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桜の棲む村

この画像は3週間くらい前、過疎の某集落を訪ねたときのもの。
これでもかと車を走らせて、ぱあっと開けた桜と花桃に囲まれた山間の村。
人影はなく、道中は空き家らしき民家が点在している。
今ここは人の代わりに桜たちの集落となっているのだね。
多分誰かの手によって、去りゆく人たちを見送るたびに桜の木が植えられていったのだろう。

似たような話があったっけ。
過疎の村に案山子が増えていく話。空き家の縁側でお茶をするおばあさんの案山子。農作業をする案山子。村人がいなくなると代わりに案山子が作られる。
だからどうだこうだというつもりもないが・・・
沈んでいく夕陽に向かって口笛を吹くような気持ちというのは、こういうことかとも思う。

途中で奇跡のように一輪だけ咲いていたシラネアオイ