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タブレット学習で、簿記の勉強につきまとう大量の紙とさようなら

簿記の勉強中、私が「なんとかならないか」と常にモヤモヤしていたのが「紙の管理」でした。

その紙をスッキリ無くし、かつ、お勉強も効率化、余計なストレスなしの状態で半年勉強し、無事日商簿記1級(161回)に合格することができました。

合格しないでnoteに書くのは説得力がないなと思っていましたが、今回無事受かったので、簿記学習のペーパレス化について書きます。


簿記三級、二級を取得し、8年ほど経って独学で一級に取り掛かりました。
仕事、子育てで思うように時間は取れませんでしたが、
勉強時間は1年365日×60%(サボりがち)×1日2時間=440時間くらいでしょうか。


簿記は紙との戦いだった

私の簿記一級学習は4年間の冬眠を挟んでいます。
勉強期間A(半年)→不合格→諸事情で4年間冬眠→勉強期間B(半年)→合格
Aの勉強期間はペーパレスを実施していませんでした。

簿記の答案用紙は、特に商業簿記は、財務諸表形式になっていることがほとんどです。
問題集での演習は、問題集に付属している答案用紙にシャーペンで書いて、繰り返し解くために消しゴムで消して、書いて、消して…

過去問を解くときは、過去問題集に付属している答案用紙データをコンビニで印刷(家にプリンターがない…)、大量の紙を仕分け、解いたら計算用紙と一緒にファイリング。
ファイルはすぐにパンパンです。

そして過去問二周目に入る時はまたコンビニへ行って、同じことを繰り返す。
正直、コンビニでの印刷作業や紙の仕分けをしないといけないと思うだけで、過去問をもう一周やるのが嫌になります。

さて、丁寧にファイリングした使用済みの過去問答案用紙と計算用紙、もう一度見返すでしょうか。
私は見ませんでした。紙をめくって探す手間がとても大きいからです。

でも、後にペーパレスでやってみて、それら(特に計算用紙)は絶対に見返すべきものだとわかりました。
自分が以前に過去問を解いた時にどこをなんで間違えて、それに対してどう学習したのか、次解く時にどう成長したのか一目でわかります。
必要な時にすぐ引き出すべき、自分だけのデータベースなのです。

ちなみに私は試験会場での直前見直しも、自分が解いた過去問計算用紙を眺めていました。
たぶん紙でやっていたなら、会場に紙の束を持っていく気になれなかったのでできなかったことです。


簿記学習をペーパレス化するメリットとデメリット

メリット

●紙の管理がなくなる

●見直しの時、データの検索、引き出しが簡単になる

●テキストやインターネットからデータを取ってきて、自分だけのノートが作れる

デメリット

●紙の計算用紙の面積感でちょっと迷う

●紙でやるときも「戻る」ボタンを押したくなる (笑)

試験の直前期には、何度か紙で解く練習もしましょう。

簿記は過去問が命でした。
過去問題集2冊、全20回分くらい用意して、何周も何周もやりました。
6周解いた問題もかなりあります。
点数に推移を記録して、できるようになった、できなくなった(忘れた)、捨てたほうがいい問題、等分析しました。


簿記学習をペーパレスにするために必要なもの

ここからは具体的にどのようにペーパレス化したか書いていきます。

4年の冬眠後、もう一度簿記一級に挑戦したいと思った私は、勉強を始めるより先にペーパレスにする方法を検討しました。
むしろペーパレス化できなければ、簿記の勉強には戻らないくらいの気持ちでした。(ペーパレスおばけです)

そこで購入したものは3つ。

●iPad (多分第8世代)10.2インチ

答案用紙と計算用紙をタブレットに入れ込んでしまいたかったので、思い切ってiPadを買いました。
従来、A4の用紙を使っていたし、しかも答案と計算用紙を入れ込むのに10.2インチで足りる?と思ったのですが、後述しますが使い方を工夫しますので、特に大きさは問題ありません。
iPad以外のタブレットでも使えるかと思いますが、例の「工夫」はiPadでしか試していないので、もし違うタブレットをお持ちの方は、同じような使い方ができるかどうか研究していただければと思います。

●スタイラスペン (パームリジェクション機能付き←重要!!)

スタイラスペンはいわゆるタッチペンですが、先が鉛筆のように細くなっていて、スラスラかけるペンです。
3,000円くらいでした。
パームリジェクションというのは、ペンを持つ手をタブレットの画面に置いても誤動作が起こらない機能です。
アナログで描くのと同じ感覚で書けます。
私は最初間違えてパームリジェクションがついていないものを買ってしまい、画面に手を置くと書けなくてガッカリしたものです…

●アプリ「GoodNotes5」

アプリ「GoodNotes5」はノートアプリです。
いろいろなノートアプリがありますが、こちらが大変便利です。
グッドというか、もはやゴッドです。私は勉強以外、仕事でも重宝しています。
私がダウンロードしたタイミングでは960円でしたが、今は機能限定版が無料で使えるとか。

あと、書き心地を紙に近づけたい人は、「ペーパーライクフィルム」をタブレットに貼るのがおすすめです。

これでモノの準備は完了です。


なにをどうやってペーパレスにするのか

上でも書きましたが、ペーパレスにするのは問題演習、過去問演習時の答案用紙と解答用紙です。
(私は、テキストも電子書籍版出ているものを選んでタブレットに入れ込みましたが、種類が限られるため要検討です。)

実際の勉強机の上がこんな感じです。

私の勉強時間は朝4時〜2時間、簡易デスクライトのみ点けてやっているので薄暗いです…
この画面は、試験日当日朝にやった最後の過去問です。


タブレット横置きで、画面を2分割し、答案用紙と計算用紙を表示しています。
この状態で、左右どっちの画面にも自由に書き込みができます。

①答案用紙
たぶん今は、大体の問題集では答案用紙のPDFがダウンロードできるようになっていますので、それを落としてGoodnotesに取り込んでいます。

②計算用紙
このサイズだと小さくて書くにくいですが、タブレットなので、書きやすく拡大して使います。
後述で詳しくお見せします。

画面の分割方法ですが、iPadの場合「Split View」という機能を使います。
(iPad第8世代は対応しています。その他機種の場合は類似機能がないかご確認ください)

Goodnotesで答案用紙ページを開く

画面最上部中心の「…」をタップする


既存ウインドウが小さくなるので、再度Goodnotesアイコンをタップして、Goodnotesをもう一つ立ち上げる

これで独立したGoodnotesが二つ立ち上がった状態です。
他にも、Goodnotes +ブラウザ→調べた内容を自分なりにまとめたりできます。


計算用紙の使い方

さて、簿記の過去問演習では、問題用紙に決算整理前の残高試算表等があり、そこに書き込みをしながら解く、という方がほとんどだと思います。
今回、問題用紙はペーパレス化していませんが、問題用紙にシャーペンで書き込んで、もう一回やる時は消す…なんてことはしません。
すべてタブレットに取り込んで、書き込みをします。

計算用紙を一枚載せてみます。

字が汚くて恥ずかしいですが、計算用紙なんてみんなこんな感じですよね?
ちなみに、タブレットだから書きにくくて字が汚い訳ではなく、私は元々字が汚いのです。(涙)


左上に、問題用紙に記載されている決算整理前残高試算表をカメラで撮影して貼り付けています。
(撮影→貼り付け、トリミングもGoodnotes上でできますので簡単です)
メインの表は問題を解き始める前に貼り付けて準備しますが、問題用紙に書き込みたくなったら、その都度カメラで撮影です。

これで、毎回消しゴムで消す…という手間はなくなりますし、上にも書きましたが、問題用紙への書き込みも毎回残すことができ、後々見返せば活用できるデータになります。


データの活用方法

簿記の学習では過去問を繰り消し解くことが鍵ですが、解いた過去問を貴重なデータとして活用する方法を載せます。

Goodnotesの機能を活かせば、答案用紙や計算用紙が自分だけのテキストになります。

●アウトライン(もくじ)をつけておく

主な論点をアウトラインの名称にしておけば、「あれはどうだったかな」というときにすぐに引き出せます。
これは私の商業簿記・会計学の過去問演習のアウトラインです。
苦手な論点がバレます。
本試験会場での見直しも、このアウトラインから見ておきたいところを選んで眺めていました。

私はいつもiPadをダークモードで使っているので黒背景ですが、通常モードだと白だと思います


●検索を活用する

Goodnotesは検索が優秀です。
手書き文字も検索で引っ掛けてくれます。

試しに「包括利益」で検索してみると

こんなに汚い字なのに、しっかり拾ってくれています。
アウトラインをつけていないけど、「あの論点、第何回の過去問に出てきたっけ」と思った時に活躍します。


終わりに

ここまで私の汚い字のノートを見ていただきありがとうございました。
少しでも、簿記検定の合格を目指す方の参考になれたなら嬉しいです。

最初に書いたように、紙の管理が嫌すぎて、ペーパレス化できなければ簿記の勉強はしない!と決めていた私も、なんとか一級に合格することができました。
(10年早く生まれていたら、私はどうなっていたのでしょう)

今の時代、家で簡単に受けられる通信講座もありますし、Twitterで同じ目標の方と交流できたりして、本当に便利です。
文明の力を大いに活用して、私はこれからも勉強を続けます。

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