「昔は良かった」かな・・・？？

コロナ禍でリモートワークになり、通勤時間が不要になったので、空いた時間に、YouTubeを見ることが増えた。
おすすめに上がってきたものを片っ端から見まくっているのだけど、ある種のコメントをよく目にすることに気が付いた。

80年代後半〜90年代前半のバブル期の動画には、「なつかしい。この頃に戻りたい」というおじさまやおばさまのコメント。はたまた「古き良き時代ですね！！この頃に青春を送ってみたかった」「道行く人がみんなイキイキしている！スゴイ！」なんて若者からのコメントがついている。

90年代のものすごくCDが売れた時代の動画には、「中学生なのですが、この頃の音楽ばかり聴いてしまいます」「親の車で流れていたのをきっかけに好きになりました。同じような人いますか？」「今流行っている曲は好きになれません。昔の曲ばかり聴いてしまう」といった感じ。

そういったコメントを読む度私はこう思う。
え、そんなに昔は良かったかな・・・？？　良かったっけ？？

私は70年代後半生まれで80年代にローティーン、90年代にハイティーンを過ごした。昭和から平成に移り変わったときのことも、割としっかり覚えているのだけど、はっきり言って「昔は良かった」といった印象はない。
もちろん昔の方が良かったこともある。例えば、物価は今より安くて賃金も良かったし、税金も今より安かった。

それに確かに社会全体に勢いがあったというか、今みたいに個々に蔓延る未来への暗い雰囲気のようなものは表向き感じることは少なかった。
ただそれは様々な諦めの上に成り立っていたものだと今は思う。

20代前半で結婚し子どもを産み、家族のためだけに生きなければいけない。
だから女の子は学歴なんて必要ないし、どうしてもというなら短大じゃないと、婚期を逃してしまうよ、みたいな考えもまかり通っていた。

本当に女の子はクリスマスケーキって言われてたんだよ。
今の若い子には信じられないかもしれないけれど。

女だからって被る不利益は全部笑顔でやり過ごさないと、「気が利かない」「愛想がない」って言われていた時代。
もちろん男の人は男の人で、圧倒的な強さというものを強いられていたのだと思う。
要するに、私やあなたという1人の人間として扱われていた実感が持てないという時代。

何が言いたいかというと、昔と比べて今も良くなってるところがたくさんあるので、今の世の中に対して悲観だけじゃなく、希望みたいなものも感じてほしいな、ということです。