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フランスの学校シリーズ 体育の時間1

子供たちがフランスの学校に本格的に行きはじめ、見守ること約2か月半の時が過ぎた。その中で面白いなあと思っていることがある。

体育の時間にやっていること。

…なんというか、非常に原始的(笑)。サバイバル?いや、私的には素晴らしいと思っている。

12歳の二女。学校が始まってすぐだから、9月初めにあった学校の説明会の時に体育の先生が自分の授業の説明をしていた。しばらくしたら水泳が始まるという。しかし今の時点で泳げないとわかっている子についてはすぐに水泳を始めますので、泳げない子は後日私まで連絡をお願いしますと。
???どういうこと???

うちの娘は泳げる子(だったはず)なので、通常通りのカリキュラムで始まった。体育の時間は2時間続きで公営プールまでスクールバスで行く。学校用に予約確保されているのだ。なので、学校には日本の学校のようにプールはない。

娘から話を聞いて、あまりの日本との違いに吹き出した。(笑)

まずは飛び込みなさいと言われる。日本の学校ではまず、危険だからと飛び込みは禁止されている。娘は言われたものの怖くてできず、水の中に入ってから泳がせてくださいと頼んだらしい。そして入水してみると、足がつかない。よく見ると

水深4メートル

と書いてあった。彼女はいわゆる日本の通常=足がつくプールなら25メートルから50メートルは泳げる。・・・が、ここでは飛び込んで水深4メートルの足がつかないプールで泳ぐのかと思うと、軽いパニック状態になり(笑)、25メートルも泳げず、10メートル弱でロープにつかまってしまったらしい。そして、泳げない子グループに入れられたと。

要は、教育の中にサバイバルの要素が組み込まれている。危険な目にあったときにどうやって生き残るか。そのための体育教育なのだ。確かに水泳は楽しく泳ぐためだけではなく、海や水の中に落ちたときにどうやって溺れずにいられるかという手段でもある。そして、パニックに陥った時どうやって対処するか、そもそもパニックに陥らないようにするための訓練。だから、飛び込ませたり、水深4mのプールを使ったりして、コントロールされた中での危険を疑似体験させるのだろう。

娘はその状態にも慣れ、前のように25メートル以上泳げるようになり、泳げる子グループに戻してもらえた。

「ママ、最初はパニクったけどさ、できるようになったよ。もう怖くないよ。」と少しだけ成長した娘は、自信ありげに言った。

日本の学校に行っていたころ、プールの時間、着替えや体操や説明が長くて、10分も泳げないといってぼやいていたのを思い出す。水に入らず、炎天下、汗だくで地上で泳ぐフォーム?型をやらされたり・・・(笑)

そして水泳の期間が終わったら、今度はマラソン。長距離を走る。ただただ走らされる… そして泳げない子達はその間も泳げるようになるまで、バスに乗ってプールに通い続ける…らしい。

フランスの学校と日本の学校、「教育とは何ぞや」という根本にあるコンセプトが違いそうだ。どちらが良い悪いということではない。

ただ、日本で教育を受けた私はフランス人の中にいると、ひ弱いなあと感じることが多々ある。娘たちには強く、たくましく育ってほしいなあ。

長くなるので、今日はこの辺にして、今度は長女バージョンも書こうっと。


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