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チャリティイベントで感じたこと

先日、奈良県のエアダールさんというパン屋さんの企画した能登半島地震の復興応援チャリティイベントに誘っていただき、お手伝いをしてきました。

パン屋仲間たちが集まり、生地を持ち寄り、同じ薪窯でパンを焼く。
ほかに、お菓子屋さん、農家さんの野菜販売、2階ではキッズダンス体験など。


普段の営業とは違うので、きっと大変なところもたくさんあったんだろうけど、その場にいる人たちがまずワクワクしていて、楽しんでいる空気感がすごく良いな~!と思いました。

イベントスタート前からお客さんが続々と並び始め、お店の前には100人近い行列が出来ました。整備をしながら、「お待たせしてごめんなさいね」「普段からよく来られるんですか?」と話しかけてみると、皆さん口々にエアダールへの愛を語り始めるのです。
みんなこのお店が大好きで、大好きなお店が何かするらしい!と、ただワクワク、その空間と時間を楽しんでいました。

大大大盛況で終えたこのチャリティイベントの収益金は後日、エアダールさんによって速やかに義援金として寄付されました。

その後、奈良県でのこのパン屋たちによる活動を知った、能登半島沖のパン屋さんからのメッセージが届いたそうで、見せて頂きました。

そのパン屋さんは、能登半島の本当に海の目の前のような場所にあるめちゃくちゃ素敵なお店でした。
お客様から、またパンが食べたいとの要望はあるものの、しばらく営業再開は難しいそう。
今後の生活への不安もあり、気持ちがなかなか前向きにならない中、今回のエアダールでのチャリティイベントのことを知り、とても励まされ、強烈な後押しになりました、とありました。

チャリティを行った本人たちやお客さんは、楽しもう!という姿勢だった。
それが結果としてお金になって被災地に届いただけでなく、誰かの心にも届き、ほのかな火を灯したということ。

めちゃくちゃ、勉強になりました。

じつは以前パン屋をやっていたときに、大きな台風により被災したことがありました。
そのとき、お店の電気は止まり、電気が通らなければオーブンもミキサーも動かず、パン屋としてできることは何もありませんでした。

そんな中、袋入りパンがスーパーで買い占められているニュースを目の当たりにしました。
温めたりしなくてもすぐに食べられて、やわらかく老人も子供も食べられる袋入りパンは数日をしのぐための非常食として一番求められている、という報道でした。
当時の私は添加物の本とかをたくさん読んでいて「袋パン=悪!!」な考えでしたので、ガーーン!とまぁまぁショックを受けたのでした。

次にパン屋をやるときは薪窯で焼くお店にしたいなぁと思うようになったのは、その時のモヤモヤした経験があったから、というのも少しあります。

でも今回感じたのは、できない時は、できる人に頼ればいい。
できる人が、無理なくできる範囲で、できることをすればいいんだということです。

すっごく当たり前のようですが、自分の身を削るのではなく、なんなら楽しんでできること。苦ではないこと。得意なこと。それでいい。
それだけで、結果として誰かのためになることがあるんだということ。

これはこれから私が心がけていきたい生き方そのもの。

添加物によってふわふわが保たれる袋パンにしかできない役割もある。
大企業の生産力で、より多くの人が助かる。
それが必要なときには頼ればいいし、
もちろん私がそれを出来ないからと嘆く必要は全くない。

思いがけず以前の私のモヤモヤもすっと晴れた今回のチャリティイベント。
印象的で、これからも覚えていたい素敵な景色でした。




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