

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