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フランスから見たコロナさんと日本

フランス、リヨンにいたかと思えば、私はインドネシア、バリで4週間にわたるボディワークの旅を終え、そして今またフランスへ戻ってきたところです。
”マッサージ”という、カラダを通して”他”という存在にアプローチしていると考えられるであろう行為が、実は私にとっては自分自身との対話。自分の内面へと深く深く入り込んで他界とのコンタクトを断っている間に、世界はコロナパニックへ…。

”なんか、大変なことになってる?”と横目で見ていた数日前が遠い昔のよう。フランスに帰ってきたら、時差ボケもまだ治らないうちに、気づけば国は厳戒態勢になっていました…。あと2,3日遅かったら、もうフランスに入国することもできなかった。入れ替わりで夫は日本に戻ったんだけど、こちらも同様。私たちの暮らしが、無意識のうちに危機一髪、大問題をすり抜けていたことに安堵、感謝。

学校は無期限休校。娘たちはまだこの前バカンスが終わったばかりなのに…スーパーや薬局がひっそりと開いているだけで、他のお店は全部閉鎖。用なく外に出るのは禁止。食料品調達など必要最低限の外出が必要な場合は書類の提出を求められ、守らない場合は罰金…。ヨーロッパは対コロナ戦闘態勢突入。

日常って、こんな簡単に消えてしまうものなのね。
映画館もぶらっと立ち寄るカフェも、ウィンドウショッピングが楽しいいろんなお店やさんも、ぜーんぶシャッターが下りていて…
Lyonのど真ん中みたいな繁華街に住んでいる私は、ぽつりぽつりといる買物バッグを持ってそそくさと一人で歩いている人達をアパートの窓から見下ろす。普段はたくさんの人がおしゃべりしながら、ぶらぶら歩いているのに…一抹のさみしさ。

でも、その一方、目に見えないところで、学校はインターネットで授業を受けられるように、先生をはじめ、教育機関はフル回転。
子供を家庭で保護するために会社に行けない親には所得補償を国が。
社会保障負担(税)も保留、または援助。
̄̄数日前、マクロン大統領はテレビの国民に向けての演説で、予算などに言及せず、誰も置き去りにしない!「いくらかかったとしても」この危機を必ず乗り越えると言い切っていた。

私自身、こんな体験は生まれて初めてで、面食らってる感もある。そんな中、自分で自分の身を守ることは当たり前なんだけど、国家がこうして先手先手を打って人民を守ってくれてるっていうアクションが新鮮というか、微妙な感動さえ覚えている。当たり前なんだけどね。国は専門家を抱えているはずだし、私たち普通の人よりウィルスに対する防御策を知ってるんだから、重ねて言うけど当たり前。そのための国だよね… 

でもいつからだろう。はっきりといえるのは、フクシマ、あの巨大地震後からかな?日本という国の、政治のイニシアティブは疑問だらけで、おお、さすが日本っていうようなリアクションは皆無。今回のコロナ対策も、検査数を減らして、陽性数を少なくカウントするようなお粗末ぶり。それを海外メディアに指摘され、現実も直視しないで、正確な対応もできない。それを政治が意図的にやっているからもっと怖い。

それでも日本が二ホンであるのは、私はニホンジン一人一人の在り方のおかげだと思ってる。私は人生の半分以上、外国にいたり、外国人に囲まれて暮らす時間が多くて、いろんな場所で外国の人たちから、私がニホンジンだからという理由で、本当にありがたい対応をしてもらってきた。話を聞いてみると、「昔出会ったことのある日本人が、こんなすごい人だった」っていうことが多い。

こんなに"いいヒト”が集まってる日本。でもどうして、政治につながらないんだろう?これが、政治につながったら、日本最強になれるのに(笑)

反対に言えば、個々の人間力、自制力が強いからこそ、政治が機能してなくてもある程度の生活レベルを保持していけるともいえる。
災害大国日本。
ヨーロッパにいるとホントに天災がほぼなくて、毎年数回は台風でぶっ飛ばされる(笑)オキナワに暮らしてきた私からすると、自然は与えるばかりで何も奪わないことに驚くほど。日本みたいな風土の中に暮らしていると自制力や謙虚さが自然と育ってくるのかなと思う。

今回のコロナ騒動の中でも、日本政府は補償も確約しないまま、学校を休校にし、その他には何をやった?というくらいに、今現在世界中が行っている対策と比べて、あまり大したことをやっていないように見える。それでも、尚、この感染者数で、社会がそれほどパニックに陥っていないのは、日本人が自制しているから。1を知って10を知る国民性。日本人は政治が動かなくても、自ら、欲望をコントロールし、自粛だのなんだのって行動している。それに加えて、習慣の中にハグもキスもしない日本人は一番コロナウィルスが感染しにくい国かもしれない…。海外ではそれができないから、国が大きく舵を取るわけで。

ところがその状況を逆手にとって、政治が暴走している。国民がコロナに冷静にかつ注意を払って行動をしている間に、なんだか怪しい動きをしている。

日本においてはコロナウィルスの脅威より、この不安定な社会情勢の中で、その不安定さを利用して国民を意のままにするような法を作ろうとしている政府の方が怖いんじゃないか?

なぜだろう?今の日本において、政治が独り歩きしていて、しっくりこないのは、日本の風土から生まれ出たものではないからではないか。今こそ日本人の気質にあった、本物の日本独自の政治システムが必要なんじゃないか?

例えば日本人は”出る杭”になることを嫌う。我こそは!的な立候補という制度はなじまない。”あの人は素晴らしい人だなあ、あの人がふさわしいなあ”という推薦制度がスッと来る。今の民主主義、政治システムは戦後借りてきた、または押し付けられたものであり、近代化過程の和魂洋才プロセスが行われていないような。

戦後からここまでグローバルに向かってきた。ヨーロッパはEUになって、どこの大都市行ってもGapがあって、スタバがあって、ルイヴィトンがあって。世界中均一化、均等化。
でもコロナウィルスのために世界の多くの国が国境を閉ざした今、私たちは何に気づくだろう?

自国だけで存在するということ。輸入、輸出が止まった時、国土の中にある資源だけで国民が生きていく。日本の資源は有効活用されているか?著しく偏っていることに気が付く。食を満たす農業はとても貧相。多くの資源があるのに林業もネグレクト状態。第1次産業は壊滅的で、第3次産業ばかりで経済を回している。

ひとりひとり高い人間力をもった日本の皆さん。
今こそ、新しい日本の在り方を根本的に真剣に見直していく時だと思う。というか、今うまいこと変容できないと、もう次がないような状況。
遠くから見ていて、日本はコロナじゃなくて、政治にやられる気がする…。軍事費拡大、海外バラマキ、オリンピックむりやり開催、そして増税。

こんなちっぽけな自分一人に何ができるだろうと考えると、それでもやっぱりまずは選挙に行って、小さな声を大きなうねりにすることからしか始められない。そして自分なりの答えを個々の中に見つけ、それを人生を小さなことからでもいいから少しずつアクションに変えていって、それが政治につながっていくのが理想的なんだろうなあ。

それにしても、このコロナさん、宇宙が我ら人類に与えた、ものすごい課題。マクロンも言ってたけど、この危機を乗り越えた暁には、私たちはより成長しているだろう。そんな風に考えるとなんかワクワクもするけど、失敗したらどうなるんだろうと怖くもなる。

これから数か月。どんなふうに人類が、日本人が振舞っていくか。
私たちは今とても重要な時期を生きている。

衰退か?繁栄か?

コロナウィルスは宇宙からのプレゼントか?それとも破滅に導く爆弾なのか?

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