見出し画像

腸活といえば「食物繊維」というイメージが強いですよね!
第6の栄養素として、認知されている方も多いのではないでしょうか?

実際は、どのような働きをしているのか?
今回の記事は、食物繊維の理解が深まり、どのように摂取していくと良いのかが分かるような内容をお伝えしていきます。


食物繊維の種類

ご存じの方も多いとは思いますが、食物繊維は大きく分けて2種類あり、水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維に分かれます。


1.不溶性食物繊維

まず「繊維」といって皆さんがイメージするのは、おそらくこちらかなと思います。
水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のかさを増やし、物理的なお掃除をしてくれる働きを持っています。

例えば、脂質の吸収に必要な胆汁は「コレステロール」から作られるのですが、胆汁の一部は腸の粘膜で吸収された後に再利用されているため、腸はコレステロールの代謝にも関係しています。

不溶性食物繊維は、余分なコレステロールや古い油、腸内の汚れをからめて物理的に外に出してくれるので、コレステロールを気にされている方にもとても重要です。


2.水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、実はかなり重要な役割を担っていて、これには腸内細菌が関わってきます。

水溶性食物繊維が腸内細菌によって分解・発酵すると、短鎖脂肪酸が作り出され、これが腸にとって、とても有益な働きをしてくれます。

以下の2つは、短鎖脂肪酸の基本的な大切な働きです。

①腸の蠕動運動を活発にする
②腸の粘液の分泌を増やす

腸の粘液が少ないと便がスルっと出ないので、分泌が増えると便を出すのに役立ってくれます。

便秘で悩んでいる方や、腸に不調のある方は、特にこの水溶性食物繊維を意識してみてほしいです。

また短鎖脂肪酸は、腸の細胞・粘膜のエネルギー源にもなったり、腸内細菌が短鎖脂肪酸を作り出す過程で一部のビタミンも産生したりするので、物理的な便通以外の観点でも、水溶性食物繊維を摂ることは大切です。


食物繊維を多く含む食材

重要な働きをもつ食物繊維ですが、ほどんどの人が食物繊維不足と言われています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、女性18 g以上、男性21 g以上(ともに18~64歳の場合)を食物繊維の1日の摂取目標量として定めていますが、国民健康・栄養調査によれば、男女問わず全ての年代で不足しているとの報告もあります。

普通に食事をしているだけだと、最も不足する栄養素であり、なかなか摂れていないのが現状です・・・

不溶性食物繊維は、穀類、野菜や果物、豆類、キノコ類などに、
水溶性食物繊維は、海藻類、こんにゃく、りんごや柑橘系の果物、大麦やライ麦などの麦類に、多く含まれています。

例えばごぼうなどは、食物繊維の代表格であり、繊維質なので不溶性食物繊維が多く含まれるイメージですが、実は水溶性食物繊維も含まれています。(その割合は、ほぼ1:1です!)
このように、両方の食物繊維を兼ね備えている食材も多くあります。


食物繊維を摂取するときのポイント

消化力が弱い方は、単純に食物繊維を取るだけだと、逆にお腹が張って便秘になってしまったりと、胃腸の不調につながってしまう場合があります。

そういった場合は、野菜は生で食べずに火を通すなど、摂取方法にも気をつけて頂きたいです。
柔らかく煮込んだり、スープにすると物理的に繊維が壊れますし、食べる量も含めて、ぜひ自分のお腹の声を聞きながら、試してみて下さい^^

きちんと分解できるかどうかは、自分の腸内細菌によって変わります!

腸に良いと言われていることは、意識してやっているのになぁ…
と感じている方は、まずは自分の腸内環境はどうなのかな?と、立ち止まって考えてみましょう。

食物繊維を摂ると、これまでお伝えしてきた通り、便秘が解消されたり、腸内がキレイになるメリットがありますが、逆に摂っても不調な時は、自分のお腹の判断材料にもなります。
繰り返しにはなりますが、ほとんどの方が不足しがちですので、まずはどの方にも食物繊維を意識して頂き、自分の状態をチェックしてみて頂きたいです。


食物繊維のサプリメント

食物繊維がどうしても不足がちだけど、忙しくてなかなか意識して摂るのが難しい方などは、ライフスタイルに合わてサプリメントを取り入れるのもおすすめです。
いつもは平気だけど、何だか今日は便秘で調子が悪いな、という時だけサプリメントを摂ってみるのも良いと思います。

ちなみに、病院で処方される下剤などは、一時的に便を出す、というような対症療法が多いので、食物繊維を補って短鎖脂肪酸を作ったり、腸の粘膜・細胞を整えてくれるわけではありません。
下剤はレスキューとして使って頂くのが、効果的と言えます。

また、クリニックで問診などをすると、すでに食物繊維のサプリメントを取っている方も多く見かけます。
食物繊維は食後の高血糖を抑えてくれ、メタボや糖尿病などの慢性疾患の予防にもなりますので、便秘などの不調がなくても積極的に摂って頂きたいです。

短鎖脂肪酸は、免疫や炎症にも関わっており、最近注目されているトピックスなので、また別の記事で詳しくお伝えしていきたいと思っています◎

次の公開も、楽しみにお待ち頂けたら嬉しいです✨


自己紹介記事はこちら

<経歴>
滋賀医科大学卒業後、
形成外科・皮膚科勤務医・美容クリニック院長を経て
自身のクリニック「Maiko Holistic Skin Clinic」を開院。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?