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家を買う(ヨリミチ3) 電気温水器の恩恵

 新居に越してから、生活コストの面でちょっといいことがあった。

 以前、賃貸マンションに住んでいたときは、光熱費の中でいちばんのウェイトをしめていたのがガス代だった。湯沸かしとガスコンロに使うガスはプロパンだったのでいちばん高い。月の請求はひどいときで15000円ほど。

 逆に電気代は安いものだった。ひとり暮らしで部屋もそんなに広くなく、エアコンもないし、電気つけっぱなしじゃなきゃ寝られないってことでもなかったので、だいたい月3000円くらい。水道は一番最低ラインの分量しか使わないので月に均すと2000円ほど。暖房費は灯油ストーブだったので多くても月4000円程度。

 分譲マンションに移ってからは、この光熱費の割合がだいぶ変わった。ガスは都市ガスで安いうえに、使うのはガスコンロだけなので月1000円くらい(契約の時にガス会社の人が「ここはたぶん月1000円かからないと思いますよ…」と淋しげに言っていた)。暖房は、こちらも灯油なので月4000円くらい。水道は賃貸のときと変わらず。

 だけど、電気代はガンと上がった。なぜか? これまでは湯沸かしがガス瞬間湯沸し器だったものが、電気温水器にかわったからだ。

 電気温水器はもともとマンションの設備として備え付けられていたものだ。これを他の湯沸かし設備に替えようとするとコストが高くなってしまうので、電気温水器自体を新しいものに取り替えることでリノベーションの費用を抑えたのだった。

 これが結構な金食い虫だということは前々から話に聞いていたので、我が家の電気料金は引っ越し後どんだけ高くなってしまうんだか?とわたしは密かに怯えていた。

 電気温水器というのは、わたしがちょっと(実際、多くてもタンクの半分も使わない)しかお湯を使わないときでも毎晩せっせとタンクいっぱいまで注水し沸かし直しをするんで、なんか無駄をしている感が半端ない。毎度の沸かし直しに結構な電気を食うので、賃貸の時は電気代なんぞ3000円あれば足りたのに今は多いときで10000円を超える。3倍以上よ。請求書見るたびにびっくりしちゃうよねえ…。エアコンなしでこの料金だよ。

 でもね、電気代だけ見ると「うわ高っ!」って思うんだけど、光熱費全体で見れば、ガス料金の安さが効いて月5000円以上のコストダウンになってたことに気づいて後にホッとした。

 それに、電気温水器自体はなかなかいいものだ。集合住宅なんかはさ、停電したら水も出なくなるところがほとんどだけど、電気温水器は電気が止まったとしてもタンク内のお湯を使うことができるので災害時にはありがたい存在だ。

 おかげで、これまではガス代にビビってしなかった「湯船に浸かる」ということも集に何度かはできているので、これは本当によかったと思っている。

【おまけ】
 実は、電気温水器を使用している世帯はお得な新電力への切り替えはできない。いま契約している大手電力会社には昔から電気温水器用の深夜お得な電気料金プランというのがあるんだけど、新電力会社にはこれがなく、1kWhあたりいくらの従量制料金プランのみ。

 こないだ新電力会社の人が「電気ウチに切り替えませんか?」って威勢よくお電話をしてきたけど「電気温水器あるんで」と言ったら、「そうですか…」と淋しげに言っていた。なんかごめん。

 一方で今怖いのが、電気温水器を使う世帯がだんだんと減ってるせいなのか、夜間電気プランというのは全国各地の大手電力会社で軒並み新規契約を終了しちゃってることで、このまま行くと、プラン自体が廃止になっちゃうんじゃないかということ。そうなったら電気料金バーンと跳ね上がるかも。電気温水器は最近、ガス会社の出してるエコジョーズなんかに押されぎみのようだから、オワコンと化さないことを祈る。

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