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春のストレス、目・筋肉・爪に出てない?「肝」は蓄え、巡らせる。【相談室 五臓・肝①】

こんにちは。maison de megri の養生漢方コンシェルジュのなみみです。
漢方薬局のくー先生となみみの対談形式で、東洋医学の基礎知識をお伝えする、相談室シリーズ。番外編、「五臓」のお話、いかがでしたか?
「五臓」は「臓器」ではなく 気、血、水を蓄え、巡らせる働きをする「機能」であるとお伝えしましたよね。

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今回はその五臓の「肝」について、2回に分けてお話したいと思います。
なぜなら、この「肝」は今の季節(春)ととても関係が深いから。
どう関係が深いの? 今日もこんがらがっているなみみの相談室をのぞいてみましょう。

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春、変化の季節

くー「おや、なみみさん、元気がないですね。」

なみみ「先生・・・私、4月から病棟異動になったんです・・色々しなきゃいけないのに、やる気が出なくて・・。」

くー「そうでしたか・・何かいつもと変わった症状はありますか?」

なみみ「胸のつかえとか、喉のつかえがあって、ご飯が飲み込みにくいです。お腹が張って、ガスも溜まってるみたい・・あっ、あとまぶたがピクピクっとして。」

くー「ははあ・・なみみさん、『肝』が傷ついていますね」

なみみ「『肝』が傷ついている・・?検査では肝機能の値の異常なし、脂肪肝もなしでした。先生、『肝臓』は血の生成と貯蔵、あと解毒の作用とかもありますよね。胸や喉のつかえと、どんな関係があるのですか?」

「肝」は「気」を巡らせ、「血」を蓄える

くー「ほらほら、なみみさん、また検査データと解剖生理が最初に頭に浮かんでますね(笑)中医学を考えるときは、西洋医学の知識は邪魔になってしまいますね・・・。

『肝』というのは、肝臓の事ではなく、体の機能の事を指すのですよ。『肝』は作られた血を蓄える働きの他に、血や気をスムーズに身体に巡らせる働きがあるのです。肝が傷つくというのは、血が蓄えられない、気や血の巡りが悪くなる、ということになりますね。」

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なみみ「うーん、なんかこんがらがってます。私の胸と喉のつかえは、何故『肝」と関係があるのですか?」

「気」が巡らないと・・・

くー「西洋学的に言ってしまえば、その症状は『ストレスからくる自律神経の乱れ』ですね。
東洋医学的に言うと、『肝』が弱ると、気が巡らなくなります。なので呼吸がしにくく、胸苦しかったり、気の滞りが喉にあると、喉に違和感が出てくるんですよ。お腹にガスが貯まるのも、気が巡ってない典型的な症状ですね。」

なみみ「なるほど。全て「気」が巡ってない所が始まりなんですね。でも、まぶたのピクピクは?」

「肝」に蓄えた血が減ると・・

くー「『肝』は『血』を蓄えている、と言いましたよね。疲れや睡眠不足やストレスは『肝』に蓄えられている血を消耗させます。
血は細胞に栄養を送っているので、血が足りなくなると、筋肉の細胞にも血が回せず、筋肉が硬くなったり、うまく動かず、ピクピクと引きつったりします。肩凝りや、足がつったりもしますね。

なみみさんは環境が変わったストレスで、気の巡りが悪くなり、疲れで血の不足が起こり、体に影響が表れている状態ですね。

そして『肝』の弱りは、特に、『目』に影響を与えると言われています。肝に蓄えられている血が足りなくなってくると、目の筋肉がうまく働けず、痙攣を起こします。まぶたのピクピクは、肝が弱っているサインでもあるのですよ」

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なみみ「先生!私、完全に『肝』がやられてますよね、どうしましょう・・トホホ・・・」

くー「気持ちが落ち込むのも巡りが悪いサインですよね。なみみさん、大丈夫。『肝』を労わる簡単な養生法があるんですよ。次回の相談日まで、漢方と合わせてその養生も行ってみてくださいね。」

なみみ「先生、その養生法って??」

くー「それはね・・・」(相談室#009に続く・・)

今日のまとめ。「肝」とは?

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「肝」は巡りを助け、血を蓄える働きを持っています。
しかし、春先の環境変化は「肝」を傷つけるストレスを生みます。
このストレスは、巡りも悪くし、血も消耗するので、春は「肝」の不調がひどくなりやすい季節。

「肝」が不調になると、体の3つの部分に変化が表れます。
・目・・・ショボショボする、疲れ目、かすみ目、ドライアイ
・筋(肉)・・・肩凝り、まぶたの痙攣
・爪・・・(血が足りなくて爪まで栄養が行かず)割れ、縦筋が入る

また、「五臓」は感情ともリンクしています。「肝」が不調になると強くなり、コントロールできなくなるのが、【怒】の感情。
わけもなくイライラしたり、反対に落ち込んで憂鬱になったり・・という感情の乱れも、「肝」の不調と捉えることができます。

皆さんの中で、なみみのような不調を感じている人がいたなら、それは「肝」が弱っているサイン。
漢方薬ももちろん有効ですが、日々の養生でも「肝」をいたわることができます。それはまた次回に詳しくお話しますね。



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