中国ドラマを楽しむための小ネタ (3)
Derailment - 脱線 編
今日は知ってて見ればもっと楽しい！雑学のお時間です。
実は私、本業がIT関係なものでつい、事前の説明も何もなしに専門用語を使ってしまう癖があります。なるだけ平たく字幕を付けたつもりですが、この辺り一般語なのかどーか微妙？
ということで、補足解説しますねっ（ごめんなさーい）
IT用語編
網紅 (ワンホン)
インターネットの動画投稿やライブ配信をメインに活動するインフルエンサーのこと。
網はインターネットのことで、紅は人気者の意味です。
インフルエンサーとは、人々にInfluence (影響) を与える人々のことで、タレント、アイドル、ファッションモデル、専門家、作家など、人々の判断や思考、購買活動に大きな影響力を持つ一般人やブロガーなどを表します。
[ インスタグラムのインフルエンサー ]
1. クリスティアーノ・ロナウド（6億3千万）
2. リオネル・メッシ （5億）
3. セレーナ・ゴメス （4億2千万）
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1. Jackson Wang（3千万）
2. Lay Zhang（1.4千万）
3. 鹿 Han（1.2千万）
[ TikTok ]
1. カビー・ラメ（1億6千万）
2. チャーリー・ダメリオ（1億5千万）
3.ベラ・ポーチ（9千万）
[ Weibo ]
1. 謝娜（1億2千6百万）
2. 何炅（1億1千8百万）
3. 楊冪（1億1千4百万）
江暁媛 (ジャン・シャオユェン) はネットカフェの求人と間違えて、網紅のオーディションの列に並んでしまいました。歌もダンスもダメだけどルックスがカワイイからと見事採用！
後日、メイクアップの広告のために実際、彼女は動画を幾つもポストして人気のインフルエンサーになりましたね
SIMカード
携帯電話回線で通信・通話を利用するために必須となるICチップです。加入者を特定するための契約者情報が記録されており、これを電話番号と結び付けることで通話やインターネットの接続ができるようになります。機種によってはSIMカードを差し替えるだけで別のモバイル機器を使用できるようになります。
海外に出かける際はその国のプリペイド式SIMカードを購入して使う方もいます。
サイズや機能に違いがあるので対応のSIMを選ぶ必要があります。
祁連 (チー・リェン) は 尚励 (シャン・リー) に、暁媛と自分が持っていた携帯電話のSIMカードの開通情報を調べて貰おうとしました。現在ではSIMカードは必ず開通時に身分登録が必要ですが、10年前はそうではなかったそうで、結局誰が携帯電話を契約したかはわからなかったみたいです。 (中国)
現在では、詐欺などに使われる飛ばし携帯の問題などもあるので、多分全世界において音声通話ができる無記名SIMカードは販売されていないのではないかと思われます。多分。
ハッカー
本来、ハッカーとはコンピューターについて高度な技術や知識を持つ人のことを言いましたが、日本においては、最近ではサイバー攻撃や詐欺を行う、ITを悪用する人や団体を指すことが多いようです。
海外ではブラックハット/ホワイトハットと呼び分けたり、クラッカー、アタッカーやスクリプトキディなど別の呼び方で悪意を持ったハッキングをする人を呼び、区別しています。
実際、ホワイトハットハッカーの存在なしには、現在のIT技術は保たれません。本当に有難い方々です。
祁連は強子 (チャンズ) たちの力を借りて、テトラポット廃棄場の座標を送ってきたメッセージの発信地を調べてもらいましたが、信号からは発信源を探すための情報が見当たらず、ゴミ情報しかなかったのです。
本来、メッセージの経路情報はIPとして残りますが、別の IP アドレスに置き換えたりVPNを使って海外を経由してマスキングされると、元が辿れなくなります。このような通信は通常ハッカーが使う手段だと祁連は暁媛に答えました。
IPの偽装をするサービスの中には、ブラックハットハッカーがハッキングを試す場所となっていたり、そもそも始めから悪意を持って利用を促されていたり、IP偽装が理由でクレジットカード詐欺の補償が断られたりする場合があるので、理解しないで使うのは危険です。どうしても必要があって使う際は、きちんと仕様を理解して安全なサービスを使いましょう。
基地局
基地局は受け取った電波を光や電気の信号に変えて、ケーブルを通して交換局に送り、交換局から送り先の基地局へ信号を送り、基地局は再びそれをモバイル機器に発信します。つまり、データを受け取るアンテナと、交換局から送られたデータを送信する送受信機を使って中継する役割を持っています。
祁連は自分の持っている電源の入らなかった携帯電話に突然、座標が送られてきたことが不思議でした。もしも誰かがそれを送ったとしたら、基地局を介するはずだから、なにかしらの情報が残るはずだし、それがもし時空を超えてきたとしたら、最初に届いた基地局はどこなのか、知りたかったのですが、手がかりが見つかりませんでした。
GPSロケーター
位置を特定するための装置を示します。自動車などに設置して位置を追跡したり、盗難防止や配車システムに使われたり、移動制限をかけられた人物や車などが、制限区域に侵入した際に警報を発するような仕組みに使われる場合があります。
二人が持っていた携帯にはGPSロケーターが仕込まれていました。しかも、暁媛の方のロケーターは現時点でも信号を発しています。彼女の動向を秘かに探りたい人物がいるという証拠でした。一体だれが仕掛けたのか、製造会社の北辰電子に販売先を調べに行ったところ、販売先の資料は盗まれ、データも削除されてしまいました。
リバースエンジニアリング
製品や部品、アプリケーションなどを分解したり解析して、その仕組みや仕様、技術や設計を明らかにすることを指します。ソースコードなどを解析することによって、類似の製品を作り上げたり、企業秘密を盗み出したりすることにつながるため、著作権などの違反に問われる場合があります。
強子は暁媛の位置情報の送信先をリバースエンジニアリングで解析しようと試み、成功しました。二人は、受信機を持つ人物の後を追いますが、察知されて逃げられてしまいます。
ウイルス
ここではコンピュータウイルスについて説明します。不正に他のアプリケーションなどに感染し、自己複製しながら他のデバイスやアプリケーションなどに拡散する機能などを持ったコードやソフトウェアです。拡散をせず、秘かに潜伏しバックドアを作ったり、感染した本体は大きな影響を受けないけれど、DDoS攻撃を特定の団体に向けて行うボットとして使われたりなど、使用者にとって不利益な、意図しない動作をするプログラムの総称です。
霍柏宇 (フォ・ブォユウ) は祁連を、彼の開発したゲームのシステムに潜り込んだウィルスだと思い込んでいました。ウィルスを退治しないと、自分が元居た世界に戻れない、暁媛共々殺されてしまうと信じています。
パラメータ
何かに情報を受け渡す際に毎回一意ではない別の変数が渡される仕組みの、変数のことを言います。引き数ともいい、処理結果に影響を与える外部から投入される変数のことです。
内部の構造を変えることなく、引き数を与えることによって色んなパターンの状況を作ることができます。
電卓で1+2を計算させるときの1や2がパラメータで、これが他のどんな値に変わっても同じように+の右と左を足し合わせることができます。
屋上で許靖陽 (シュ・ジンヤン) は誰かと電話でパラメータを調整する必要があると話していました。信号をどれくらいの強さで何分送る、とかそういう変数をどう調整するかの会話だったのかもしれませんね
脆弱性/パッチ
アプリケーションやシステムで、設計の不備やミスなどから、意図しない動作を起こしてしまうセキュリティ上の欠陥を言います。パッチとは、システムに対して、ツギハギとか当て布のようにあてがう、大改修することなくバグの修正や機能追加などを行う簡易的な修正プログラムのことをいいます。外部から侵入できるポートがあれば、そこを閉じたり、そこを特定の変数が通過することで思わぬ誤動作を起こすときに、その変数が来たら別のルートに導くためのコードを追加したりします。
許靖陽は同じ電話の会話の中で、パラメータの調整は大した問題ではないけれど、脆弱性の方は、深刻でパッチが必要だと会話していました。脆弱性があると、外部からの攻撃で思いもよらない事態に陥ったり、情報が漏れたり、とにかく困った事態になるので、急を要すると言っていました。
ブレイン・マシン・インタフェース
脳と機械を直接接続し、脳波を読み取って情報の伝達や操作を可能にしたり、逆に電気信号によって本来は目や耳などの感覚器で収集する情報を、帰還を介することなく機械から脳へ情報を伝えることを実現する仕組みの総称です。
前者には義手や義足など代替機能に脳波や筋電インターフェイスによってとらえられた信号を送り、意のままに動かしたり、動作を補佐したりするものがあります。
後者には外部の音を電気信号に変えて聴覚神経に刺激を与えることで、耳の機能が衰えたり欠損した人に音を聞こえるようにする人工内耳などがあります。
灯台システムの睡眠カプセル、またはノアの方舟のゲーミングカプセルは、ある種のブレイン・マシン・インタフェースとして、脳に直接刺激を与えてうつ病を治療したり、記憶を上書きしたり、リアルなゲーミング体験を与えるものとして開発が進められています。
モジュール
必要に合わせて一定の機能を持つよう組み合わせられた複合部品のことです。
例えばコンピュータの基盤には計算や記憶をさせる機能や、それに接続するためのポートだけでなく、電気信号を一定の方向に流し続ける機能や、過電や過熱を起こさず、正常に動作するためのセンサーやリミッターなど保護装置が組み合わされ一つのパーツを作り上げています。
暁媛は灯台システムの実験の最中に、研究員から、記憶モジュールに影響を与えるので怪我をしないよう注意を受けますが、彼女はこれがVRゲームのベータテストと聞かされていたため、なぜ記憶に関わるモジュールが必要なのか疑惑を覚えます。
バグ
バグは虫という言葉ですが、ITの世界ではプログラムの誤りや欠陥を表す用語として使われています。誤りや誤植があると、処理が正常に動作しなかったり、動作が不安定になることから、システムのテスト時にバグ出し（わざとユーザーがやりそうな誤った操作をして、不具合が出ないか確認する）や再現、バグ潰しなどをして、安定したシステムになるよう努めています。
研究員の一人は、灯台システムの記憶移植モジュールにバグがあることを認識していますが、その欠陥をどう修正していいかわからず使い続けており、このまま実験を続けるのは危険ではないかと懸念しています。そんな怖い人体実験イヤですよね…
システムアップグレード
セキュリティ向上や機能追加のために、既存のシステムに追加のコードや変更を上書きして行うシステムアップデートとは異なり、完全に新しいものに置き換えることを言います。改善ではなく、交換のような大きな変更を指します。
事故を起こした車を板金でデコボコを修理するのではなく、思い切って部品ごとより性能の良いものに交換してしまう、何なら新車に買い替えるようなイメージです。
范筱筱 (ファン・シャオシャオ) はシステムのアップデートやバグの修正では問題が解決しないことを知っており、暁媛のデータを用いて、システムを大きく進化させたアップグレードを期待しています。そのために、彼女のチップをいち早く手に入れ、研究開発に使いたくて仕方がありません。そのために、暁媛が臨界点を超えることを期待して、わざとショックを与えようとしました。
コアコード
多分、このドラマで使われている造語なのではないかと思いますが、ソースコードの中で中核になる、重要なコード群を指していると思います。私が知らないだけで本当にそういう言葉があったらすみません。
灯台システムの最も重要な、記憶を脳に送り込むための電気信号の送信方法や、その時の脳波をモニタリングして調整するための仕組みが綿密に設計されているコードなのではないかと想像します。
范筱筱はその重要なコードを諾亜 (ノア) の許可なく盗み出し、ノアの方舟に移植したとされています。また、諾亜 (ノア) は死を目前にして、コアコードの中に誰かがシステムを悪用した時には、警告が行われるようにコードを追加しました。
脱線 の視聴方法
こちらから、EP2までは非VIPの方でも無料で視聴可能です。
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楽しいご視聴を！
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