見出し画像

世界でいちばん貧しい大統領〜愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ〜

彼の言葉が大好きで来日の時の特番の録画はもちろん、その言葉を集めた本も買って持っているホセ・ムヒカの映画が始まると聞いて、ひと足早く見せてもらった。3/28(土)〜名演小劇場で公開の「世界でいちばん貧しい大統領〜愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」。

タイトルが絶妙。彼のゲリラ活動時代から大統領を引退して今どう過ごしているかという長いスパンを描く中で、特に彼の人生の「愛」と「闘争」の面にスポットをあてた映画だった。

ゲリラ活動により刑務所に収監されていたムヒカは100人の仲間たちと史上最大の脱獄に成功。それはギネスブックにも記録された。その後、ひどい拷問にも耐えながら13年近く刑務所生活を送り、解放されたのは49歳の時。解放後は、国会議員をつとめ70歳で結婚。大統領になったのは75歳のことだった。

給与の9割を寄付し1ヶ月10万円で生活していたことや、ブラジルで開催された「国連持続可能な開発会議」でのスピーチ、ノーベル平和賞にノミネートされたことなどが彼の有名なエピソードとして知られているけれど、その施策や言葉が生まれたのは若い頃の壮絶な獄中生活があったからこそなのだということを痛感した。

そんなムヒカは今、終活をしている。自分たちには子どもがいないからと、遺産で学校を作っているのだ。「学校ひとつで世界は変えられないが、世界を変えるためにはたくさんの学校が必要だ」なんて言葉を口にしながら。あぁ、やっぱり彼の発する言葉はどれも素敵だ。

特に好きだったのは「大富豪のように800億ドル持っていたら?」と聞かれた時の言葉。その答えをメモするために、映画を見る時にはノートとペンを持って行くのもいいかもしれない。そんな風に「言葉」を映画の中に残していくことはまた彼の終活のひとつだったのかもしれないな。

画像1

3/28(土)〜名演小劇場で公開予定。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?