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【小説】ホテルNOBLESSE #7

この記事は小説の下書きです。
思いつくままに書き残すメモです。
ちゃんと作品とする際には、当然書き直しますし、順番も組み替えることでしょう。
つまり、この記事を読んでくださる方への配慮に欠けます。
僕が僕のために書き残すだけなのです。
小説ですので、固有名詞や人物名は全て架空です。フィクションです。



説明会は、ホテルの教会で行なわれた。

ブラッシュさんが、従業員用の食堂を借りようと試みたがホテルに断られたのだ。第一、その食堂では、20人近くの人数は入りきらない。ギリギリ入るかもしれないが、ホテルの他部署の従業員が頻繁に利用するスペースだから、我々だけで満員にする訳にもいかなかった。

現在、現場の責任者であるブラッシュ社員の下畑さんに、僕は相談した。
これまでも下畑さんなら、説明会の開催などに協力するはずもない。しかし、下畑さんは今月末で株式会社ブラッシュを辞める。

僕の予想どおり、下畑さんは一つ返事で引き受けてくれた。ホテル管理部の府川さんに頼んでくれたのだ。

会議室を貸すとなると、通常なら費用が発生する。そこで、その日の使用予定のない教会ならば、「コッソリ使ってイイですよ」と、府川さんは言ってくれたらしい。

「約束事を、神の前で語るのか。ちょうど良い場所だな」

と、僕は思った。


その日のスタッフを、僕は、1名多くした。
定時の1時15分に、全員の仕事が終わるようにしたのだ。万が一、どんなに忙しくても、1時30には間違いなく終わる。そのように段取った。

説明会は1時45分開始だった。

その10分前には、ブラッシュさんの志村常務。プラムの来島社長、南さん、村山さんも集まっていた。
5分前には、メイドスタッフも全員が着席していた。

プラムの来島社長と南さんは、ベテランのメイドスタッフと村山さんから、現場の声を聞いていた。
現状把握のすり合わせのようだった。

「8部屋を1時15分までに終わらすって、神業ですよ」という村山さんの発言が聞こえた。

昨日、実体験したからこその発言だ。

僕は、用意した山下さんの質問の、正当性が増すと思った。


説明会が始まった。

僕は、僕が仕切った方が、会がテキパキと進むだろうと思ってはいた。
しかし僕は、ブラッシュの社員やパートではない。株式会社コミットの派遣社員なのだ。

さすがに僕が仕切るのは図々しい。
「本多くんは、関係者じゃないから出てくれ」という言い分も成り立つし、実際ブラッシュの志村常務は、僕に参加して欲しくないというニュアンスを漏らしていた。
「本多さんも参加するの?」と聞かれたので、「山下さんから質問を託されたのです」と言って誤魔化した。

だから僕は、大人しく、なるだけ口数も減らそうと心に決めていた。
ダラダラもたもたしても、僕は、しゃしゃり出なかった。


志村常務は僕を見かけて、
「この前はスマンかったな。副社長はクビにしたから」と言った。

1月15日の「法廷で争いましょう」と言った副社長が来ると、話が揉めるかも思っていたから、僕は少しホッとした。

後から聞いたのだが、3年前に財務改善のために向かい入れたその副社長の打ち手は、全く効果がなかったらしい。
やったことは、まるでブラック企業のような人件費と備品・消耗品費の削減で、かえって現場からの不平不満を増大させたらしい。

ただ……。

現場の下畑さんは、志村常務を毛嫌いし、「副社長はマトモなんです」と言っていた。
辞めるタイミングが同じだから、下畑さんは副社長派だったのかな。僕は、そんな推理をした。


時間になって、志村常務が発言をした。

「では、説明会を行ないます」


#8に続く







※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1412話です
※これも「エッセイの1話」と言い切ります
※僕は、妻のゆかりちゃんが大好きです


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