見出し画像

Day4 日記で情報の波との余白を作る

▼ここまでの記事はこちらからどうぞ

🐢 🐢 🐢

カメ島と航海するこの海において、情報は波に乗ってやってきます。

ツイートも波、コロナのニュースも波。

「おはようございます」、「お疲れ様です」も、すべての情報は波となってカメ島にたどり着きます(もちろん、この記事もです)。

こうした波をすべてそのままにしておけば、カメ島はすべての波に反応しようとするでしょう。

カメ島が波に反応していつも右往左往していれば、カメ島の上で安心して過ごしていくことはできません。

そのためには波とカメ島の間に何かが必要です。

それは防波堤かもしれませんし、あるいは膜、余白、緩衝地帯と呼ばれるものかもしれません。ここでは防波堤としましょう。

防波堤があることで、すべての波はそのままカメ島に届きません。

大きな波は小さくなって届くでしょうし、小さな波はさざ波となって届くでしょう。

また防波堤もないところに大きな波が来れば、カメ島の上の私たちは海岸から逃げるしかないですが、防波堤があれば逃げる必要はありません(もちろん大きさの程度によりますが)

小さな波としてカメ島に届くのであれば、その情報の波について観察することもできるはずです。

ここでひとつ言えるのは、波をすべて遮るような壁は作らない方がいいということです。

全ての情報を完全にシャットアウトする、そんなものを作ってしまえば、私たちはカメ島の外を知る術を失ってしまうでしょう。

刺激がなくなれば、カメ島も動かなくなってしまうかもしれません。適度な刺激は大事です。

さて、ではカメ島に防波堤をどうやって作ればいいでしょうか?

🐢 🐢 🐢

カメ島に防波堤を作る方法、その一つの方法が日記です。

日記は自分に起きた出来事や、自分が受け取った情報、そしてその時の感情を紙の上に書き出す行為とも言えます。

前回お話したように紙の上に書き出すことで、より客観的に自分に起きた出来事や情報を見ることができるのです。

それは自分の受け取った情報を、一度紙に書き出し、「これはなんなんだろう」と考えるきっかけともなります。

つまり日記をつづることが、情報の波からの防波堤となるのです。

こうして自分を客観的に見ることができるからこそ、森田療法などでは医療の補助ツールとして日記が使われます。

さらに自分に起きた出来事ではなく、自分が受け取った情報に焦点を絞った日記の書き方が「アンチロマン日記」です。

作詞家の阿久悠さんが『日記力』の中で紹介しているもので、あえて感情的な表現を排除したアンチロマンな見方をした日記の書き方です。

このアンチロマン日記では、その日のニュースの中で自分にとって重要なものを記録し、ランキングをつけます。

こうしてランキングをつけることで、自分にとって大事な情報、摂取したい情報の傾向が見えてくるのです。

あくまで自分にとってです。

自分にとって大事なのであれば、総理大臣が変わったことより、好きな漫画の最新刊を1位にするのです。

ランキングをつけていくことによって自分の傾向が分かってくれば、防波堤を超えてきた波の中でどれが自分にとって大事なのか、その判断を波の大きさに関係なく把握することができるはずです。

それは自分の指針を作る材料ともなります。その指針は航海のためのコンパスとなるでしょう。(続く)

🐢 🐢 🐢

この連載は倉下さんとの共同連載です。


よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは独学同好会の運営や執筆の資料購入に使わせていただきます。