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移住したてのバンクーバーで、私が感じた「優しい体験」

渡航して3週間が経ち、昨日バンクーバーの我が家にテレビが来ました!一人で軽々持ち運べる40インチのテレビが$330。一気に家のリラックスタイムが充実。多くの情報を届けてくれる便利なものが、こんな安いのかと、久しぶりにテレビというものを買った私はびっくりしました。

さて、今日はカナダに来て感じた、「優しい体験」を3つご紹介します。

1.子どもに対して「ここまでOK!?」と驚くくらいとても優しい

夏休み中、1週間だけYMCAのサマープログラムに9歳の息子を参加させたのですが、英語の分からない慎重な性格の息子に対して、スタッフの方々がとても温かく接してくれました。

おそらくあまり言葉も分からないので、一人でレゴを組み立てたり、遊具で遊んだりしていたのですが、「ユウキ(息子)は礼儀正しくて、片付けも手伝ってくれて、素晴らしかったよ!」と、迎えにいくとすごく褒めてくれて。言葉が分からない引け目をまったく感じずに、参加することができました。

さらにその優しさは、子どもたち全員に対して向けられていて、スタッフのお兄さんお姉さんがとにかく優しい!「みんなー、スナックタイムだよー!」とおやつの時間になって、テーブルを綺麗に拭いて、おやつを出す準備をしても、子どもたちは遊びに夢中で聞く耳もたず。遊んでいる子どもを次のことに切り替えさせるのって大変ですが、なんと30分間「みんなー、スナックタイムだよー!」と優しく呼びかけ続けて、ようやくやんちゃな男子も含めて、スナックタイムが始まりました。

15時に呼びかけ始めて、食べ始めたのが15時30分。なんて我慢強いんだ……声を荒げて「おやつの時間だからいい加減座りなさい!」と叱らないところが、すごいなあと思いました。クッションを背中に敷いて、床の上をクネクネ進んでいる男子とかに、こんな優しい声かけをするなんて。

私はその日、14時30分に迎えに行っていて、レゴの銃を仕上げたいという息子の作業を待っていたのですが、おやつの時間になったら(ひとりだけおもちゃで遊んでいるのも悪いから)帰ろうと思っていたら、なんと、15時30分まで、レゴ作りを待つハメに。

しかも「ユウキの分もスナック用意するね!持って帰ってね」と優しく袋に入れて渡してくれて。なんて優しいんだ!そして、この優しいスタッフの彼は、多分10代後半か20代前半。この若さでこんなに根気強く優しく、やんちゃで全然いうことを聞かない子どもたちに接することができるなんて!そして、本人もとても楽しそうに笑顔でやっていて、神じゃないかと思いました。

その様子を友人に話すと、学校や習い事、キャンプなどいろんな場所で大人たちは、とても子どもたちに優しいのだとか。その分、子どもが甘やかされすぎ、との声もあるみたいだけど、子どもが萎縮して大人の言いつけに従う環境より、ずっといいなあと思いました。

ちなみに、サマープログラム以外にも、「ここまでやっていいの!?」と驚く機会は何回かあり。公園のテニスコートで子どもたちがサッカーボールで遊んでいても、(空いていたのもあって)誰も注意せず、テニスをやっている人の方にボールが飛んでいって、さすがに怒られるかな、と思ったら、普通にボールを投げ返してくれたことも。

さらに、モールの噴水に小さな子どもがバシャバシャ入っていったシーンに遭遇したこともあり、付き添いの大人が注意するかな?と思ったら、大人(もしくはティーンエイジャーの兄?)も一緒に噴水に入っていったので、すごいなw と笑いました。

2.めちゃくちゃ列が長くても、遅くても、文句を言わず静かに並んで待つ

日本人ってクレーマー多いのかな?自分って心狭すぎ?と思ってしまうほど、バンクーバーでは、静かに並んで順番を待っている人が多いなと感じました。お年寄りや私のような外国人が、レジのカード決済でエラーとなってもたついていても、「大丈夫。慌てないでいいからね」と優しく声をかけてくれて、急かされたりしません。

スーパーやドラッグストアでも、カスタマーサポートの周りや、商品の返却カウンターの列に、結構人が並んでいること多くって。みんな我慢強いなーと思って見ていたのですが、あるとき、私もその列に並ぶことになりました。

$10オフと書かれたタグのイヤホンを買ったら、割引されず、レジの係の人は、金額を訂正する資格がないから、カスタマーサポートのカウンターで返却して、と言われ。よく見たら10日前までの期間限定割引オファーのタグが、掲示されたままだったから割引されなかったんですよね。

日本だと、結構クレームをいう人が発生するシチュエーションだと思うのですが、カスタマーサポートの列も長いし、なんなら対応するスタッフも途中で(トイレ休憩とかで?)いなくなったりするのですが、みんな静かに待ってる!私はもういいや、と思って返品せずにそのまま帰りましたが、働く側の立場に立つと、めっちゃ働きやすそうこの国!って思いました。

失敗とかミスは、あるよね、そうそうって感じて消費者側が許容するってことは、働く側に立ったときも、失敗やミスに対するプレッシャーを過度に感じすぎずに働けるということで。寛容な社会って、不便なことも多いけど、みんなにとって生きやすい社会なんじゃないかなーと感じた出来事でした。

あと、マニュアルにもあるんだろうと思うけれど、サポートセンターに問い合わせると、「わかります。それは本当に大変でしたねえ。」と大変だったことに共感を示してもらえることが多くて、何気にすごく嬉しかったり。

どんだけカスタマーサポートと話しとるんや!って話ですが、ちゃんと家具が届かなかったり、うまくネットが繋がらなかったりで、引っ越し当初、かなり苦戦したので、何度もカスタマーサービスに電話したのですよね。毎回、繋がるまでにもめっちゃ時間かかるのだけど、話した後に嫌な気持ちにならないあの優しい対応に、何度も救われました。

とにかく、子どももお年寄りも外国人も含めて、みーんなに優しい!これはバンクーバーには移民が多くて、いろんな人に慣れているという部分もあるのかもしれないですが、あきらかに昔住んでいたロサンゼルスとは違った優しさで(LAも移民多いですけど)、本当に驚くことが多いです。

東南アジアだと、日本人はある程度お金持ちなので、サービス精神で優しくされることも多いですが、そういう損得なしに、普通に誰に対しても優しい社会に暮らすのって私にとっては初めての経験。

事務処理ミスや間違いも多くて、待つことは多いですが、それも想定して行動すると(ギリギリにものごとを進めないなど)、バンクーバーは、とても暮らしやすい街だなと感じます。

3.公共施設のノンバイナリー&サポートが必要な人用のトイレ・ロッカーが広い!

区民プールに息子といったときのこと。慎重派の彼は、一人で男性用更衣室で着替えをできずに、「ロッカーには大人の男しかいない、オレはプールに入らない」ともたついていました(プライドはあるけど、不安もあるお年頃)。5歳以上は男性用更衣室を使ってねと、掲示にも書かれていたので、9歳の息子を女性用更衣室に入れることはNG。

どうしようかなと思っていたら、男性用・女性用と同じくらいのサイズの、スカート半分マークと、哺乳瓶と車椅子マークの、ノンバイナリー&サポートが必要な人用の更衣室が隣に。恐る恐る入ってみると、お年寄りに加えて、同様にママ&小学生男子の組み合わせがそこにいて、スムーズに息子の着替えをサポートして、プールサイドまで送っていくことができました(私はプールに入りたくなかったので助かった!)。

小学生男子&ママの組み合わせって、日本だと着替えの際に困ること多いんですよね。身支度がチャチャっと自分でできない場合はとくに。男性用・女性用にキッパリ分けられない、「間のニーズが必要な人」みんなに対して提供されているスペースが、男性用・女性用と同じくらいの広さだというところが、素敵だなーと思いました。

誰でもトイレ・更衣室が小さいと、さっきの私のようなケースだと利用を躊躇してしまうんですよね(限られたスペースなのに申し訳ないと)。結果、廊下で着替えさせたり(そっちの方がカナダだとNGだと思う)、親子ともに不便で不快な思いをすることが日本だと度々起きていました。

色んな不便を感じている人みんなに対して、「どうぞー使ってねー!」と広いスペースが用意されている、その社会の優しさに、「ありがとー!」と嬉しく感じた出来事でした。

ノンバイナリー&サポートが必要な人用の更衣室のお陰で、息子も一人で着替えられなかったことをネガティブに感じることもなく、プールを楽しめて、親子とともにとても嬉しかったです。しかもこの区民プール、めちゃくちゃ自由で楽しそう。ボール遊びもできるし(バスケットボールのゴールもプールにある)、ライフジャケットや水中でプカプカ浮かぶときに使える大きなバーまで、すべて無料で使えます。スライダーまであるし。それで子どもは$3と、とっても安価。

楽しいプールだけれど、監視員さんもしっかりウォッチしていて、小さな子どもが親から一定の距離以上離れるとすぐ注意されるのだとか。OKな部分とNGな部分の線引きもしっかりされていて、とても良いなと思いました。

夏のバンクーバーもあと少し。寒くなる前に、できるだけこの貴重なプールも楽しみたいと思います。

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以上が、バンクーバーに来て3週間と少しの私が、現地で感じた優しさです。知らない人ばかりの土地で、精神的にも今のところ安定して母子で過ごしていられるのも、こうした社会の優しさを日々体感できているところも大きいと感じます。

寒さが苦手な私は、日々感じる秋の気配に怯えつつありますが、この夏にもらったエネルギーを糧に、9月以降も楽しみたいと思います!(それでもやっぱり、秋冬の寒さと雨が不安でドキドキしてます……)


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