CRIMSON PEAK・・・ギレルモ・デル・トロ監督の世界に浸った

パンズラビリンスでギレルモ・デル・トロ監督を知って強く惹きつけられたわたし。ゴシック・ロマンスという触れ込みに速攻で借りてきた。ゴシック・ホラー・ロマンスかな。やはり過激なシーンが含まれるので苦手な人もいると思うけど、私はかなり好きな映画だ。

時代は20世紀初頭。ニューヨークの実業家の娘イーデスは作家志望の女性だったが、英国の準男爵トーマスと結婚して渡航。イギリスの片田舎の丘陵地の上にあるアラデール・ホールという屋敷に住むこととなる。トーマスの姉ルシールと共に・・・。

この屋敷がなんと言ったってすごい!ギレルモ・デル・トロワールド!ゴシック様式、クラシカル、不気味で怪しげで・・・美しい!敷地の土が血のように赤いのだ。死体の血が染み出たような赤。彷徨い出るゴーストも深紅の歪んだ姿なのだ。これは監督こだわりのイメージらしい。凍えるような北国の冬、白い雪に深紅の色彩効果が鮮烈。

突っ込みどころを探してしまうわたしは、財産目当ての悪い男に騙されたイーデスにイライラし、この屋敷についても「え~~天井に穴が開いていて雪が舞い込むんでいるぅ~。床からズブズブと真っ赤な汚泥がしみ込んで来ているじゃない~。ありえな~い!恋はそこまで盲目にしてしまったのか・・・泣」なんて思っていたことも確かだけど。
そこはゴシック・ホラー・ファンタジック・ロマンス(?)だからね。
ギレルモ監督が細部まで作り込んだこのアラデール・ホールの世界観に不満があるわけではなく、まんまと騙されたイーデスにちょっとイラついただけで、わたしの本意ではない。

キモ美しさではアラデール・ホールが必見だが、並んでわたしが惹かれたものは・・・
★衣装が大変美しい。時代の雰囲気、キャラクターの雰囲気を表現している。
★主演のミア・ワシコウスカ(アリス・イン・ワンダーランド)が可愛い。最初はまんまと騙されるが、それで終わりはしない。(アリス・・・次に借りようかな。)
★トーマスとルシールというキャラクターも古めかしい雰囲気によく似合っていて、その怖さも魅力的だった。怖いのはゴーストよりも人間だね。

そして、ラストシーンが秀逸!
パンズラビリンスのラストシーンと同じように、美しくて哀しい。そして、悲しいだけでなくある種の救いが残されているような余韻をいつまでも感じさせてくれるのだ。また観なおしたい映画だ。

・・・ということで、「パシフィック・リム」を借りてある(笑)