8.時間をお金で買っている

 すっかり出遅れた。

 新年を実家で過ごすべく、JRの指定券を買いにみどりの窓口に行ったときのことだ。指定券の発売は乗車の1か月前からだったから、その日から2日も空けずに行ったのに、既に希望する日はいっぱいだったのだ。

 ホントは30日に地元へ帰り、新年2日に札幌へ戻ってきたかったのだが、第二希望、第三希望も通らず、結局、往路29日、復路元旦という何しに帰るのかって日程になってしまった。これではまるで大掃除のために帰るみたいではないか!(しないけど)

 JRの切符争奪競争、こんなに壮絶だったっけか?

 というのも、JRで帰るのが随分と久しぶりだったので、切符を買うタイミングとか、どのくらいで売り切れるとか、そこらへんのことはすっかり頭から抜けていたのだ。

 この数年は、帰省のときは飛行機で移動していた。わたしの地元は札幌から500キロほども離れた場所にあり、直行バスで帰ると片道8時間、JRでも片道およそ6時間もかかる。北海道の広さをなめてはいけない。さすがにそんなに長い時間乗り物に乗るというのは最近はつらくなってきたのだ。とてもしんどい。

 だから、多少お金はかかっても飛行機で帰っていた。地元には空港がないので、最寄りの空港からバスに乗り換えということになるのだが、JRの乗り継ぎで帰るよりずーっと楽だし時間も短縮できるのだ。飛行機利用なら4時間ほどで行ける。

 だけど、最近お金のことを気にするようになったから、この飛行機の料金というところを見て見ぬふりをしているわけにはいかんな、と思った。なにしろ、地元ー札幌の往復を飛行機を使ってした場合、乗り継ぎのバスの料金を含めれば、軽く5万近くかかってしまうのだ。今の家賃より高い。多少って額じゃないなコリャ。

 遠いから仕方ないって言ったって、これじゃあ不経済だ。節約して貯蓄を増やしたいなら、やはりここからテコ入れするべきじゃない?

 だから今回からは、またできる限りJRで帰ろうと思ったのだ。こちらは往復で2万ちょっとだ。長い時間乗ることになるので、体はすごくしんどいのだが、背に腹は代えられない。差額はおよそ3万。つくづく、

 時間と手間をお金で買っているのだなと思った。

 もっとわかりやすく言うと「時間の短縮」と「楽チン」をお金出して買っていると言うことだ。

 きれいな景色を残しておくのにスケッチするんじゃ時間も手間もかかるからカメラを買う。計算をするのに電卓たたくのは疲れるからコンピューターを買うってのと要は一緒のことだ。時間を短縮しようとか、楽をしようって思ったら、その時間や手間をお金払って解消する。じゃあお金がなかったら、ある程度の我慢が必要。

 帰省の交通費1回3万の節減は、年2~3回帰るってことを考えると、年6万から9万の節約になるってことだ。なんで今まで見ないフリしてたんだろう。

 そんなわけで、今年は時間かかって体がしんどくても安い、という方を取った。ちょっと、我慢だ。

 それにしても、1年なんてあっという間だなぁ。

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