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Danmark /USA

表紙画像は初夏の誰もいない海。正面遠く海に張り出してぼんやりと見えるのは某原発。点滅している明かりが不気味だった。

ところで、人の一面をもって存在を全否定するようなことを私は好まないし、そういうことをする輩は苦手だ。百年の恋も一瞬で冷めるくらい。まあね、苦手と言っても、そういう人は大抵自ら去っていくので捨て台詞さえ聞き流せばいいのだ。
お互いに「あなたとわたし、ここは同じけど、ここは違うね」と冷静に受け止められれば、世界はもっと平和になるだろう。

ここのところしばらくDVDに溺れていた。
ひとりになれる時間、車の中では音楽、病院などの待ち時間には読書、夜キッチンで・・・読書かDVDという私(たまにパンを捏ねるけど)

そこでやっと本題。
「THE KILLINNG」デンマークのサスペンスドラマを観た。これはヨーロッパを始めアメリカでも評判になったドラマで、アメリカでリメイクされた。そこで両方を観て比較してみたら、なかなか興味深かった。「ここは同じけど、ここは違うね」を見つけるのは好きな作業だから。
推理サスペンスのリメイクだから、はっきり言ってネタバレして意味ないんじゃない?と思ったら、そうじゃなかったね~。流石にそれはなかった。デンマーク版を楽しんだ後で、アメリカ版を観始めた時に・・・あ、この人犯人だよなと思ったけれど。どうも存在感が薄すぎるわけ。そして画面から消えてしまった時に一気に引き込まれていったもの。

デンマーク版でまず「ほほう~」と思ったのは、日本語吹き替え版だったこと。字幕にしようと思ってハッとした。流れてくるのは聞きなれないデンマーク語。こりゃあ無理だわね。
次に出てくる人の容姿と名前。プラチナブロンドのサラサラロングの少女、ふた昔前のイケメンみたいな男優。トロル・・・北欧の伝説に出てくる鬼みたいな名前。デンマークからスウェーデンに行ったりきたり。人々の生活の様子が大変面白い。馴染みのない国の文化を知ることができてよかった。普段米英のドラマ・・・特にアメリカのドラマばかり観ていたから、いかに染まっていたのかということにも気づかされた。

ここでヒロインを画像で紹介。まず本家デンマーク版

(粗いですね~。こういう時になんとかできなくて悲しいな)
次がアメリカ版

なんとなく雰囲気は伝わるかしらね(/・ω・)/

USA的な美女を見慣れているせいか、最初はデンマーク版のヒロインがヒロインぽくないと思ったが、意志を感じる目がなかなか美しい。思い込んだら周りが見えないし、誤認逮捕しても絶対謝らない(笑)。捜査が全て!なかなか個性的な女性刑事だ。
アメリカ版では、いくら仕事人間で服装に構わないとしても、少しソフトな印象を受ける。共通点は、いつも同じセーターを着ているところかな。そういえば、アメリカ版にデンマーク版ヒロインの女優さんがチラっとゲスト出演していて驚いた。

結果としてかなり違った描き方とストーリーになっていたので、十分に推理サスペンスとして楽しむことができた。
それぞれの国の歴史や文化、抱える社会的な問題や政治的な背景が異なるのは当然のことだけどね。
その違いがそれぞれの作品にとても素敵な彩を添えていたと思うのだ。