見出し画像

14.財布を出したり出さなかったりした日

 「やっぱり白紙にします」が発動されることもなく、残念ながら本日、ぬるっと消費税が増税されてしまった。ぬるっとって変な表現だけど、消費税が導入されてからもう3度目の増税になるので、慣れたくないんだけどやっぱり少し慣れちゃって「ドカン」とか「ガクッ」と言うよりは「ぬるっと」といった感じなのだよね。諦め? いや、諦めちゃいけないんだけれども、上がってしまったものはしょうがない。

 増税は憎い。本当にわたしたちのためになるのかわからない。軽減税率だの、キャッシュレスポイント還元だの意味がわからない。だけど今更あーだこーだ言ってももう後の祭りで、ならばわたしたちはいつか減税されることを信じて、それまでは消費税10%に耐えて生活をしなければならない。

 連日テレビでは「増税を乗り切るためのお得術」をテーマにした番組が放送され、まあそのほとんどが「スマホ決済は正義!」みたいな内容だと解ってはいたものの、少し気になってちらっと見てみると、うっかり向こうの術中にハマってしまって「ナニコレお得じゃーん!」とテンション上がってしまった。

 とは言え、スマホ決済って怖いよね? この小さな端末の中に個人情報が詰まっているのに、なんかの拍子に流出しない? 大丈夫? って、わたしもそう思ってた。だから「キャッシュレス決済」の便利さはよく解っていたけど、これまで使っていたのはもっぱらクレジットカードやプリペイドカードの類だった。正直、レジでアプリ開いて決済するの手間なんじゃないかと思ってたし。

 だけど、スマホ決済のお得さをこうも見せつけられると使わないわけにも・・・ねえ? それに、決済時に認証を設定することもできるとわかったので、勇気を出して、そしてある意味恥を偲んでひとつだけスマホ決済アプリをインストールした。

 そう。入れたのはあくまでもひとつ。やれPayPayだ、やれLINE Payだと複数のアプリを入れて、ここではこれ、あっちではあれ、とやるのは面倒くさい。みなさんそれぞれにお好みのアプリがあるだろうけど、わたしの場合は楽天とズブズブの付き合い(楽天銀行口座、楽天証券口座、楽天カード持ち)なので、楽天Payをインストールした。

 他がそうであるように、楽天Payも期間限定のキャンペーンをいくつかやっていて、今やっているものの目玉は「楽天Payが使えるところならどこでも5%ポイント還元キャンペーン」。(10/1~12/2。エントリーが必要。ポイント上限3000円)

 キャッシュレスポイントの還元率って使う店舗の規模によって0だったり2%だったり5%だったりと差があるんだけど、それおかまいなしに楽天Payが使えればどこでも5%ポイントが還元されちゃう。おまけに楽天Payと楽天カードを紐付けすれば還元率がさらに1%アップ。さらに、楽天ポイントカードが使えるお店ならポイントカードの提示ポイントももらえてしまう。

 楽天Payがありがたいのは、よく行くドラッグストアやコンビニもこのキャンペーンの対象ということ。道民の憩いのコンビニ「セコマ」も対象だ。ちょっと前まで怖い怖いと思っていたスマホ決済だけど、インストールしたら使いたくてしょうがなくなり、ちょうどドラッグストアで買おうと思っていた日用品がいくつかあったので仕事帰りに寄った。

 入浴剤、クレンジング、汗ふきシートなんかをカゴに入れて、ものすごいドキドキしながらレジに向かった。

 ちゃんとひとりでできるかな・・・・・・。

 しかもそのドラッグストア、楽天ポイントカードも使える店なので、ポイントの二重取りが可能なんだけど、それもちゃんと出来るかヒヤヒヤもの。まず楽天ポイントカードを提示して読み取ってもらい、次に決済画面に切り替え、指紋かパスコードでロックを解除する段階でちょっと手間取ってしまったけど、レジ係の人が優しげな年配の女性だったので救われた。なんの問題もなく決済完了。

 決済後すぐに獲得ポイントが表示されるんだけど、1500円ほどの買い物で15ポイント。あれ足りない! よくよく見るとこれは楽天カードの利用ポイントのみの表示。キャッシュレス決済ポイントについてはおそらく後から付与されるんだろうな(調べてみたらキャッシュレスポイントは12月にまとめて付与されるとのことでした)。ちなみに楽天ポイントカードのポイントも別で7ポイントついたことをもらったレシートで知った。そして気付いた。ありゃ、財布出さずに支払いが出来てしまったから、このレシートの行き場がない。

 レシートは必ずもらう主義なので、これまでは財布の中に入れてたんだけど、財布をバッグから出さなかったからレシートの収まるトコロがないのが可笑しかった。ともあれ、スマホ決済、ちゃんとひとりでできた。

 その後、慣れるためにセブンイレブンでも買い物して(こちらは別のキャンペーンあり)出来たことの開放感がすごくてテンション高めに次のお買い物へ。向かったのはキャッシュレス決済が一切出来ない食品スーパー。

 キャッシュレス決済ができないにも関わらず、その店は混んでいた。だってそのスーパーは、キャッシュレスの恩恵がなくとも充分安いし魅力的だもの。今度はちゃんと、財布を出して現金でお買い物。レシートもちゃんと財布の中に収まった。

 そもそも食料品を商うそのスーパーは、消費税率は8%のままなんだよね。だいたいの人が知ってたはずだけど、それでもうっすら「10月から増税か・・・」って、食料品まで買い置きしてしまった人いたんじゃないかしら。実際自分もやりそうになったし。

 キャッシュレス決済は、支払う方は便利と思っても、導入する店にしてみればやっぱりハードルが高いのだろうね。キャッシュレスを導入したことでお客さんを呼び寄せる効果があるかもしれないけど、最初っから価格が安いスーパーはキャッシュレスなんぞに頼らずともやっていける。

 キャッシュレスを導入する店、しない店がこれからも混在するだろうから、わたしたちはこれからもやっぱり財布を出したり出さなかったりしてお買い物をするのだろうね。そして、キャッシュレス決済については増税への恨みから頑なに使わない人も、便利さがわかってばんばん使う人も出てくるだろうけど、どっちが正しいってことはない。

 どの方法を取るにしても、この世でいちばん大事な自分自身を痛めつけない生き方ならいいのではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?