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アート勉強中。できるだけ難しい言葉は使わないでシンプルに書きたい。 カバー写真は、バル…

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アート勉強中。できるだけ難しい言葉は使わないでシンプルに書きたい。 カバー写真は、バルセロナのサンパウ病院。「芸術には人を癒す力がある」という信念のもと、建築家・モンタネールが設計。

最近の記事

UncommonPlacesは誰かのcommonPlaces

好きな写真家は誰かと聞かれると、結構雑食な私は特定の人物がいなくて困ることが多いのだが、スティーブン・ショアの写真は結構好きである。 スティーブン・ショアはアメリカの写真家で、14歳という若さでMoMAに作品が収蔵されるという偉業を成し遂げたわけだが、彼が紡いできたアメリカの日常風景は、これまでに高い評価を受けてきた。 さて、なぜ私がショアの写真が好きかというと、ニューカラー写真の金字塔の一つと言われている彼の代表作『UncommonPlaces』を例にあげたい。このシリ

    • 私の頭の中にある「写真」

      大学院に入って2年目。課題や勉強会を通して、周囲が私の拙い「やりたいこと」を紐解いてくれているのがとてもありがたく、もう一度あらためて頭の中にある「写真」についてテキストを残すことにした。 なぜ「写真」なのか。私はずっと「写真」をテーマにしてきたが、なぜそれを選択したかと言うと、単純に私は「写真」を見ることをみんなにお薦めしたいのだ。もちろん、仕事に直接結びつくものであると言うのも「写真」を選んだ理由の一つであるが、今までの経験から、私は写真は人の感情を助けるツールになって

      • 私の個人的体験

        緊急事態宣言下において、必要最低限の外出しかしていなかった私は、久しぶりに六本木に来た。 機械的なルールにこだわり、でもクリエイティビティを求め、数字での可視化を求められる。数字で可視化できないものは理解を得られない。もちろんビジネスなのだから、数字は必要であるが、あまりに数字に表すことにこだわり過ぎると、結果を数字で表せないものは排除され始める。なぜか。数字でわからないから。 そんな2021年最初の1ヶ月を過ごしていた私は、日々仕事に追われて土日は動く気になれず、でも見た

        • ロラン・バルトの視点

          「見る」と言う視点で写真を考えるために薦められたのがロラン・バルトだった。いくつか文献を読んだところ、私はロラン・バルトの考え方がとても好みで、ちょっとハマってしまった。 ロラン・バルトは著書『明るい部屋』が写真論とされているが、これはロラン・バルトが母親を亡くしたことで見つけた1枚の写真(「温室の写真」)をベースに、母の死について考え、「新たな生」というテーマについて考えを巡らせるために書いている。そのテーマをそのままタイトルにした『新たな生』は論文ではなく小説で、その構

        UncommonPlacesは誰かのcommonPlaces

          人の中の「境界」

          「世界は『私』でないものごとであふれている」(by Susan Sontag) とある写真家がFacebookに書き留めていた言葉だ。情報リリース前なので詳しいことは書けないが、11月に写真展を予定しているその写真家を取材する機会があった。国と国の「境界」に生きる人々を撮り続けている彼は、このコロナ禍であらためて撮ってきた世界が"他人事"だったことに気づいたそうだ。国と国との国境は政治的な「境界」。それとは別に、人の中には見えない「境界」が存在していて、それが実は大きいのだ

          人の中の「境界」

          「旅とカメラ」と『背中の記憶』

          先日、仕事で観光業のとある会社から対談取材のお話をいただいた。対談テーマは「旅とカメラ」。ありがたいことにご指名だったのであまり下手なトークはできないな、と今から何を話そうか考えている。「旅とカメラ」というと、街のスナップとか風景、もしくは一緒に行った友達や家族とたくさん写真を撮って、思い出に残そうという話によくなる。でもそんな話はたぶんうちの会社の誰でもできるし、旅に行く人みんながわかっていることだ。もっと違う旅とカメラ、いや、旅と写真について話せないものだろうか。 「も

          「旅とカメラ」と『背中の記憶』

          私の中のピーター・ドイグ

          開幕してすぐに休館になってしまった東京国立近代美術館の「ピーター・ドイグ展」。ニコニコ生放送で学芸員の方と展示を巡る動画が配信されてして、勉強のために見てみた。オラファー・エリアソン同様、完全に初めましてである。 ピーター・ドイグはエジンバラ生まれ(UKの中で私のイチ押し観光スポット!)、トリニダード・ドバゴ&カナダ育ち。「画家の中の画家」と呼ばれ、ロマンティックでミステリアスな風景を描くアーティスト。30億円で絵が落札されたことも。 ドイグ初心者の私は、このプロフィール

          私の中のピーター・ドイグ

          映画に学ぶ人間心理

          日テレで深夜に放送している「映画天国」を毎週録画している。元々映画が好きで、毎晩お風呂に入りながら愛用のPRIVATE VIERAで観るのが好き。ネット配信サービスと違って良いところは、自分が興味のない映画でも勝手に録画されるので、色々な映画を観るきっかけになっているところだ。最近、そこに録画されていた2015年の作品「帰ってきたヒトラー」を観た。 急に100年前から本物のヒトラーが現代にタイムスリップしてくるこのドイツ映画。もちろんみんなは本物なんて思わないから、”ヒトラ

          映画に学ぶ人間心理

          初めましてオラファー・エリアソン

          後藤ラボの勉強会のお題がオラファー・エリアソンとのことで、恥ずかしながら名前検索から始めた。いろいろ難しく書いてあるが、要はこんな人だ。 デンマーク生まれアイスランド育ち。スタジオには技術者とか料理人とか色々なメンバーがいて、自然現象を表現したり、社会的課題に取り組んでいる、世界的に高く評価されている人らしい。現在53歳。日本でも原美術館とか金沢21世紀美術館で展示されたことがある。 今は延期になっているが、2020年は東京都現代美術館で展示が予定されている。WEBで作品

          初めましてオラファー・エリアソン