見出し画像

【波の地図展🌊で波と遊んで】

 1ヶ月に渡って続いた『波の地図』(雷鳥社)出版記念として開催した「波の地図展」が先日ようやく終わり、大晦日を迎えた。木土日の週に3日のオープンなので、会期は実質、2週間。この間、たくさんの皆様にお越しいただき、来場者数は200名近くに。遠くは、北海道、大分、秋田、神戸、静岡からいらした方も。本だけでなく、プリントフレームは数枚を残して売り切れ、原田佳夏さん手作りの刺繍作品やなかひらの絵画作品も多数売れて、大盛況にて幕を閉じた。こんなに大きな波を感じた個展は初めてのこと。この場を借りて、お越しいただいた皆様に、改めて感謝申し上げます。
 この個展を開催できたのは、共著者の原田佳夏さんと「ぎゃるりでんぐり」オーナーの伝宝詩子さんのお力のおかげです。お二人にもいくら感謝してもしたりません。本当にありがとうございました。

『波の地図』は、「波」というものの本質を捉えて誰にでも楽しめるエンターティメント的な本にしようと、脚本家としてご活躍の原田佳夏さんと1年半かけて取り組んだ作品。
 原田さんが、まえがきで、波とは「エネルギーが生まれて、『何か』を伝わって、どこかに届く現象」と簡潔に書いてくれた通り、波は「現象」のことであり、波という物質は存在していない。水に風のエネルギーが加われば海の波になり、空気に伝われば音波になったりする。形も実体もないけど、確かに存在して暮らしの中に息づいている。そんな波たちを原田さんが文章で構成し、わたしは絵に表すことができる波を描かせていただいた。
 波は、言葉の世界では「波瀾」「人波」「浪人」など、波を連想させるイメージを表す言葉に使われていたりする。絵の世界では、「流水」「青海波」など、波の形を象徴的にデザインされていたりする。波は、はっきりとした物質でない現象、簡単にいうとあやふやな存在だったからこそ、様々に表現されてきたのだと思う。

 個展では、1章「みえる波」で描いた海の波そのものの原画や2章のプリント(デジタルで入稿しているため原画はない)などを展示したのだが、想像以上にじっくり見てくださる方が多く驚いた。くどいようだが、波そのものには形はない。波と認識しなければ波と分からないこともあるかもしれない。電波って、そういえば波だったな、という具合に。この本を読んだり見たりした方が、自身の心の中で何かを想起して、「あのとき起こったことは波だったんだ」とか何かに気づいたり、自分の生活に引き寄せて考えてくれたら嬉しい。波文様の着物や建築物を探して遊ぶ友人の話も楽しかった。
 「波」は、何かを伝わって届くものだ。この本が波となって、いろんな人の心に波を起こし、たくさん遊んでもらえたらと思う。「想像力」こそ、どんな荒波も乗り越えていける神様からのプレゼントだ。わたしも、あの世に旅立つまで、この不可解な時代の波になんとか乗って生きていこうと思う。

2021.12.31 
なかひらまい

●新著『波の地図』(雷鳥社)
原田佳夏・なかひら まい


●「波の地図」出版記念トーク
著者と楽しむ いろいろな波の世界 / ゲスト:原田佳夏氏/なかひらまい氏(リエゾンセンター・ライブラリーのブックイベント)アーカイブ
https://www.youtube.com/watch?v=mPUFI8IL-iQ

●波の地図展(開催終了)
11月21日(日)〜12月25日(土)
営業日は木土日のみ。
12:00〜17:30
下高井戸ぎゃるり でんぐり
https://x.gd/t6Iig

 #波の地図
#雷鳥社
#原田佳夏
#なかひらまい
#ぎゃるりでんぐり
#リエゾンセンター

個展風景
第1章 みえる波 原画
第2章 波のかたち プリントフレーム
プリントフレームはほとんどsoldに
第3章 波のすがた プリントフレーム
こちらは完売
上段 なかひらの描き下ろし原画作品
下段 原田さんの刺繍作品
個展DM
個展DM 宛名面

この記事が参加している募集

やってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?