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会ったこともない子でも悲しくなるんだ-PICUを見て-


月9ドラマで放送されているPICU小児集中治療室を見て
昔勤めていた病院のことを思い出したのでnoteを
書こうと思いました。

ちょっと不安にさせるかもしれないから、妊婦さんとかNICUにこどもが入院してるって方は読まないほうがいいかも。
そんな人たちに一つ言えるのはみんな緊急の事態に備えて一所懸命に対応してくれるので自分の体力、メンタルと医療従事者を信じてください。




私が勤めてた病院はかなりの出産数がある病院で、
PICUじゃなくてNICU (新生児集中治療室)とGCU(回復治療室)がありました。

臨床検査技師として働いていたので、直接NICUの赤ちゃんたちに会うことは少なくて、血液とかの検体で名前と症状だけを知ってる感じ。

それで、勤めるまで本当に知らなかったんだけど妊婦さんも赤ちゃんもこんなにも急変して亡くなるなんて知らなかった。
5分前まで元気だったのに急変して亡くなる妊婦さんもいるし、
緊急帝王切開で出産してすぐにオペ室隣のNICUに運ばれるけど亡くなる赤ちゃんもいる。


その時間は深夜だろうと早朝だろうと本当に色んな科の先生、看護師さんや助産師さんが集まって処置をして、
私もオンコールで呼ばれて輸血の準備をしたこともあった。
それでも助からない時もあった。

私はあまり患者さんに会うことがなくて、現場にも血液を届けて検査室に待機してることしかできなかった。
そして電話で患者さんの死を知ったり、翌日に搬送先で亡くなったのを知ったりしていた。
会ったことはないけど、助けられなかったと気が落ちて悲しくなる。

本当に1分1秒を争う状態がそこで起きていて、現在の医療でも助けられない現実がどすんとくる。



前に検査室の先輩達とみんなで泣いたことがある。

双子で生まれた赤ちゃんの1人に輸血をしていた。
双体間輸血症候群(症状は割愛します。)になっていた。

〇〇くんといえばみんなわかるくらい輸血をしていて
その日も輸血をするから準備してと言われて輸血の準備をしていた。
その途中で〇〇くん、亡くなったので輸血はキャンセルでと連絡が入った。

何ヶ月も輸血をしていてまさか急に亡くなると思っていなくて、
名前しか知らない子を思ってみんなで泣いた。

会ったこともないのに悲しくなるんだ。
今まで検査値を見て数値上がったね!とみんなで回復を喜んでいたから。

1人を助けるために見えないところで尽力している人も
いるということも知ってほしいです。
もうほんとに色んな人が1人を助けるために動いてる。
それでも助からない命があるのは事実なんだけど、
助けるために一番いい治療を大勢でその場で探します。


私はいま息子がいる。
彼は生まれた次の日にGCUに入った。
私は産んだ時には職場を退職していたけど、そこの病院を選んだ。
こどもに何かあってもここの先生は懸命に対応してくれると知っていたから。


読んでくれてありがとうございます。
2017年に北海道でドクタージェットが導入されてるみたいですね。
どうか早さで助かる命が助けられますように。

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