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AちゃんとBちゃん。あなたはどっちが好きですか?〜本当のやさしさって〜


さて、たとえ話をします。

Aちゃんと、Bちゃんと、Cくん。
中学のクラスメイトです。

Cくんは、クラスにほとんど友だちがいません。
昼休みは、いつもひとりで空を見あげているような子です。


対してAちゃんは、誰とでも仲がよく、友だちもたくさんいます。
誰にでも優しく、平等に接するAちゃんは、昼休みにひとりでいるCくんにも、よく声をかけます。
Cくんにそれほど興味があるわけではないけれど、ひとりでなんだか寂しそうに見えるから、声をかけます。

クラスメイトたちはそのAちゃんの姿を見て、「Aちゃんってやっぱり優しい子だなぁ」と思っています。


Bちゃんも、ひとりで空を見上げているCくんの姿をよく見かけます。
でも、Bちゃんは、昼休み中Cくんに声をかけることはしません。


声をかけるとしても、昼休みの後、
たまたますれ違った時などに、単純な興味からこう聞きます。

「今日の昼休みは、何が見えたの?」

すると、Cくんはこう答えます。

「うん、今日は、JALのボーイングB787-8ドリームライナーと、ANAのエアバスA321-200が見れたよ。ボーイングの方は予定時刻より28分遅れだったみたいだね。」

Bちゃんは、
いつもCくんをそれとなく気にして、
観察しているうちに、

Cくんが「ひとりぼっちで所在なさげに空を見上げている」のではなくて、

「飛行機が大好きだから、空を見上げている。昼休みはCくんの趣味の時間だ」

と気づいていたのです。

「Cくんってなんか、おもしろいかも」
それ以来、たまに声をかけるようになりました。
もちろん、昼休みは除いて。



昼休み、ひとりぼっちで寂しそうだからと、Cくんに声をかけ続けるAちゃんと、

Cくんの昼休みの楽しみを、あえて邪魔はしないBちゃん。

きっと、2人とも、やさしい子です。

でも、あなたは、AちゃんとBちゃん、どっちが好きですか?


ちなみに、

Aちゃんは中学を卒業してから、同窓会で再会するまで、Cくんのことを思い出すことはまったくなさそうです。大人になっても、Cくんが飛行機好きだなんてこと、まったく知りません。

Bちゃんは、飛行機に乗ったときや、
ふと空を見上げてひこうき雲を見かけたとき、

「そういえば、いつも空を見上げてるCくんっていたな〜。元気にしてるかな」と、

折にふれて思い出していそうです。



わたしは、Bちゃんになりたい。


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