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伝道者の書第29話愛するに時があり、憎むに時があり、戦うに時があり、和らぐに時がある。

(原文:第3章8)
愛するに時があり、憎むに時があり、戦うに時があり、和らぐに時がある。

他者を愛するに際しても、それなりの適した時間がある。
むやみな愛情表現は、相手の都合を考えなければ、迷惑になる。

他者を憎むに際しても、それなりの適した時間がある。
その他者が、本当に憎むべき対象なのか。
全く自分に落ち度が無いのか。
それを考えずに、ただ感情的に憎んでいるだけではないのか。
この場合の適した時間は、冷静に考える時間と、捉えたい。
それでもなおかつ、極悪にして、迷惑を撒き散らす他者に対しては、憎むべきこともある。
伝道者は、憎むに適した時間があるとは語るけれど、憎むべからずとは語っていない。

次の字句は、「他国との戦争」の意味で考えてみた。

戦争に適した時間があるのは、当然。
戦うための正当な理由、勝てるための準備なしに、戦争に突入しても、待っているのは我が国民と国土への悲惨な結果だけであり、特に王として戦争を指揮するならば、そのことを十分に意識しなければならない。
特に、日本人であるならば、このことは肝に銘じているはずと思う。

和らぐ、つまり和睦を結ぶにも適した時間があるのも、当然。
勝って和睦を結ぶにも、負けて和睦を結ぶにも、できるだけ自国の有利に導く努力は必要になる。
また、適切な戦争後の統治形態を構築できる状態になければ、また統治の混乱が生じ、それがまた戦争の原因になる。
戦争は始めるよりも、終わらせ方が難しい。

「戦うに時があり、和らぐに時がある」この言葉は、むやみに戦争と和睦を繰り返してきた人間にとって、かなり厳しい言葉になる。

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