見出し画像

【徒然なる儘に】情熱が欲しい

寝ている時間以外はずっとロックを聴いていた。
ロックはいつも、わたしの日常と共にあった。

音楽を愛していた。

おそらくうつを発症し始めてからだろう、音楽を聴けない時間が出来るようになった。

初めは聴けないこと自体が地獄のように辛かった。

長いと半年間、わたしは音楽を聴く気力を失くす。

回復したら、また元通りロック漬けの日常を送る。

また気力を失くす、回復する、また…

発病と回復の繰り返しの年月で、次第に音楽が離れていってしまったように思う。
きっとそういうことの繰り返しに疲れたのだろう。

わたしは回復しても、もう前みたいにロックを聴かなくなった。
音楽を聴く習慣をすっかり失くしてしまっていた。

最後には、あれ程使い込んでいたSpotifyを、お金の無駄だからと解約してしまった。

だけど、今ごろになって不安になってきたんだ。

ロックじゃない自分は自分ではないはずじゃない?

自分は誰なのか、生き様を失ってしまったのか?

自分が自分ではなくなってどのくらい経ったのか?

ロッカーから卒業することは、今なら難しくない。

けれどそれでは今までの人生は何だったんだろう?

ロックに賭けた数十年の月日はなかったことにならないだろうか?

わたしは、それはあまりに悲しいことだと思った。

情熱が欲しいと思う。

あのロック全盛期みたいな若い情熱は無理だとしても、せめてこの冷めた心に再び熱意が欲しい。

でも、どうやって?

カッコよく生きた自分とカッコよく生きてく自分。

わたしにはやっぱりロッカーしかないと思うんだ。

だから、情熱が欲しい。

全てを病と年月のせいにするような、無様な生き様じゃなかったはずだよ。

そんなカッコ悪い自分は好きじゃない。

うん、こんな勝気な自分はいいと思うから、自分に憤るのは悪くないかも_φ(・_・

情熱がないのは歳のせいだとか認めないよ。

認めたら何かが終わるような気がするから。


ボクの情熱知りませんか?

行方不明になりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?