深夜に「痛い! 痛い!」と絶叫する妻! 寝言なのか? 頚椎症の再発なのか?
深夜、おそらく2時ごろです。
ゆかりちゃんのうめき声で、僕は目覚めました。
少しまえから、ゆかりちゃんはうめいていた気がしますが、僕は寝ぼけていて、すぐには状況を把握できません。
「痛い、……痛い」
と、聞こえました。
寝言のように感じました。
ゆかりちゃんは僕に背を向けていて、表情は分かりません。
ゆかりちゃんの右ひじが、真上を指しています。
不自然な姿勢です。
「痛い、痛い、痛い、痛い」
「痛い」の間隔が、つまってきました。
2~3ヵ月前まで、ゆかりちゃんは肩の激痛に苦しんでいました。
頚椎症からの鋭い痛みが、ゆかりちゃんの肩を襲ったのです。
整形外科に行っても治らず、整体院や接骨院を何件もまわりました。
その痛みは、我慢強いゆかりちゃんが頬を涙で濡らすほど、壮絶なものでした。
僕は、ハッキリと目が覚めました。
あの肩の激痛が再発したのかもしれません。
でも声が、なんとなく寝言っぽい。
「寝言に話しかけてはいけない」と聞いたことがあり、話かけることを躊躇いました。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」
声が大きくなりました。
そのとき、
腕が、ピーンと伸びたのです。
右ひじで天井を指していた姿勢が、右手で天井を指しています。
手も、突っ張った感じです。
ゆかりちゃんの声がどんどん大きくなりました!
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」
ボリュームMAXです。
僕はたまらず、声をかけました。
「大丈夫?」
「どうしたの?」
ゆかりちゃんが答えます。
「あ、足つった!!!」
「……あし?」
どうやら、こむら返りです。
僕は大爆笑です。
「その手、なに?」
ゆかりちゃんは僕の質問に答える余裕もなく、
「痛い痛い痛い」
と、まだ言っています。
僕は、ゆかりちゃんの足を「グイッ!」と伸ばし、マッサージしました。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。
おしまい
◆ オーダン(フリー画像サイト)で見つけた右手
ボツにするのももったいないので、ギャラリー的に貼ってみます。
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