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2つ同時に間違えると、ツッコミも、この記事も難しくなる パート1

◆1

僕のスマホが見当たりません。
リビング中を探しましたが見つからないのです。

「ゆかりちゃん、僕のスマホ知らない?」

「知らないよ~」
「見てないよ~」


◆2

トイレや洗面所も探しました。
でも、ありません。

「車に置き忘れたんじゃな~い♪」

と、ゆかりちゃんが言いました。

僕も、同じことを思っていました。

「やっぱり、車に忘れたみたいだなぁ~」
「面倒だけど、駐車場まで行くしかないかぁ~」


◆3

「わたしが、じょーじのスマホにかけてあげるね♪」
「うん、鳴ってるよ~♪」

家の中から音は聞こえません。
ゆかりちゃんが、少し楽しそうなのがかんさわりましたが、口には出しませんでした。

「車に行って取ってくるわ~」


◆4

ゆかりちゃんの目が輝きました。

「やっちまったなぁ!」
「よ~~~~おっ!」

クールポコさんの口調をまねて、ゆかりちゃんはケラケラ笑いました。
顔は、完全にドヤ顔です。


◆5

僕は言いました。

「ゆかりちゃん…」
「よ~~~~おっ!」じゃなくて、「な~~にぃ~~~⁈」だから」

「あと、 順番が逆」
「ゆかりちゃんの順番だと」
「やっちまったなぁ!」「な~~にぃ~~~⁈」
「って、なっちゃてるから!」


◆6

ゆかりちゃんは、笑いながら、

「そうかぁ~、『な~~にぃ~~~⁈』『やっちまったなぁ!』かぁ~」

と、珍しく素直に認めました。


◆7

玄関に向かう僕を、

「じょーじ!」

と、ゆかりちゃんが呼び止めました。


◆8

振りむいた僕に、

「な~~にぃ~~~⁈」
「やっちまったなぁ!」

と、正しいクールポコさんのモノマネをぶつけてきました。


◆9

(え、今さら?)

ゆかりちゃんは、またドヤ顔をしていました。



おしまい


PS.クールポコさんです。


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第575話です
※マガジン【ゆかりちゃんの『天然』のポートフォリオ】に加えます




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