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食べるアート作品 神戸JHOICEのボンボンショコラ

神戸元町(花隈)
JHOICE
https://jhoice.net

ご自身でも買い付けに行くというこだわりの世界のカカオと日本の食材を繋ぎ、ボンボンショコラをはじめ様々なお菓子を生み出すシェフ。
ベトナムカカオへのこだわりはひとしおで、フルーティで鮮烈な風味を生かしたメニューが多く、衝撃を受けました。

今回は、ボンボンショコラの中から最も興味の湧いた5種類をチョイス。
(写真を撮る前に1つ食べてしまいました。)

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型抜きタイプのボンボンショコラですが、コーティングのチョコレートは1mm弱の薄さで相当な技術を伺わせます。
それぞれの素材に合わせ、産地別のカカオやシェフのブレンドによって作られています。
以下、テイスティングノートとなります。
※一部、季節限定のメニューあり

2022年1月6日

・黒にんにく×苺×ポルトワイン
京都丹波黒にんにくは、フルーツガーリックと呼ばれるほどフルーティーな香りがするそうで、シェフ曰くいちごの風味がより黒にんにくの良さを引き出してくれるとのこと。
フルーティーな香りの中に黒にんにく、そして苺の風味…確かにベリー系の香りのマリアージュだ…と楽しんでいたら、ガナッシュが溶け始めてしっかりと黒にんにくの旨味と香味がやってくる!
ワインのコクや渋味もわずかながら感じるが、黒にんにくの旨味が全てを連れていく感じ。
おいしくも面白く、チョコレートのマリアージュにはまだまだ深淵があると思わされるボンボンショコラ。

・醤油×黒糖×生姜
生姜の香りがはじめにきて、甘味とともに醤油の旨味と塩味が溶け出す感じ。
この中では甘味が強く感じられたのは黒糖の風味?且つチョコレートの味もしっかり感じられて、分かりやすくおいしい。
このショコラトリーの顔とも言える一粒というのは納得。
醤油は龍野市、末広醤油さんの三段仕込み甘露醤油。

・璃の香(レモンと日向夏の交配種)×もみの木
上段に璃の香のコンフィチュールと、下段にもみの木とレモンのガナッシュ。
とても控えめな、レモンのような甘酸っぱさが顔を出した後、
柑橘の果皮、カカオ、もみの木それぞれの苦味がやさしく重なり合ったマリアージュを感じた。とても繊細で儚い印象のボンボンショコラ。

・オーク樹のはちみつ×DICTADOR20ラム×コロンビアカカオ
力強いラムの香りが鮮烈。ラムの香りと混ざり合ったガナッシュがコク深い。蜂蜜とのマリアージュもこのコクを生み出している?
ほのかに感じたモルト香のような香りはオークのはちみつから?
溶けていくと最後に残るカカオとラムのビター感。大人な一粒。
ディクタドール20年というのはコロンビアのラム酒だそう。


・紅玉りんご×カルバドス
煮詰めたりんごの甘い香りがはじめに立つ。カルバドスの香りはガナッシュが溶け始めてから追いかけるようにやってくる。
コンフィチュールのねっとりとした食感も、カカオの口溶けと相まって楽しい。
甘くまろやかなボンボンと思いながら食べると、カルバドスのお酒の風味が最後にぎゅっと味を締めてくる。
紅玉は、長野県原田農園のりんご。



総合的な感想としては、これはもう一粒が小さな宇宙だ…という感じでした。
見た目もさることながら、これは五感を刺激される総合芸術。
緻密な香りと味の重なり合いは、シェフの発想とセンス、そして丁寧で繊細な技術により実現するもの。
ここでしか出会えない味覚のアートに触れたい方はぜひ。

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