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「階級格差」に関するもやもやまとめ

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社会的な階級の格差に言及した文章をまとめています
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「恵まれている居心地の悪さ」の描写

魯迅の「故郷」は高校の国語の教科書に載ってたんだっけ、と思って調べたら、中3のすべての教科書に入っているとわかった。 あのテーマを中学生に読ませるってすごいな。 「小さいころに遊んだ子と大人になってから再会して、身分の差を痛感する描写」みたいに授業で解説されたことははっきり覚えているけど、当時は単に授業の内容として聞いただけで、思い当たる記憶も特になく、感想らしい感想を抱かなかった。 私がそういうテーマを扱う作品を見て思うところが出てくるようになったのは、たぶん社会人にな

【感想】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」、今日買って今日読んでしまいました。 もともと社会階層の話に敏感になってはいましたが、それがなくても一気読みしただろうなというくらい面白い本でした。超おすすめです。 イギリスの階級社会というのがどういうものなのか、移民が増えるとどういう問題が起こるのか、格差が広がると子どもが育つ環境はどう変わるのか、みたいなことを体感できるようなエッセイなんですが、とにかく読みやすくて面白かったです。 アイルランド人と結婚してイギリスの「底辺

2022.08.24 格差をめぐる炎上を見て

平原さんの真意は正確に知らないので、この方個人の批判はしないが、「恵まれている人が炎上する」は、軽い順に の2段階あって、今回炎上した方は①っぽく見えたのかなと思っている。 ここでいう「恵まれている」というのは、「自分が努力せずに手に入れているもの、悩まずに済んでいること、スキップできている苦労がある」ということなので、たしかにそもそも自分で気づくのが難しい。 「それを当然のものとして持っていない人の存在」を明確に認知して初めて気づくのが普通な気がするので、同質な人に囲

“無敵の人”、おしゃれ、適応

「まなざしの地獄」読了。感銘を受けるあまり、この本を紹介していた人(Twitterでフォローしてるだけの人)にお礼のメッセージを送ってしまった。 「日本の社会学の古典」として紹介されていて、読んでいる間はそうなの?と思ったけど、解説まで読んだら納得した。(わざわざ難しい単語や漢字がでてくるあたりもたしかにそういう本っぽく、読みにくかった) この本は今で言う「無敵の人」が生まれる背景を社会構造や統計と絡めて読み解いている。68年に実際に起こった事件の犯人(N・N氏)の人生を

「搾取」が気になる

『搾取』が自分にとってキーワードになっているように感じるので、言語化してみる。 私の関心の対象は、身近な人間関係(家族、友人、パートナー、職場)や、企業‐消費者間の搾取あたりがメインかなと思っている。 なぜ他のことではなくこれが引っかかるのか、どういうものだと思っているかを整理したい。 私の課題感、仮説 誰でも持っている関係性の中で、かなり当たり前のように搾取は起こっている。というか、バランスの取れていない人間関係の方が多そうな気もする。 なのにそこは科目として教育を