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ジャムの実験を引用して、今でも「選択肢は少ない方がいい」と言っていいのか問題

2000年、とあるスーパーマットで、「24種類のジャムを並べた時よりも、6種類のジャムを並べた時のほうが、購入確率が高いことがわかった。」という実験がある。

この実験、マーケティングに関わったことがある人なら一度はきいたことがあると思います。

この実験は、その後何千回も引用され、「選択肢は少ない方がいい」のエビデンスとして使われています。

しかしその後、同様の実験が何十回も行われていて、ジャム実験から10年後、再現実験を50件ほど集めて、分析してみたところ、過半数が、「選択肢は多い方がいい」という結果になっているんです。

そう、ジャム実験とは正反対の結果になっているんです。

したがって、結果全体でみると、「買い物時の選択肢の多さは、購買行動にインパクトがない」という結論になっています(R)。

科学の世界では、同様の実験をしても、正反対の結果になることがしばしばあります。

こういった時、とある条件では選択肢が多い方がいいけど、別の条件では選択肢が少ない方がいい。

といったような、条件に対する仮説を立て、再度検証してみる、というようなことが行われます。

それは難しい話になるので、一旦おいておいて、


「昔から言われている定説は本当なのか?」

「自分の場合は当てはまるのか?」

というように、

聞いた話をうのみにせずに、疑ってみる姿勢は大事ですね、という話でした。


(R)

Benjamin Scheibehenne, Rainer Greifeneder & Peter M. Todd, ‘Can there ever be too many options? A meta-analytic review of choice overload’, Journal of Consumer Research, vol. 37, no. 3, 2010, pp. 409– 25.



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