11.株主になった

 ずいぶん前に、株始めましたって記事を書いたんだけども。

　この記事の後半で、実際株を買って、チャートを眺め、1000円ほどの利益が出たよって書いてあるんだけど、その後も値動きを随時確認しながら、もうちょっと利益が出たところで売った。でも、これはただの「トレード」であって「投資」ではないから、近いうち株の長期保有をしてほんとうの「投資」を始めたいって思ってた。

　それで、どこの株を買おうかなって悩んだ末、やっぱりあそこだよねって買ったのがキングジムの株。言わずと知れた大手文具メーカー。

　わたしはキングジムのpomeraを愛用している。テキストを打つことしかできない、ネットもメールもできないこの道具が好きで好きで、まあキングジムって言ったらキングファイルとかテプラとかが有名だけど、最近はヘンテコな電子文具がたくさんあって、そのどれもがいちいちわたしの心をグッと掴んでくる。ちょっと前には文具メーカーにも関わらず、小さく折りたためるパソコンを発売したりもした。

　その社風がおもしろくて、新商品の開発をして、実際に販売するかしないかの会議にかけるとき、発売決定は参加者の過半数の賛成をもって決定じゃなくて、10人いる役員のうち、ひとりでも賛成すれば決定っていう方式をとっている。(たとえ社長が反対であっても)

　100人いたら100人が「悪くないね。いいんじゃない？」と考える商品より、100人のうち10人でも「どうしても欲しい！」と思うようなニッチな魅力を大事にしてるんだって。

　わたしには、新しいものを作り出す発想力なんてないけど、この会社に自分がもし勤めていたなら楽しそうだなって思った。そりゃあ、仕事は楽しいことばかりじゃないけど、100点満点を狙わなくても報われる可能性があるなら、やりがいは大きいなって。

　だから、わずか100株だけど、キングジムに投資した。いつまでもこんな風におもしろい会社であって欲しいなって思って。応援したいがための株購入なので、すぐに売却するつもりはない。

　おおスゴイ。わたしはキングジムの株主になったのだ。

　株主なんて言葉は遠い世界のことだと思ってたんだけどな。そして、あっという間に数ヶ月が過ぎて、こないだあるものが届いた。

　「株主総会招集通知書」

　つまり株主総会への招待状だ。

【株主総会】
株主を構成員とし、株式会社の基本的な方針や重要な事項を決定する。
(wikipediaより)

　株主であるわたしは、キングジムという企業の方針について決定する権利を有するということだ。総会に出れば、そこではきっと事業報告やら、今後の計画やらの説明を受け、重要な事項に関しては意見を求められるのだろう。

　行きたい。けどあいにく日程は平日。会場はもちろんトーキョー。無理だなあ・・・でも、会に出席できない株主のために、この案内には「議決権行使書」というのが同封されていて、当日議決をする事項について賛否を書き込み返送できる。議決事項については同封の冊子に詳細が書いてある。

　一介のサラリーマンが有名企業に意見できるなんて畏れ多いことだけど、もらった冊子を熟読して、きちんと議決権を行使しようと思う。緊張すんなー。