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違和感

テレビアニメ 「オーバーテイク!」 第9話。

正直、設定の是非は兎も角、個人的には大きな違和感を感じずにはいられませんでした。

オリジナルアニメでありながら、敢えてピンポイントでそれを盛り込むんだなと言った、そんな感じです。
無論、最大限丁寧に描かれていましたし、ブラックバックの特殊エンディングでもありましたから、不快感と言う訳では無いのですが、やはり唐突感と違和感だけは残りましたね。
いや、序盤の段階で、設定自体は明らかになっていて(既に違和感)、唐突感は既にありました。

何故に、その選択だったのか、バックボーンもわかりませんが、少なくとも必然性は理解出来ませんでした。
奇しくも、オンエアされているTOKYO MXでの前枠が、「MFゴースト」(イニシャルDの続編)と言う公道レースアニメで、エンターテインメントに振り切った作品だけに、対照的な情緒的な作品ではありますが、とても勿体無い印象がとても強かったです。

写真家の苦悩で言えば、ベトナム戦争での写真家の沢田教一さんの『安全への逃避』や、同じくフィン・コン・ウトさんの『戦争の恐怖』(ナパーム弾の少女)を思い浮かべていました。
因みに、写真家のお二人共にその写真で、ピューリッツァー賞を受賞した訳ですが、撮影後は手を差し伸べて、被写体となった方々もご存命でありますね。

一応、作品内では写真撮影に関係無く、救助は不可能な状況でありましたし、結論としては、撮影では無く"公開が間違っていた"でありましたから、その点では悪くは無かったとは思います。
全く批判する意図はありませんが、率直な疑問と言うか違和感があったと言う話でしかありません。
特に記事を書こうとも思わなかったのですが、こうして記事にしたのは、"公開するべきでは無かった"と言う部分が印象深かったからです。

今となっては、事件事故現場に於いてスマホを向けて撮影する人間は珍しくありませんし、SNSサイトで公開して炎上案件となる事も、日常茶飯事であります。
そうした風潮に対して、考えさせられる台詞でもありました。
尤も、大震災当時にテレビでは、ライブで津波映像を垂れ流していた訳ですから、未曾有の大災害だったとは言え、強烈な皮肉にも感じられました。

とは言え、この作品で未曽有の大災害を取り扱う意義や必然性は、やっぱり理解不能ではあります。
例え、今後の物語に大きな影響を及ぼすエピソードだとしてもです。
被災地支援の側面があるとするならば、宮城県にはスポーツランドSUGOと言うサーキットもありますし、やり様は幾らでもあったでしょう。

ホント、作品として勿体無いと言う意味で、画竜点睛を欠いてしまった様でもあり、丁寧に描かれていたこその、複雑な気持ちではあります。

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