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春と桜と憂鬱と

春🌸です。
新学期を控え、私の同僚も何人か新1年生の保護者となり準備が大変そうだ
社交辞令というか、世間話に「どう、新1年生は?楽しそう?」と聞いてみた。「神経使って疲れる」との返事。それはそうだ、本音だと思う。
私も準備に抜かりがないか、着せる服はどうだろうか、自分が着ていくスーツは浮いていないか、などと気を使ってヘトヘトで、あまり晴がましい気持ちではなかった。憂鬱だったかもしれない。
彼女がその後に「勉強より、他の子と仲良く出来るか心配。いじめとか」と続けた。
ああ、そうだろうなぁと、深く共感してしまった。
「そうだろうねぇ」と返事をするしかなかった。
振り返れば、我が家も友達とのトラブルはその時その時であったから共感しかない。
うちの子だけのことではないし、片手落ちにならぬよう、かと言って我が子が蔑ろにならぬよう迷い、悩み、その時その時の対処を慎重にしたつもりだ。
その時に、いつも心がけたことは相手が変わることはない前提で、我が子のケアをやって行くことを主に大事にした。
何かトラブルがあると子どもは変化が必ずある。
違和感が重要だ。
そこから顔を背けてはいけない。
小さな違和感を感じ取っていたのに自分の不安を優先して、すり替えて考えたり、取るに足らないことだと思い込もうとしたりしてしまった。
長男はいい被験者で、今でも負い目を持って生きている。
何でもだけれど、自分の不安と子どもの置かれている状況を天秤にかけてはならない。
戦うのは常に自分とだ。
しかし、時にその気負いが、空振りになることもある。
これは、失敗の話だ。
長男が小学高学年の頃、何人かの友達が遊びにきた、その少し前から小さな違和感を感じていた。学校でいやなことでもあったかな?と聞いてみるべきか思案していたところだった。友達が遊びに来たので杞憂と思わないでもなかったが、残念ながら違和感の方が当たっていた。息子を仲間外れにして、かくれんぼらしき遊びが庭で始まっていた。
見ると息子だけがいつも一人で皆を探している。明らかに仲間外れ、心配で様子を伺った。相手の少年たちは気がついていなかったが私の視界には、コソコソ話し込むのが聞こえてきていた。胸が痛んだ。
これは介入してもいい案件だろう、なんと言おうか、少し思案していたら本人がズカズカと固まっている少年たちの所にやってきて「なんなの、オレを外して遊ぶんなら帰ってよ、帰れ」と至極ハッキリと言い放った。
唖然とする少年たちと離れたところで見ていた私。
その他にも何か言っていたが、聞き取れなかった。多分学校での出来事だろう。
私が何をするまでもなく本人がキチンと言っていたのだ。気まずくなった少年達は退散したが、本人は至って平然としていた。
私は息子を何も出来ない子どもなのだと思い込んでいた。助けてあげるのは常に「私」で、困り果てているのが「彼」だと決めつけて居たのだ。
息子は自分で判断して自分でケリをつけることが出来る「人」だったのだ。
これは青天の霹靂だった。私は息子の何を見ていたのだろう。わかった気になり空回りしていたのは、私だった。
長男はいつもイレギュラーだ。
いじめを拡大解釈し、勝手な妄想を頭で繰り返し、そのルートに息子を乗せ、勝手に救い出そうとしていた。滑稽だ、全く。
普段からついつい余計な口出しをする。それが彼の成長過程でマイナスに働いていた。
それも意味があるように言うのは簡単だが、単に遠回りということだってあるのだ。意味はない。
結局、これでスッキリしたのか、彼等はそれから高校に至るまで友達であった。
危うく余計な口出しをして息子や友達のプライドに干渉してしまうところだった。
案外任せてもいいのかもしれない、と反省したのだが、まだ続きがある。愚かなことに、この一件で案外大丈夫と過信した私は彼への力配分を間違えてしまう。
交友関係は任せても、ソーシャルなことは抜けていて「案外しっかりしている」はよく解像度を上げなければならない案件だったのだ。当たり前だ。
子どもの能力や出来る出来ないは、よくよくみていないと見誤る。
目がくもったのは、心のどこかで、彼の本質と対峙することを恐れていた自分の弱さのせいだ。
「心配」は自分との戦いで、決して子どもとの戦いでは無い。
結局、彼は交友関係で苦労することは、この先なかったけれど、社会的な失敗は山のようにあった。
親の気苦労なんかどうでもいいが、結局損をするのは本人だ。
もう少し自分が上手く立ち回れて、もう少し繊細に彼をケア出来ていたら、と思わずにはいられない。
後悔なんて子育てで山のようにあるのだ。
もう詮無きことではあるけれど。

早めの桜が散ったこの春、たくさんの心配を抱えて子どもが1歩踏み出すのをハラハラしながら見守っている昔のワタシと同じアナタに、妄想を半分にする子どもとの距離感と、そして小さな違和感を見つめる勇気を、と余計なお節介の言葉を…ここに置く。
どうか、全ての新一年生とその親御さんが楽しいスタートをきれますように。

#子ども未来部 #新入生 #いじめ
#PLANETSCLUB













ちょっと寂しいみんなに😢