だから、恋愛ソングは多い


今日はやたら髪型がキマッたとか、肌の調子がいいとか、前より痩せたとか、そういった諸々の自信があるなどでもないのに何故か異性からの目を気にしたりアグレッシブな気持ちに陥る日がたまにある。恋愛に目を向けるほど心にも金にも時間にも余裕はないというのに。
これつまり思考停止の動物状態であると言える。現代において奥深くに眠っているはずの狩人の血が騒いでいる。自制心が無くなってからというのは実に気が楽で楽しい。本来考えなきゃいけないことから逃げた分、責任がない分、好き勝手に想像を膨らませエンターテイメントに花が咲く。些細なことで舞い上がり、こういうやりとりがあったなら、などとありもしないことをあれやこれやと妄想し楽しくなり、はたまた寂しくなったり、一人劇場が始まる。あのセリフはどういう意味なのかしら。こういう意図があるのかしら。どうしてあんな態度をとるのかしら。あの子と僕への態度が違うのは何故かしら。当事者の相手からしたら特になんの意味も無いようなことですら、無限に思いを馳せることができる。
楽なのだ。
現実から離れられるのだ。
ストーリーを勝手に作り出せるのだ。
我々はセンチメンタルが好きなのだ。
簡単にそれを生み出せるのだ。
いくらでも比喩できるのだ。言葉を綴れるのだ。どこへでも行けるような気にさせてくれるのだ。
だから、恋愛ソングって多いんだと思う。






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