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第179話 激しい抵抗のあと、受け入れられたモノたち


ゆかりちゃんは保守的だ。

つまり、変化を嫌う。たとえ良い変化であっても、【変化】がイヤなのだ。なにか新しい提案をすると、必ず「NO!」が返ってくる。

その、激しい抵抗を受けながらも、なんとか、ゆかりちゃんに受け入れられたモノたちを、ここに記す。


◆ファッション

マキシワンピース

まだ遠距離恋愛中で、僕は横浜にいた。ららぽーと横浜に行って、ゆかりちゃんと一緒に買い物をした。

とあるショップで、僕は、店員さんの着ているマキシワンピースが気になった。ゆかりちゃんにも似合いそう、と思ったのだ。

だが、ゆかりちゃんは激しい抵抗を見せた。

それでも、試着をしてみることとなり、試着したゆかりちゃんは、笑いながら「これ、イイかも!」と言ったのだ。

「絶対にイヤ」「似合うはずがない」と言っていたので、「これ、イイかも!」は、笑って言うしかなかったのだ。

実際、メッチャ似合っていて、ゆかりちゃんのお気に入りになった。


ブラトップ

ユニクロのブラトップだ。男たちは、吹石一恵さんのTVCMを観て、ざわついた。吹石さんのスタイルが、めっちゃイイのだ。

そして、この商品はエエんちゃうかと、「ピーン」ときたものだ。

じょーじ調べでは、彼女や配偶者のいる男性の、なんと6割が、パートナーに勧めたらしい。そのうち、パートナーの女性がデブじゃない場合、彼氏や配偶者は100%の確率で、このブラトップを勧めたらしい。(※じょーじ調べは、信じてはイケナイ)

ところが、ゆかりちゃんは抵抗した。

「イイとは思わない」「着るのめんどう」「ほしくない」と。

あれから何年たったのか?

ゆかりちゃんは、最近、しれ~っと、このブラトップを着用している。

「ん? それ『ブラトップ』だよね?」と聞いたら、「う、うん」と、バツ悪そうな返事があった。

最近、めっちゃお気に入りじゃないか⁉

昔、抵抗したときは、【上から着ていて、すごく面倒だった】らしく、最近、【下から、履くようにして着る】と知ったらしい。

貧乳が、美乳に見える。なんなら大きくさえ見える。ゆかりちゃんは押しながら、「スカスカだよ」と、自虐的に報告し、ケラケラ笑った。


ショートヘアー

これも、いろいろあった。

ゆかりちゃんには、ぜひ、この記事で復習してほしい。


◆固めが良い


ソファー

僕は、椎間板ヘルニアの手術を15年くらい前にしている。いわゆる【腰痛持ち】だ。なので、ソファーの座り心地に、僕は神経質になる。

腰に負担が少ないのは、固めのソファーと相場は決まっていて、整形外科医も、やわらかいソファーは「おススメできない」と明言する。

ソファー購入時に、僕はそれを訴えた。しかし、ゆかりちゃんは頑なだった。「はじめてソファーを買うの! 私のスキなのにさせて!」と、半狂乱になった。(半狂乱は大げさだが、セリフは盛っていない)

デザイン、色、などを重視して、座り心地は軽視したソファーが選択された。

5年が経ち、「固めが良かったかも~」と、最近のゆかりちゃんはのたまうようになった。


布団

固い布団じゃないと、僕の腰がたいへんなことになる。やわらかいベッドなど、僕には最悪なのだ。

これは、わりとすぐに、ゆかりちゃんは僕に合わせてくれた。ケッコウ良いお値段の『高反発』のエアウィーヴにすることを賛成してくれた。ゆかりちゃんの好みではないのだが、僕の腰を慮って、エアウィーヴを購入したのだ。

少しは、「薄っぺらい」とか「わたしは敷ふとんは、羊毛がスキ」とか文句を言われたけど。

結果、このエアウィーヴは最高で、夜「アタタタ」と言って眠りに入る僕が、朝になると、何ごともなく「スッ」と立ち上がれるのだ。まるで、一晩かけて、エアウィーヴが僕の腰を、治してくれているみたいなのだ。

ゆかりちゃんも、寝心地の良さを感じたようだ。

***

「たとえケンカしても一緒に寝る」というルールを変更して、僕はゆかりちゃんに、「寝室を別に」と提案した。熟睡を、お互いがお互いに妨げているなあ、と感じていたからだ。言い出す勇気を、熟睡オタクのマコなり社長がYouTubeで与えてくれた。

これも、変化を嫌うゆかりちゃんは「ええ?」「じょーじが言い出したルールやん!」「なんでもかんでも、マコなり社長って、どうかしてる!」と、怒りをあらわにした。

(ゆかりちゃんにとっても、イイと思うんだけどなぁ)(そんなに、僕と一緒がイイなら、まあ、仕方ないかぁ)と、思ったら、翌日には、「良く考えてみたら、ひとりで寝れるのって、快適やん!」と言い出した。

気づくの、遅くね?

僕、昨日、ド叱られてますけど?

ブログでまで怒ってましたけど?

イイ提案ですよね? イイ提案をしたのに怒られたら、会社だったら僕は『かわいそうな部下』で、ゆかりちゃんは『ひどい上司』ですけど?

※もちろん、こんな指摘など、していない。僕は『カーネギーの教え実践者』なのだ。

このように、ゆかりちゃんは、固い敷ふとんについても、別々睡眠についても、とにかく変化を嫌うのだ。変化を提案すると、必ず怒るのだ。

そして、別々に寝るので、ゆかりちゃんはゆかりちゃん専用のエアウィーヴを買いやがった。やわらかいマットレスではダメだと言って。椎間板ヘルニア持ちでもない、そんなゆかりちゃんがエアウィーヴを買ったのだ。


◆家電

コードレス掃除機

「わたしは、この連れて歩くのがスキなの!」「不便って、思ったことない!」

怒られたなぁ、普通のコード式の掃除機を、「スキだ」「不便じゃない」と。

その意見はイイんだけど、怒る必要ある? 

ま、僕は寛大だから、イイんだけどね~( ̄ー ̄)ニヤリ

コードレス掃除機を買ったら、「めっちゃラクだわ~」と、「これ最高!」と、凄かった。

今のゆかりちゃんは、日立のコードレス掃除機をベタ褒めしている。


電気ケトル

「この、普通のケトルが気に入ってるの!」「ガスが速いの」「電気? 大してイイとは思わない」って、やっぱり、怒られたなぁ。

温度の選択ができるのって、やっぱり便利だ。コーヒーなら90℃。緑茶なら70℃。カップ麺なら沸騰。しかも沸くのが速い。


人感センサー照明

玄関に、最近設置。これも、「いらん!」って、話を聞いてもらえんかったなぁ。リフォームのときにできたなぁ。


◆食べ物

ガッテン流カレー

僕が作っても、褒めてはくれなかった。それどころか、「ミキサー使うの、めんどうじゃん」「普通の作り方のカレーと、別に味は変わらない」と、つれなかった。

今は、レシピの肉を挽肉にアレンジしたガッテン流カレーが、わが家のカレーに定着した。もちろん、ゆかりちゃんが作ってくれる。ミキサーを使って。

ちなみに、昨日のランチは外食で、ゆかりちゃんはハンバーグ定食、僕はキーマカレーだった。僕は、食べていて思った。お店のカレーに、わが家のカレーは負けていないと。2日目のわが家のカレーなら、お店の味に圧勝している。

それくらい、わが家のカレーは旨い!


 山椒

めっちゃ抵抗されて、なくなっても買ってくれなかったなぁ。「めったに使わんから」と言って。

いまだに鰻には、山椒を使わないゆかりちゃんだが、最近は、麻婆豆腐と麻婆茄子のときには、ちゃんと山椒を入れてくれる。山椒を入れる良さに、納得したようだ。

でも、ゆかりちゃんは「香りはダメ。辛さのために入れている」という。

僕は、ピリピリの辛さ以上に、あの山椒の香りがスキなのだが、そこはわかってはもらえてない。


家系らーめんの『油すくなめ』

これも、無視された。

僕は、家系らーめんが大好きだ。好みは「固め」だけで、味は「ふつう」、油も「ふつう」だ。

でも、家系らーめん初心者だったときは、味「うすめ」、油「すくなめ」にしていた。家系らーめんに慣れていないと、油っこくって、後半、くどく感じるのだ。僕が、はじめて家系らーめんを食べたときなどは、「こんなのラーメンじゃねぇ」と思ったものだった。

ゆかりちゃんは、はじめてでも「美味しい!」と言って食べた。もちろん、僕の提案は無視して、好みはすべて「ふつう」でだ。

そして、でもというか、やはりというか、後半は食べるスピードが落ち、少し残した。

それからも、たびたび「油すくなめ」を推奨するが、いつもスルーされた。僕は、味を「うすめ」にと言ったことはない。ゆかりちゃんが、濃い味を好きなのを知っているからだ。

つまり、僕が初心者だったころの「うすめ」「すくなめ」を推奨しているのではなく、あくまでも、ゆかりちゃんの好みを考えて、アドバイスをしたのだ。

5年かけて、やっと最近は「油すくなめ」と、ゆかりちゃんが注文するようになった。

けっこう、ゆかりちゃんは、頑固なのだ。


◆カビ対策

ユニットバスのカビは、1度発生すると面倒だ。

カビは菌だ。発生すると、除去がモノすごく面倒なのだ。予防がイイ。予防を続けるのが、コスパもイイのだ。歯医者と同じなのだ。だが、普通は『予防』ができない。なぜならば、すでに浴室にはカビ菌がいるから。

だが僕たちは、マンションの室内をフルリフォームした。当然、ユニットバスも新品だ。だから僕は、カビ対策をキチンと行ないたかった。

「めんどくさい」「そこまでする必要はない」「じょーじは細かい」と抵抗され、そして半年くらいで、きちんとカビが発生した。

最近は、僕の意見を聞いてくれるが、ことユニットバスのカビに関しては、時すでに遅しだ。

あのときなら、『予防』ができたのだ。


◆珪藻土バスマット

これは、かるい抵抗ですんだ。「わたしは、あのマイクロファイバーの、足触りがスキ」くらいだったのだ。

抵抗が軽かった理由は、ゆかりちゃんの親友のひろみちゃんが、ひとり暮らしを始める息子へ、この珪藻土バスマットをプレゼントしたからだ。「これ、イイのよ~」って、親友のひろみちゃんが言ってたからだ。

このときは、僕もゆかりちゃんも、なにが良いのかピンとこなかった。でも、ちょっとまえに、僕がマコなり社長のYouTubeで、「そうか、珪藻土バスマットには、ダニは住めない」と教えられた。

ゆかりちゃんには、少しマコなり社長好きをイジられたくらいで、わりとすんなりに購入できた。水分を想像以上に吸ってくれるので、ゆかりちゃんも、メッチャ気に入っている。


◆不要

照明(変な照明。アイキャッチ画像がそれ)

リフォーム工事の打ち合わせで、僕が、撤去を提案したら、「いるかもしれない!」と猛反対された。不要だったことは、この6年間で明白になった。

こいつは、残念ながら、取り外しができない。悔しい。


ドレッサー

「母からもらった物なのに」と、ほぼ、人でなし扱いされた。でも、最近処分した。


ひな人形&五月人形

これも、大ごとだった。東海地方の文化や風習を軽んじる、心のないヤツと怒られた。

僕は、天袋にしまったままならばと提案しただけで、なにがなんでも処分しろとは言ってない。でも、「そんな提案をするなんて、それが信じられない」と叱られた。

これは今年、ジモティーで、欲しいという方にお譲りできた。


パスタ鍋

フライパンで充分なのだ。お水もガスも節約できる。

今は、このパスタ鍋の断捨離に成功したが、コイツはキッチンの下を、何年も占領し続けた。デカすぎた。

 

◆その他

トイレのドアの位置

僕は、リビングやダイニングから見えないように、脱衣所にトイレのドアを配置したかった。

つまり、誰かが入浴中は、トイレに行けないというデメリットがある。

そのかわりに、リビングからの見た目が良くなる。リビングからは壁だ。トイレには見えない。トイレに行ったときに、リビングやダイニングを気にしなくて良い。なんせ壁だから。

どちらにしても、一長一短があったのだが、今は、ゆかりちゃんも僕の意見が良かったと思っている。

お客さんが来たときに、トイレが、使うも使われるも、多少気になるのだ。


「鍵は引出しに」という案

玄関に大きな下駄箱がある。小さな引き出しがあり、鍵の置き場所に最適だった。

これを提案しただけで、「細かい」とか「どこでもイイやん」とか、いろいろ言われた。

ちなみに今は、家族全員が、その引出しを『カギ置き場』として使っている。


物の場所を決めようという提案

文房具が、あっちにもあり、こっちにもあり、そっちにもあり。

説明書も。アルバムも。便箋も。切手も。要するに、小物の場所が決まっておらず、それぞれに2~3の置き場所がある。

置き場所を1か所に決めれば、探すのがラクになり、片付けるのもラクになる。このような提案が、すごい抵抗を受けた。「めんどくさい」「言うことが細かい」「今、困ってない」「なに様?」と、バッシングを受けた。

もちろん僕は、家族のことを考えて、その方がイイと思い提案したのだ。


バズビデオ(スマホアプリ)

これも、「おもしろいよ」と教えたが、無視され抵抗された。

そして1年くらい経ち、僕は「なんか、このバズビデオって、タイトルだけで中身がないの多いなぁ」と感じるようになった。僕は「YouTubeの方がイイなぁ」と思ったころに、ゆかりちゃんはバズビデオを観るようになり、そしてハマった。

僕は、このバズビデオを勧めたことを、めっちゃ後悔している。ゆかりちゃんは、【他人の不幸話し】を、めっちゃ観る。失敗した。


◆〆

受け入れてもらえなかった原因は、僕が、カーネギーの教えを実践していなかったからだ。

日頃から、議論したり、ゆかりちゃんを批判したり間違いを指摘したりしていたからなのだ。だから、『良い提案』さえも、ゆかりちゃんには『批判』に聞こえたのだろう。

たとえば、「文房具は文房具でそろえよう。置き場を決めよう」という提案が、「文房具がバラバラに置かれている。こんなのオカシイ。不便。非効率だ」というダメ出しに聞こえたのだ。


前半は、ゆかりちゃんのことを、わざと悪く書いた。でも、これは、本当は僕が悪かったのだ。


ゆかりちゃんは、「そうや~。じょーじが悪かったんや! やっとわかったか! ちと遅いなぁ」って感想かな~。

たぶん、そんな感じで、ちょっと調子に乗るだろう。


でも僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。



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