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白猫の家を尋ねて・・・
表紙画像は、押しかける報道陣に顔を隠した容疑者。(本文には関係ない参考画像)
休日のお昼前に玄関チャイムが鳴り、立っていた見知らぬ男性に少し警戒したわたし。
「お宅で白い猫を飼っていませんか?」
この一言で頭の中がジタバタし始めた。記憶の戸棚からそいつらがむくむく起きだして、自分の鼓動が耳元で感じられる。過去2回同じようなことを言ってきた来訪者があって、それはうちの猫さんが前の道路で轢かれてしまった時だったからだ。
「昨夜仕事帰りに白い猫が轢かれるのを見たんです。白に少しだけ茶色が入った・・・」
え?昨夜?確か朝は炬燵で寝ていたよね。いや、うちの奴じゃないぞ。ここでドクドクが少し収まってきた。で、うちの猫じゃないことを伝えたけれど、その男性は熱心に話し続けた。その人はやはり猫好きなんだよね、そしてわたしに同類の匂いを嗅ぎつけたからなんだと思う。
男性の話はだいたい次のような内容だった。
通り過ぎたが、ミラー越しに頭が動いたのが見えたので、車を戻して抱き上げた。しかしその時には命尽きてしまっていた。飼い主さんが探しているだろう。知らせてあげたい。
国道管理事務所(と聞こえたけど)に連絡したら三日間だけ預かるそうだ。今日は休みなので飼い主を探しにきたのだが・・。この辺で他に白っぽい猫を飼っているお宅を知らないだろうか。
そういえば、我が家の近くを通過する白猫がいる。首輪をしていないけど、毛並みがきれいで大きい猫。あの子が轢かれたのだろうか。(ため息)隣の町内から来ているようだったので方角を教えてあげた。
その人はお辞儀をして走り去った。小学生の子供がいるお父さん・・みたいな年齢に見受けられた。
わたしは思わず深々とお辞儀をして「ありがとうございました」と言っていた。うちの猫じゃなかったけど、どうしてもお礼を言いたかったのだ。
轢かれてしまった白猫の飼い主さんは見つかっただろうか・・・